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2015年07月14日22:59

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(22)

(21)Luigi Ceriani(Europe Echecs 126 07/1969)
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局面をほぐせ(13+11)

 なくなった駒は白がQSSの3枚で、黒はQBSSPの5枚。駒取りの痕跡はb,c筋に残っているものの、後の駒取りは現時点では全く不明。それにも増して不思議なのは、双方のKがどうやってこの場所に辿り着いたかである。
 よく考えてみると、2段目のRのうち最後に動いたものはRd2に違いない。ということは、その時にc1に何か黒の遮蔽駒があった筈だ。それは黒Q以外あり得ず、ということは、白がRd1-d2と指した時にチェックがかからないよう、白もe1に遮蔽駒を入れておかなければならない。黒Qがこれを取り、それを白Sf3で取れば、下段の配置を作ることができる。

(図1)
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 この配置から、白Rd1-d2としてから2枚の白Sを外に出し、そこから白Re1/黒Rd1の局面を作れば、白Kを脱出させることができる。

(図2)
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 この後のほぐし方にも少し悩まされるが、白Pc2Bxb3と逆算するのが肝心。それから黒Pb3-b2とし、白Ba1をd2に連れて行き、黒Bb2-a3として黒Pa2を引き戻せば、a筋から黒のKQRRは全て脱出できるというシナリオだ。(従って、白はb,c筋で3枚駒取りをしていることになる。)

 ところが、この一見問題なさそうに見える逆算が、実は不可能なのだ。つまり、白Sで黒Qを取った後の黒の手がPe7-e6しかなく、このSがc6に辿り着く前に黒がretro-stalemateになってしまうのだ。しかも、前述の通り白はb,c筋で3枚の駒取りが必要なので、黒Qと合わせるともう4枚駒取りをしており、残りは1枚のみ。しかも、よく考えるとその1枚はg筋のPなのだ。これで本当に手が繋がるのだろうか?
 しかし白にもQが残っていることを思い出せば、程なく次のような局面に到達する筈だ。

(図3)
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 この局面から、Qxe1+ Sxe1 Pg4 Sf3 Pxf3 Qxf3 Pe6 Qc6 Pxc6と進めば出題図が得られる。

 所謂sequence of captureがテーマ。左下のほぐし方も考えされられる問題である。


(22)Luigi Ceriani(32 personaggi e 1 autore, 1955)
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局面をほぐせ(13+13)
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