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2015年03月17日22:57

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(7)

(6)Luigi Ceriani (La Genesi delle Posizioni 1961)
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黒から指し始め、奇数手で局面を完全に復元せよ(16+13)

1.Sc8 Ba7 2.Rb7 Sc7 3.Rb8 Sa6

(基本図)
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 ここまでは紛れがない。手番を入れ替える問題だから、最終的にこの局面を白番として迎えることが目標である。何しろ白Sしか動かせる駒がないので、とりあえずこれをg5に挟めて、右上の塊を動かしてみるしかないだろう。白Sを4-8.Sa6-c5-b3-d4-f3-g4として以下の局面になる。

(図1)
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 ここから9.Qh5+ Sg5 10.Rh6 Rgh7 11.Bg7 Qf8 12.Rb7 Bf7 13.Rc7 Qe8 14.Bf8 Rg7 15.Rh7 Bb8 16.Qh6 Ba7と進めてみる。しかしどうも変だ。右上の動きでtriangulationができた訳でもないし、おまけに白QとBの位置は入れ替わってしまっている。これで本当にテンポを失うことができているのだろうか?ともかく、元のようにSを戻してみよう。

17.Rb7の後 17-20.Sf3-d4-b3-c5-a6 ともどすと以下の局面になる。

(図2)
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 この局面を基本図と比べてみよう。よく見ると、黒Rの位置がずれているではないか!これにより、左上でテンポを失うことが可能となる。

21.Rb8 Sc7 22.Ra8 Bb8 23.Ra5! Ba7 24.Ra6! Bb8 25.Ra8

 これで手番の入れ替えに成功した。あとはSをもう一度g5に挟み込んで、BとQの位置を元に戻せばよい。これまで来た道を逆に辿るだけなので、後は迷うこともなかろう。

 分かってみると、右上での白のQf8-Bf7-Qe8という3手がtriangulationと同様の効果を生じているのだが、私が実際に解図したときにはそのことに全然気付かず、随分苦労させられた。右上での折衝では直接的には何も生じず、しかし実は左上のRの偶奇性にズレが生じていたというのは、実に巧妙なストーリー設定ではないだろうか。

 Cerianiは一つの構図から色々なパターンを思いつくタイプの作家のようで、本作に似た図をいくつも発表している。その構図で可能な手順を全て作図してみたかったのであろう。(前にも書いたが、この辺の発想は久留島喜内に似たところがあると思う)今回の出題図もその一つだ。

(7)Luigi Ceriani (Europe Echecs 58 10/1963)
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局面をほぐせ (12+14)
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