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2015年08月05日22:08

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プロパラを振り返る(137)

 今日読んでいるのはプロパラ57号(January-March 2012)。これから拙作と、橋本氏の将棋プルーフゲームを引用することにしよう。

(262)高坂 研(Problem Paradise 57, January-March 2012)
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H#3 b)Sd6→g8(5+8)

a)1.Qf6 Rf5 2.xf5 Sc8 3.Ke6 Bb3#
b)1.Qd3 Bf3 2.xf3 Se7+ 3.Ke4 Rh4#

 Kniest themeを表現した作品は勿論沢山あるが、自分が見たものはどれも白の駒取りによって強引にmating positionをこじ開けるものばかりだった。やはり元詰キストとしてはここはactive sacrificeでやらなきゃ、と思って作ってみたのがこれ。
 黒Pの柱は不恰好だし、1解目と2解目でラインピースの動きの長さが揃っていないのも気になる。そして何より気に食わないのは、白Kh8が全く働いていないことだ。働かないどころか、どこに置いても余詰を誘発し、仕方なくh8にいるのだが、これがh8に居る為に今度はPg7を置かざるを得なくなっているのだ。詰将棋のようにNWK(No White King)にすべきなのだろうか?
 個人的には不満だらけの本作。そのうち時間があったら大々的に修理してやろうと思っている。

(263)橋本 哲(Problem Paradise 57, January-March 2012)
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将棋プルーフゲーム 86手

76歩、32飛、77桂、42銀、85桂、31金、93桂成、41玉、94成桂、51金、
84成桂、97香成、55角、96成香、98飛、95成香、58金右、94成香、68金寄、93成香、
78金寄、92成香、88金、82成香、91飛生、96歩、81飛生、97歩成、91飛生、81成香、
96飛生、82銀、86飛、96と、25桂、95と、13桂成、94と、14成桂、93と、
24成桂、92と、93香成、17香成、94成香、16成香、17桂、15成香、25桂、14成香、
33桂成、36歩、25成桂、24成香、13香成、37歩成、14成香、36と、15成香、35と、
16成香、34と、17成香、16歩、18成香、17歩成、48玉、16と、37玉、15と、
36玉、14と、37角、13と、14歩、12と、13歩成、11と、14と、13桂、
12歩、21と、11歩成、91と、12歩、35と迄86手。

作者−小駒を成って引くようにすると、相当の手数を容易に特定できる、という仕組みです。ごく単純な発想でだらだら長いだけ、という感じもありますが、こんな考え方もあるという程度に受け止めて下さい。なお、長手数にこだわるなら、もう少しいじる案もありそうですが、あまり意味があると思えないのでやめときます。

 現れた当初は手順を一意に限定することすら困難に思われていた将棋プルーフゲームも徐々に進化し、遂に86手まで到達した。それまでの長手数記録は中村雅哉氏の56手(これでも十分凄いのだが)だったのだから、一気に30手も更新したことになる。
 惜しむらくは、作者も自認している通り、長手数を生み出すメカニズムとしてはそれほど面白みのある手順ではないこと。その意味で、今後は詰将棋のような趣向手順を取り入れていくのが、将棋プルーフゲームにおける目標の一つになるのではなかろうか。

(参考図)中村雅哉(詰パラ 平成20年4月号、第21期妖精賞)
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将棋プルーフゲーム 56手
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