レトロプロブレムの世界（10-5）

R24 (E.CHARITSCHEW)

1手詰にできるのはどちらか？(16+11)

　局面をほぐすには、白がPa4xb5と取りを戻さなくてはならず、更にその前にa筋の黒Pの成を戻してa5まで戻す必要がある。その為には、白Ba5をb6に移動させなければならない。逆算は以下のようになる。
1...g2xSh3 2.Sf4-h3 h3-h4 3.Sd5-f4 h2-h3 4.Sc7-d5 Sd5-b6 5.Se8-c7 Sc7-d5+ 6.h6-h5 Rf8-f7 7.f7-f6 Rh8-f8 8.Sf6-e8 Rh7-h8+ 9.Sd5(g4)-f6 Bb6-a5 12.Sa1-c2 Ba5-b6 13.a2-a1=S Bb6-a5...16.a5-a4 a4xSb5...
以上より現在黒番であり、1.Qc7#で詰んでいる。1.Re8??はillegalである。「最終15手は完全限定であり、実に洗練された戦略である」

R25 (V.BLAZEK)

白から4手戻し（黒は3手）、1手詰にせよ (5+1)
Circe Martians

　作意解はJ.MAREKだけだったが、彼は前もって作者から解答を教えてもらっていたことを認めている。
1.Rh3-h1 Kh1-g2 2.Sg8-d7 Kg2-h1 3.g7-g8=S Kh1-g2 4.g2-g3と戻してから1.g8=Q#とすればよい。黒の戻し手には選択の余地はない。解答者の中には「やや退屈だ」などと別な解（例えば1.Re1xBh1 Kh2-g2 2.Sf5-e7 Bb7-h1 3.Ra1-e1 Bg2xQb7 4.Rc1-a1として1.Rc1-h1#)を答えてきた者もいたが、黒が白に協力するとは書かれていない。

R26 (A.FROLKIN)

どちらの手番か？(14+12)
Kiev Chess

　L.J.とP.S.だけが、この問題を見事に解いて見せた。おめでとう！彼らの解答は以下のようなものだ。「黒Pc2とe3で3枚駒取りをしている。h筋の白Pとa筋の黒Pは直進途中で取られたか、又はg8,b1で成っている。局面をほぐすにはPb3xc2と戻すことが必要で、それには白Pをb2に戻し、更にその前にQ側の白Bを復活させなくてはならない。逆算手順は次のようなものになる。
1...a6-a7 2.Se7-g8 a5-a6 3.Sc6-e7 a4-a5 4.Sa5-c6 b5-b6 5.Sb3xbPa5 b4-b5 6.Sc1-b3 b3-b4 7.d5-d4 Sd4-e2 8.Se2-c1+ Sc6-d4 9.h5-h4 Se7-c6 10.h6-h5 Sg8-e7 11.h7-h6 g7-g8=S 12.d6-d5 h6xwBg7 13.d7-d6 Bf8-g7 14.a6-a5 Ba3-f8 15.a7-a6 Bc1-a3 16.e7-e6 b2-b3 17.b3xwSc2...
という訳で、現在黒番となる（逆説的だが！）。非常に優れた作品だ！」