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2015年05月21日23:13

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Advanced Course of Retrograde Analysis(29)

第27問 黒Qの初手は?
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 なくなった駒は、白がQBPPの4枚、黒がQSSの3枚。また、Pによる駒取りは白が2回、黒が3回。これよりd筋の白Pは成れないので、直進途中で取られてしまったことになる。
 右下の膠着状態をほどくには、まずPe2xf3としてから黒Rg3,Pf2を戻せばよい。しかしそうすると白Bf1も戻す必要がある。これを取った黒駒はPb5しかないので、その場合の局面は以下のようになる。

(図1)
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 ところが、これでは不可能局面である。何故なら、この配置ではa筋の白Pが成れないからだ。ということは、本当はこの局面ではまだa筋の白Pがあり、更にその成駒は最終局面でも残っているということになる。
 少し考えてみれば、その成駒はSg8であることが分かる。つまり、以下のような局面で、a8=SとしてからSc6-a7 Pc7-c6とし、その後a8のSをg8に運ぶという筋書きになる筈だ。

(図2)
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 しかし、これでもまだダメなのだ。というのは、a8=Sとした瞬間、黒がretro-stalemateになってしまっているではないか!一体どこがおかしいのだろうか?
 これを解決するのが黒Qの存在であることは、なかなか気付きにくい。つまり、もし以下のような局面になっていれば、これよりa8=S Kd8 Sc6+ Ke8 Sa7 c6 Sc7+ Kd8...と進めることが可能になるのだ。

(図3)
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 ということで、「黒Qの初手は?」という問いに対する答えは「全く動くことなく取られた」というものになる。

第28問 黒Kの初手は?
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