Advanced Course of Retrograde Analysis(37)

第35問　最終9手を求めよ


　白のなくなった駒はRのみで、黒のなくなった駒はQBSSPPPの7枚。白の駒取りはすべてPによるものである。初形をみるとすぐに思い浮かぶのはPe5xf6 e.p.+ Kd4 Sb5+というものだが、これだと白の駒取りが多過ぎて不可。en passantはいずれ出るにしても、何か工夫が必要だ。
　そこで、このように戻す：1.Sa3-b5+ Pb7-b6 2.Pb5xc6 e.p.+! Pc7-c5+



　どうしても右側に目が行ってしまうが、まずは左側でのen passant captureを戻すのが先決。続いて3.Rb6-e6+と戻すことで、右側でもen passantが可能になる。



　この後は3...Ke4-d4 4.Pg5xf6 e.p.+! Pf7-f5 5.Rg6-b6!と戻せばよい。



　白Rのダイナミックな動きと2度のen passantを絡めた構成は、かなり面白いと思うのだが、如何だっただろうか？

第36問　最終9手を求めよ