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2015年01月19日22:56

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Orbit研究(165)

 これからしばらくは、Orbit no.32(October 2006)を読んでみることにしよう。まず目についたのが、Z.Janevskiによる“Anticipatory Self-pin with Critical Move by Pinning Piece”という論考。タイトルの通り、黒が白駒の利きに駒を挟み込んでから、そのライン上に黒Kが移動し、最後はpinmateになるという作を40作以上分類し、比較検証している。この中から、気に入った作を紹介していこうと思う。

(1)Zvonimir Hernitz(Problem 1966)
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H#3*(3+10)

set:1...Bxa1 2.Sc3 Kf4 3.Kd4 Rd1#
1.Ke4 Bh2 2.Sg3 Kf6 3.Kf4 Rxc4#

 左右で同様な展開をした例。無駄なくシンプルに表現している点を評価したい。年代からして、このあたりがこういう構成のはしりなのだろうか?

(2)Hans Moser, Paul Loschl(idee & form 1995)
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H#3 b/c)Ba2→a3/a7(10+13)

a)1.Sxe3 Rh4 2.Sg4 Bc3 3.Kf4 Bd2#
b)1.Bxe4 Rxf2 2.Bf3 Bc1 3.Kf5 e4#
c)1.Sfxe5 Rf8 2.Sf7 Bb6 3.Kf6 Bxd8#

 黒の駒取りスイッチバック3種。かなり力任せに作った感があるが、意欲作ではある。

(3)Nikola Stolev(Orbit 2004, Comm.)
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H#3 b)Kd6→c4(3+13)

a)1.Re7 Bc8 2.Qd7 Rc3 3.Ke6 Rc6#
b)1.Bc2 Rxb3 2.Qc3 Bd7 3.Kd3 Bb5#

 これはmagnetic themeに絡めて表現した例。玉を背後から仕留めるラインピースの大きな動きは意外性がある。白に無駄な配置がないことも相まってなかなかの好印象。
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