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2015年06月12日23:03

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Advanced Course of Retrograde Analysis(32)

第30問 局面をほぐせ
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 なくなった駒は白がP5枚、黒がQRBの3枚。また、なくなった白駒は全て黒Pによって取られている。白の直前の手はxf8=Sしかなく、戻したあとまた白が手詰まりになるのを避ける為には1.Kf5-g5 Pg7xRf8 2.Sc4-d2...とでも戻す他ない。右上は、この後黒RとSを外に出せばほぐせそうだ。

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 実際にやってみると白Be8とSd8も成駒であることがすぐに分かり、例えば以下のような図が得られる。

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 後はPh7xg6と戻して、順次Pをほぐせば終わりなのか?勿論、そんな簡単な話である筈がない。今度は目をa筋に転じてみよう。
 この筋の白Pはどこへ行ったのだろうか?成ったのだとすると、少なくとも2枚黒駒を取っており、c6で取られたのだとしてもやはり2枚の駒取りが必要だ。従って、いずれにしても白の駒取りはこれで尽きている。
ということは、白Pf7,g7はいずれも直進しており、このことから右上の黒Pの駒取りはPf7xe6-Pg7xf6-Ph7xg6の順だったことが分かる。従って、h筋の白Pは誰にも取られることなくh8で成っている!Ph7xg6が黒の最後の駒取りなのは明らかなので、この成駒は最後まで盤上に残っていることになる。それはどの駒だろうか?
 h8から左上の空間に潜り込める駒、それはQしかない。だがこのままではRa7が邪魔で、とてもb8から脱出できそうにないが…。
 しかし、この白Rがここから抜け出す方法が一つだけある。つまり、a筋の白Pが2枚駒取りをしてa8でRに成ったのだと考えればよいのだ。

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 こうすれば白Qを無事h8に迄戻すことができ、後は当初の予定通りにPh7xg6以下ほぐしていけばよい。作者の狙いはAUWだと思われるが、小さくSBSの成を戻しておいて、一転して大きく成Qを振り回す、この対比が非常に印象的な作品である。

第31問 局面をほぐせ
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 駒取りの連鎖について問われていますが、普通のrelease the positionだと思ってくれて構いません。
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