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2015年04月07日22:44

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(9)

(8) Luigi Ceriani (32 personaggi e 1 autore 1955, 2nd Prize)
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黒Qの初手は? (12+15)

 なくなった駒は白がBBSSの4枚、黒はQのみ。このうち黒側の駒取りは全てPによるもの。特にPf2はh筋のPだったので、これが2枚駒取りをしてからPg2-g3として白Bf1が出て行っている。よってこのBが取られたのはb5である。また、2枚の黒Bを見ると
(1)Pe7xd6としてBf8が外に出る
(2)これがa7に入ってからPb7-b6としてBc8が外に出る
(3)このBがh7に入ってからPg7-g6とする
という順でBとPが動いたことが分かる。

 だが、このまますぐに上記の逆算を試みると、白はh筋のPをh2まで下げるしかなく、そこで手詰まりになってしまう。よって、まず黒はRd2-d1, Rd1-c1と戻して、白Qが動けるようにしてやる必要がある。

 では、この順に戻してみよう。するとPd6を戻す前にKも戻す必要があるので、Pe7xd6の直前は例えば以下のような局面になっている筈だ。

(図1)
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 ここではたと気付く。Pd6を戻す前に、黒Kだけでなく黒Qも格納しなくてはならないのではないか?ところがよく考えてみると、ここまでの白の着手では黒Qを取ることはできない。よって黒は単にPe7xSd6と戻す他なく、結局黒Qは初形位置で取られていることになる。
 尚、この後はd6に発生した白Sをd1に挟んで黒Se1を解放し、次いで白Kもh筋から外へ逃がせばよい。その後の逆算は容易だろう。

 橋本 哲氏によると、この「黒Qを原型位置で取る」というテーマに対し、Cerianiは実に12種類もの意味付けを考案しているらしい。本作だと「黒Qが外に出られるようになった時には、既にこの駒を取れる白駒が存在しない」ということになろうか。同様の意味付けの作品をもう一作紹介しておこう。

(8-a) Luigi Ceriani (Europe Echecs 74 03/1965)
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初形位置の黒Qはどこで取られたか? (11+14)

 今回の出題作も(8)と同様の構図だが、勿論手順は全く異なっている。今回の意味付けは、果たしてどういったものだろうか?

(9) Luigi Ceriani (Europe Echecs 115 08/1968, 1st Prize)
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黒Qは取られるまでに最低何回動いているか? (12+10)
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