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2015年04月09日23:01

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Advanced Course of Retrograde Analysis(23)

第21問 1手詰にせよ
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 まずは取られた駒の確認から。白は1枚も取られていないが、黒は9枚取られていて、その駒取りは全て白Pによるもの。従って、白がPを戻す手以外にuncaptureはできないことになる。
 さて、もしこの局面が白番なら1.Rxd6#で、逆に黒番なら1.h1=Q#でそれぞれ詰みとなるが、果たしてどちらなのだろうか?仮に白番だとしよう。その場合、直前の手は黒Kが動いたことになり、戻し方はKe6-f6しかない。

(図1)
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するとこれはSg5でチェックになっているので、白としては当然Sh7-g5+とする他ない。更に一つ前の黒Kの着手の可能性は2つある。Kf6-e6か、Kd5-e6だ。

(図2A)
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(図2B)
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 Kf6-e6の場合は、その直前の白の手がSg5-h7しかなく、出題図と全く同じ局面に戻ってしまっている。これをいくら繰り返したところで、初形には戻れない。所謂、レトロ千日手(retro-perpetuity)である。

(図3)
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 Kd5-e6の場合は、その直前の白の手はBf5-e4+となる。また黒Kの動きは行くか戻るかの二択となるが、戻ればさっきと同じ局面なので、Kc6-d5と進むしかない。詰将棋の知恵の輪によく似た機構が見えてきましたか?

(図4)
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このあとKはc7までは進めるのだが、そこで行き止まりである。黒Kはいくらでも動き回ることはできるのだが、この枠を飛び出す為の鍵はどこにもない。

(図5)
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以上より、出題図は白番ではあり得ないという結論に至る。従って黒番であり、1.h1=Q#が正解ということになる。

(図6)
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第22問 局面をほぐせ
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「チェックですか?」と尋ねていますが、普通にrelease the positionだと思ってくれて構いません。
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