人間はミスをする

ウチの肛門科の医者もミスにえらい厳しくて
ミスはした人間の責任、っていうんだけどね。
でも人間はそもそも「ミスをする動物」なのよ。

…こういうこと書くと
「亡くなった人の家族にとってはひどいこと」とか言うけど、
ワシが今回書きたいのはミスの話であって
ミスで亡くなった人はホントに気の毒だし
何らかの補償をされるべきだと思っているのでそのあたりヨロシク。

で、ミスの話なんだけどね。
どこの病院でも薬品とか輸血のラベルとかは３回確認することになっている。
３人の人間がやることもあるし、人数少ない職場なら
薬品とってきたとき、詰めるとき、投与直前にそれぞれ
声を出してラベル読み上げるとか、とにかく３回。
この事件も、薬剤師と看護師ふたりが関与してたわけで、
「３回確認」のシステムはできていたけど機能しなかった、ことになる。

そうなると次はやっぱり「劇薬を別棚に置く」のをやらないと。
特に筋弛緩剤は場合によっては麻酔科しか請求できないようにして、
麻酔科以外が請求するときは特別な請求書を必要とし、
これがないと鍵を開けない決まり、とか。
それからやっぱり「おなじような名前の薬は採用しない」も原則だね。
薬メーカーによってはこのためにわざわざ
「名前を特殊にして取り違えを防ぐ」ようにしているのを売りにしてたりするからね。

まあこんなのは院内の委員会なんかで何度も言われていることだろうし
ワシが今更言うようなことではないがな。
でも少なくても、ミスしたその人間を責めたら（やめさせるとか）
ミスがなくなるとかそういう話じゃないんですよ。
人間はミスをするもの、その前提でじゃあしないようにするにはどうするか、
と考えるべきなんです。

ウチの肛門科医みたいに事務だの看護師だのどなりまくるって
あんまり好きじゃないんだな。
ワシが院長なんだから肛門科医に言えばいいんだけど、
小さい職場だし医者を叱るのもどうかとは思うし。
（ついでに言うとココロのビョーキで感情障害あるし）
まあ各職場でいろいろ対応はあると思いますが、責めることで解決はしないと思います。