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2015年07月10日22:56

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レトロプロブレムの世界(10-3)

(3) T.R. Dawson (Gszette Times 1913)
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2# (16+10)

 別な章には、(とても面白いパターンだと思うが)逆算途中の手詰まりを避ける為にキャスリングをしなければならない、というものがある。(3)において、我々は黒Kが白Qの居た場所を通過していることを示すことができる。出題図からの逆算は1.c7-c6 Kd1-e1 2.Rg3-g2 Qe1-f1+となる。この作品は38-39(訳者注 いずれもこの本の中での作品番号)と同じ種類のものではない。ここでは、白Kはその位置に関連した理由で動かなければならない。しかしながら、それは逆算手数の不足によってもたらされるものである。もし黒側に十分な時間が与えられれば、白Kは動く必要がない。
作意:1.Rd1 --- 2.Rd3#

(4) A.Troïtzky (Retrograde Analysis)
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Win (11+12)

 白の手詰まり状態において「指し手がない」というテーマは、着手を強制されるのが白か黒かで2つに分類できる。まず黒の場合を考えよう。その場合、黒駒は着手を余儀なくされるため、それ以前の状態を合法にするためには白駒を数枚戻さなくてはならない。このような非常に難度の高いメカニズムは、白がある駒を強制的に動かそうとし、そして他の全てのPは適切にロックされていて動けないという状況下で発生する。そして問題の局面において白駒が黒Pにuncaptureされると、今迄Pによってブロックされていた数枚の駒が解放される。不動だった黒Pに対する白の数手で、黒駒は動くことを余儀なくされる。

 (4)はレトロ解析を用いた合法なキャスリングを織り込んだ、見事な例となっている。白Kをブロックし、h筋の2枚の白Pが動かざるを得ない状態を作り出しているのは、Pd7xc6という手だ。これらの白Pがh5,h6へ向かって動いている間に、黒はQ側のBをc8に戻すことが必要である。キャスリングという戦略によって時間を稼ぎ、Q側のRをh6へ捨てる。この美しい構想に対しいかなる誤解も生じないよう、手順を記しておくべきだろう。1.g7-g5 g5xRh6 2.Rd6-h6 g4xQh5 3.Rd8-d6 g3-g4 4.0-0-0 g4-g5 5.Qh6-h5+ f3xBg4 6.Bc8-g4 Kb5-a5 7.d7xRc6+...
従って白は1.hxg6 e.p.とした後、2.gxh7又はg7と指せばよい。

(訳者注 最後にJean Bertinの住所が書いてあったが、これは割愛させていただく)

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