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2015年08月07日22:49

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レトロプロブレムの世界(11-5)

R29 (M.CAILLAUD)
フォト
g1とe7の駒はMaoである。初形でSの代わりにMaoが配置されていたとする。双方ともキャスリング可能である。
a)Bはどこで取られたか?
b)b8にいたMaoは最低何手動いたか? (12+9)

L.J.とP.S.の解答「Maoを動かす為に、まずはPを動かす必要がある。駒取りをする前に白が指せる手はPa2-a3とPf2-f3しかない。何故なら、出題図において白は0-0-0が可能だからだ。対局は1.a3 d6 2.f3 Bh3 3.gxh3のように始まり、これで白はK側のBを動かせるようになる。e7にいる白Maoがこの場所に来れるのは、d6が空いていたか(これはc-d筋でcross captureが起こったことを示唆している)、又はb6-c8-e7というルートを辿ったか(これはb-c筋でcross captureが起こったことを示唆している)のいずれかの場合しかない。
このうちb-c筋でのcross captureのみが可能である。(訳者注 c-d筋でcrross captureがあったとすると、黒側の駒取りは全て黒枡で起こったことになるが、白の黒枡Bが外に出られないことを考慮するとこれは矛盾)Q側の白BはPa3とPb2によって阻まれているので、黒にb-c筋でcross captureさせるには、K側の白Bが取られる必要がある。唯一の可能性はb7xBc6だ。黒Qはd3で取られている。白のQ、K側のMaoとRは動いているが、このうち白Q又はK側の白Rがf6で取られている。黒はe7xf6とする前に、Mao b8-d7と指さなければならないことを指摘しておこう。というのは、白駒がf6に到達するまでの間、Ph7-h6だけでは黒の待ち手が足りないからだ。Mao d7の後、黒はQ側のRを使って手を消費することができる。
e7xf6の後、g8にいる黒Maoはc4で取られ、やがてc6で取られるK側の白Bを解放することになる。Q側の黒Rだけではb1の白Maoを解放するのに十分ではないので(訳者注 Pb2xc3となっても、b1にいる白Maoは依然として動けない)b6-c8を経由してe7に到達したのは、最初g1にいた白Maoなのだ。Q側の黒Rはc3で取られていて、白Q又はK側の白Rもb6で取られることによりd7のMaoを動かせるようになる。この黒Maoは、Q側の白Bを取った後、b4で取られている。このMaoの最短経路はd7-b8-a6-b4-a2というものだ。ここで白Bがb2にいるとMaoの動きを邪魔してしまうので、a2以降の軌跡はa2xBc1-e2-f4-d5-b4というものになる。b1の白Maoがg1に到達するまでの間、黒は手待ちをする必要がある。従って、白はK側の黒Bを取るのを遅らせる必要がある。以上より、c8の白Maoは最終的にこの黒Bを取り、それは必然的にe7ということになる。

a)K側の白Bはc6で、Q側の白Bはc1で、K側の黒Bはe7で、そしてQ側の黒Bはh3でそれぞれ取られた。
b)b8にいた黒Maoは最低10手動いている。

とてつもなく豊饒で素晴らしい精度を持つ分析、これらが魅力的な配置に含まれている。Maoの特性が見事に利用されている」
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