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2015年06月04日23:18

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Advanced Course of Retrograde Analysis(31)

第29問 黒Qの初手は?
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 まずは取られた駒の確認から。白はQBSPPPPの7枚、黒はSSRPの4枚だ。黒の最終手は明らかにQd8-e8+だが、これが駒取りでなかったとすると白がretro-stalemateになってしまうので、とりあえず白Qを取ったとして話を進めよう。

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 これで白の手詰まりの心配はなくなった。次の目標はKを脱出させることだ。それには黒にBf8-g7, Pg7-g6と戻してもらわないといけないが、このときBが白駒を取っていることは明らかで、それがSであることもすぐに分かる。

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 図2の状態からSh5-g7 Pg7-g6+と戻すことで、白Kの解放にも成功した。次に着目すべきなのは、白Rh8だ。これが成駒なのはすぐに分かる。黒Rh7の方は逆に成駒ではあり得ないので、これと干渉しないようにする為には、g筋の白Pが2度駒取りをしてg8で成る必要がある。そうすると、Pがg8で成ってh8に移動してから白Sがg8に入ったことになる。勿論その直前にいる場所はf6しかない。すると、次のような局面になってしまう!これを避けるための手段は一つしかないが、お分かりだろうか?

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 つまり、白がSf6とした時点で既に黒Qは存在しなかったのだ!出題図でチェックをかけている黒Qは成駒である。では、この成Qはどこで発生したのだろうか?
 先程の局面を見ればお分かりのように、白のe-h筋のPのうちg8で成ったもの以外は、もう成ることはできない。よってa筋の黒Pに取られる可能性もない。従って、黒Pに取られたのはBとRである。ということは、黒Pが成るためにはまずb筋でRを取った後、a2でBを取るしかない。そして白Rに避けてもらいa1でQに成ったのだ!

 という訳で、「黒Qの初手は?」という問いに対する解答は、Qa1-a2ということになる。

第30問 局面をほぐせ
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