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2015年06月23日23:38

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(19)

(18)Luigi Ceriani(Europe Echecs 109 02/1968, 5th Prize)(53)
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局面をほぐせ(11+15)

 なくなった駒は白がSSPPPの5枚で、黒はP1枚のみ。白側の駒取りはg筋でのPによるもので尽きている。よってb7,c7の白Pはいずれも直進しており、b,c筋の黒Pがcross captureしていることが分かる。黒Pe5も1枚駒取りをしており、更にa,f筋の白Pも取られている。(d筋の白PはBに成ったのだ)これより黒の駒取りも尽きており、h筋の黒Pは成っていることが分かる。
 この黒PがSに成ったことも明らか。従って、黒Sb6をh1まで連れて行ってunpromotionし(白の手詰まりを防ぐ為、その途中でd,f筋の白Pも戻し)、Ph6xg7と戻すことで右上の膠着状態をほぐすのが目標となる。
 では、このシナリオ通りに逆算してみよう。すると、どうなるか?

1.Sc4-b6 Pb6-b7+ 2.Sa5-c4 Pe3-e4 3.Sc4xPa5 Pe2-e3 4.Se3-c4 Pa4-a5 5.Sf5-e3 Pa3-a4 6.Sg3xPf5 Pa2-a3 7.Sh1-g3 Pf4-f5 8.h2-h1=S Pf3-f4 9.Ph3-h2 Pf2-f3 10.Ph4-h3 Pg4-g5 11.Ph5-h4 Pg3-g4 12.Ph7-h6 ???

(失敗図)
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 このように、白はretro-stalemateに陥ってしまう。(Bをf1に格納する必要があるので、Pg2-g3とは戻せない)どこが不味かったのだろうか?もしここで黒Bh7がg8に居れば、これで逆算が成功しているのだが…。
 この逆算手順自体は間違ってはいない。となると、この手順に入る前に白は黒に1手の猶予を与える必要があるのだ。このことにさえ気付けば、序の伏線工作の発見は容易だろう。

1.Sc4-b6+ Pb6-b7+ 2.Sa5-c4 Pe3-e4 3.Sb7-a5! Qc8-b8 4.Sb8-d7 Qd7-c8 5.Bg8-h7 Qc8-d7 6.Sa5-b7 Qd7-c8+ 7.Sc4xPa5

(途中図1)
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 このようにして白Qと黒Sの位置を交換することで、黒はBh7を動かすことができる。後は当初の予定通り逆算すればよい。

7...Pe2-e3 8.Se3-c4 Pa4-a5 9.Sf5-e3 Pa3-a4 10.Sg3xPf5 Pa2-a3 11.Sh1-g3 Pf4-f5 12.h2-h1=S Pf3-f4 13.Ph3-h2 Pf2-f3 14.Ph4-h3 Pg4-g5 15.Ph5-h4 Pg3-g4 16.Ph7-h5! Pg6xSg7

(途中図2)
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 これでもう主題の部分は解明できたのだが、完全にほぐすにはもう少し時間がかかる。具体的には、以下のようにすればよい。

17.Sf5-g7 Ph5-h6 18.Se3-f5 Ph4-h5 19.Sc4-e3 Ph3-h4 20.Sa5-c4 Ph2-h3 16.Sb7-a5 Qc8-d7...

(途中図3)
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この後はRg7-f7, Bf7-g8, Rg8-g7, Pg7-g6の順に戻してBg8を外に出し、それからPf7-f6としてRe6を解放すればよい。


(19) Luigi Ceriani(Europe Echecs 113 06/1968)
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黒から指し始め、奇数手で局面を完全に復元せよ (14+14)
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