mixiユーザー(id:10857363)

2015年05月15日23:10

208 view

レトロプロブレムの世界(6-3)

PROBLEMES A CHERCHER(no.7)の解答

(1) Luigi Ceriani (Chess Amateur 1929, HM.)
フォト
(9+8)
a) 白Bを1枚追加して1手詰にせよ
b) すべての駒を一列左にずらしてから、白Bを1枚追加して1手詰にせよ。
c) すべての駒を二列左にずらしてから、白Bを1枚追加して1手詰にせよ。

(1) (CERIANI)
a)は白Bをb1に加えて1.Ba2#とすればよく、b)は白Bをf8に加えてBxe7#とすればよい。白Pによる駒取りが多過ぎるので、b)の解はa)では成立しない。c)では白Bをc1に加えて1.b3#とすればよい。白Bをe8に加えるのは、黒Pによる駒取りが多過ぎてillegalとなる。素晴らしい!

(2) Luigi Ceriani (Italia Scacc. 1943 Memorial V. de Barbieri, 1st Prize)
フォト
黒Qの最初の手は?(9+12)

(2) (CERIANI)
1.Qd8xQe8+ Qf8-e8と戻した後、白Kを黒陣から連れ出すには2.Kc2-b1 Qe8-f8 3.Bf8xSg7! Sh5-g7 4.g7-g6+とする他ない。これで白Kと2枚のQは容易に脱出することができる。ここで右上に注目してほしい。白Rは、白Pが少なくとも2枚駒取りをしてg8で成ったものである。もしSg8も成駒だとすると、更に2枚の駒取りが必要となるが、黒Ra8を取ることができないのでこれは不可能である。従って、Sg8は成駒ではない。従って、右上をほぐすには、黒Kをd8迄連れ戻してから、Pf7-f6 Sf6-g8と戻す必要がある。このことから、黒Qは原型位置で取られていることが分かる。出題図の黒Qは、a筋の黒Pがb筋でK側の白Rを取った後、b3xBa2-a1=Q(この時、Q側の白Rはb1にいる)としてできたものだ。最終的に、黒Qの初手はQa1-a2であったと結論することができる。このような軽い配置(レトロとしては)で、何という意外な結末であろうか!Cerianiの作品の中で、最も有名なものの一つである。

(3) Luigi Ceriani (La Genesi delle Posizioni 1961)
フォト
局面をほぐせ (11+15)

(3) (CERIANI)
 白側の駒取りは、d筋のPがe筋で黒Qを取っただけである。黒側の駒取りは、黒Pa6xb5(これはa筋の白Pの成に先行する)、b,c筋での黒Pによるcross capture、黒Pf4によるもの、それに黒Ph5xg4(これはh筋の白Pの成に先行する)で尽きている。白Rg6の成をh8で戻そうとする試みは失敗する:白Pがh7に来たとき、白Sh6にそれ以上戻ることを邪魔されるからだ(この白Sもまた、黒Bg8に動きを邪魔されている)。局面をほぐす唯一の手段は、白Rg6の成をa8で戻し、その後Pa5-a6 Pa6xb5とすることだ。具体的には、次のようになる。
1.Ba7-a8+ 2.Sb7-d8 Sh6-g8 ...10.Sd7-b8 Sh6-g8 11.Sf8-d7 Rg8-g6! 12.Sg6-f8+ Rf8 13.Bg8 Re8 14.Bh7! (14.Sf8ならば、以下e2-e3 ... 18.Sc7 Bb8 19.Sa7 Rc8 20.Sa6 Rc7-c8+ 21.Sc8 Ba7 22.Sb8 Rb7 23.Sa6 Rb8 24.Sc7 Ra8と進み、ここでretro oppositionが起こってしまい、結果として黒は貴重なPb3-b2の一手をここで失ってしまう。直接右から左に移動しようとする試みは、従って失敗する)Rh8! 15.Bg8 Rh7 16.Sf8 Rg7 17.Sd7 Rg6 18.Bh7 Sg8と戻す。ここで黒Pを戻すことなく手番を入れ替えるために、19.Sf8 Rh6!とするのが肝心である(白Rは、上段から下段に下がって来なくてはいけないのだ!)。以下、20.Sg6-f8+ Rh1 21.b3-b2 Sh6 22.Bg8 Ra1 ... 27.Sc7 Bb8 28.Sa7 Ra6 29.Sc8 Ra8 30.Sa7 e2-e3 31.Sc8 a7-a8=R 32.b4-b3 a6...として、局面をほぐすことに成功した。大傑作!(JPB)

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する