股が臭い

（日記内容は記事とあまり関係ありません。）
患者さんでときどきあるのが「おりもののにおいが気になる」つまり
「自分の股が臭い」というやつです。
平成元年に医師免許をとった産婦人科医であるワシがにおいをかいでみて、
「こりゃホントにまずい」と思う人はまあ１００人にひとりくらいでしょうか。
…病名は子宮がんの進行したやつ、もうすごいにおいで筆舌に尽くしがたい。
ちなみにがん末期はみんなにおいがすごいです。
乳がんの破裂したやつとか皮膚に顔出した腹部がんの転移巣とか。
「がん恐怖症」みたいな感じで「臭いからがん？」とか言う患者もきますが、
もちろん子宮がん検査はしますけどね、
実際の進行子宮がん患者さんのにおいを知らないから言えると思う。

おりものシートで通気性をなくし、スパッツやガードルで固めている場合、
靴下とブーツで固めた足みたいなもんで「蒸れた」においはしますけど、
それって本来のおりものや外陰部のにおいでないので、
おりものシートやガードル着用をやめると消失します。
…「自分で自分の股を臭くしている」わけですね。

感染症関係のにおいというのもあります。
通気性悪いと人間の膣の常在菌であるカンジダが増えやすいですが、
カンジダ増えるとおりもののにおいが変化するしかゆみが出ます。
カンジダは人間なら誰でもいる菌なので処女でも増殖すれば
「カンジダ症」になりますが、性病は処女はかかりません。
性病のチャンピオンはクラミジア感染か淋病ですが、
クラミジア感染の場合におりもののにおいが変化することがあります。
（何も症状ないまま持続感染して不妊症になってしまう女子も多いけど）

でもね、一番多いのは「自分がくさいと思い込んでいる」人です。
だっていったい誰と比べているんだ？
他のオンナの股のにおいをいったい何人分かいだことがある？
産婦人科医であるワシはすでに数万人ぶんかいでいるけど、
そのワシがかいでみて「…フツーじゃん」と思うのに、
本人だけ「でもくさい」といわれても、もうそれって精神病の範囲でわ？
自分が臭いと思いこむ疾患じゃなかろうか。

生き物は生き物のにおいがするのが当たり前で、
死んでも死人のにおいがするし、ホントに無臭なのはプラスチックか金属。
体臭（生き物としての自分のにおい）はあって当たり前で、
年齢や体質変化や食べ物なんかでも変化するし、それは認めるしかないのでわ？
「自分のにおいが嫌い」ならそれも産婦人科ではどうにもならん。
精神科でカウンセリング受けるしかないのでは？？




「体臭ゾーン」は半径何メートル？
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=29&from=diary&id=3454565