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2015年05月03日10:33

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君は子宮破裂を見たことがあるか?

ガンダムふうの表題にしてみましたが中身はかなりマジです。
既往帝王切開、つまり前の分娩が帝王切開だった場合、なぜ次もなのか、は
「切開された子宮筋がもろくなり、次回分娩時陣痛で裂ける」つまり
「子宮破裂」がおきやすくなるから、です。
子宮破裂が起きる確率は、人体実験してませんから確実ではないですが、
統計上では1000分娩につき2,3件といわれています。
つまり少なく見ても「1000人中997人はお産できる」のですが、
だからといって「お勧めです」とは絶対にいえません。
子宮破裂を見たことのある産婦人科医なら、口が裂けてもいえません。
それは、「子供がほぼ確実に死ぬもしくは重度後遺症が残る」からです。
手術前に手術を受ける利益不利益、受けない利益不利益を説明しますが、
どの妊婦さんも「1000人に3人なら自分にはおきない」と思い込みます。
思い込んだ挙句、もしも万が一にも子宮破裂にあたって赤ん坊が死ねば、
おそらく医師、病院は訴えられ、億単位の賠償金が請求されるでしょう。
子宮破裂兆候あってから15分以内に帝王切開すればいいとか、
ほざいているほかの日記もありましたけどね、それでもダメです。
7、8年前に福島県立医大であった事件、医大の看護婦さんで
既往帝王切開で経膣分娩希望、看護婦さんですからリスクは一般人より承知。
残念ながら子宮破裂がおき、15分以内で帝王切開が行われましたが
子供には重度の障害が残りました。
こどもが4歳になったとき、この看護婦さんは医大を訴えました。
確か莫大な賠償金が請求されたはずです。
その後を聞かないので、おそらくかなりの金額で和解になったのでしょうが、
それにしてもこの裁判話は、東北地方の大病院をびびらせるに十分な話でした。
この事件以後に既往帝王切開を経膣分娩しようとする大病院は
少なくても東北地方からは消えたと思います。
少子化時代です、一生に生む子の数は1,2人です。
たったひとりのその赤ん坊に何かあったときの重みが
たとえば30年前とはぜんぜん、違います。

自分の経験ですが、既往帝王切開、帝王切開予定だった妊婦さんが
手術日の数日前の夜中に陣痛がきてしまいました。
だんなさんが夜勤で不在、上の子を預けるあてを探してから来院したのは、
最初の電話があってから2時間後でした。
いそいで手術室にはいり、おなかをあけたら。

つやつやしたピンク色の子宮の表面に、お花が咲いていました。
子宮が裂けて、花のように開いていたんです。
薄い膜を通して、羊水のなかに浮かぶ紫色の赤ちゃんが見えました。
超高速で赤ん坊を出して小児科医にわたし、小児科医は走ってNOCUへ。
赤ちゃんは呼吸器から離脱できないまま、1年後に病室で亡くなりました。

もう二度とあんな経験はしたくありません。
帝王切開の手配は予定日より十分早く、
上の子どうこうならいっしょに来てもらって、とにかく早く手術を!
ましてや、前が帝王切開とわかっているのに
「とりあえず経膣トライしてダメそうなら手術」なんて方針は絶対に立てることができません。



帝王切開が増える本当の理由とは? 日本の産科医療が抱える「2020年問題」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=77&from=diary&id=3400551
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