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2015年04月28日23:30

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(12)

(11) Luigi Ceriani (La Genesi delle Posizioni 1961)
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1手詰にできるのはどちらか?(11+13)

 なくなった駒は白がQRBPPの5枚で、黒はQRPの3枚。白の駒取りはPd4,e3,f3によるもので尽きている。また黒の方はPc2が少なくとも3枚駒取りをしている。ここでa筋の白Pについて考えてみよう。もしこのPが成っているとすると、黒のa-b筋でcross captureがあり、黒の駒取りもこれで尽きている。ところが、これは双方のh筋のPが盤上に存在しないことと矛盾。(これらのPがどちらも成るためには、最低1枚の駒取りが必要になるので)よって黒Pa6はa7にいたものであり、a筋の白Pは直進途中で取られている。これで黒の駒取りも4枚となり、Pc2はf筋のPであったことも分かる。

 さて、左下の塊をほぐす方法を考えてみると、Sa4-b2 Sb2-c4+とした後、Pb6-b5として白Kを解放するしかない。しかし、ここで一つ問題がある。この黒Pを戻す前に、黒Rを左上のエリアに戻さなくてはならないのだ。この黒Rを取った駒は明らかに白Pg2であり、するとこれを取った時点で白Bはまだf1にいる。ということは、更にこれを取る黒駒も必要であり、それはh筋の黒Pだろう。勿論、この黒Pはこの白Bを取った後、直進して成っている。これで黒側の駒取りも尽きているので、h筋の白Pもまた直進して成ることになる。つまり、最後の駒取りがあった後で双方1枚ずつ成駒を作ったことになる。それがいずれもSであることは明らかだ。では、そういう局面を実際に構成してみよう。

(図1)
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 この局面から出題図が得られれば良いのだが、実はこれは失敗図である。というのは、Pb5+ Kb3のあとRb6-f6-f3と黒が指す間の白の手がないではないか!(白Rh1は既に黒Pに取られている筈なので、Ph4はこれ以上戻せない)この2手をどう稼げばよいのだろうか?
 ここで、a筋のPの存在を思い出すのが肝心。これがすべてを解決してくれる配置なのだ。

(図2)
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ここから1.Pb5+ Kb3 2.Rb6 Pa5! 3.Rf6 Pa6! 4.Rf3 Pgxf3 5.Pc6 Bh3 6.Pd6 Bg4 7.Pxg4 Ph5 8.Pg3 Ph6 9.Pg2 Ph7 10.Pg1=S Ph8=Sとすすんで次図。

(図3)
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 ここから後はもうお分かりだろう。黒Sは白Pa6を取ってb2に行き、白Sは単にa7に行けばよい。ここで枡目の色が決定的な意味を持つ。白はSがh8(黒枡)からa7(黒枡)に移動しているので、これにSb2-c4の1手を加えると指し手は奇数手。対して黒はSがg1(黒枡)からb2(黒枡)に移動しているので、Sだけで偶数手指している。黒は更にPa7-a6の一手も入るので、トータルで奇数手指したことになる。双方とも奇数手指しているということは、その局面で白が指し終えたところということになるので、出題図は黒番であり、Bb1-a2#が正解ということになる。

 同様に手番を問う問題を、もう一題紹介しておこう。

(11-a) Luigi Ceriani (Europe Echecs 92-93 10/1966)
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1手詰にできるのはどちらか?(13+9)

 今回は、この作者にしては軽い問題。是非挑戦してみて下さい。

(12) Luigi Ceriani (Europe Echecs 51 03/1963)
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最終7手を求めよ(14+13)
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