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2014年12月20日23:21

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温故知新(詰パラ511号-02)

 今日も昨日に引き続き、詰パラ511号から。

橋本孝治
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(詰パラ 平成10年10月号、第37期看寿賞)

29香、イ28香、同香、同玉、29香、同金、同馬、同玉、49飛成、39飛、
19金、同玉、39龍、29金、18金、同玉、38飛、ロ28角、同飛、同金、
63角、ハ27銀、19金、17玉、28金、同銀成、37龍、27桂、同角成、同成銀、
28金、16玉、27金、ニ25玉、26金、ホ24玉、33銀、13玉、17龍、ヘ14歩、
25桂、12玉、14龍、21玉、22歩、同金、同銀成、同玉、13桂成、31玉、
34龍、32角、同龍、同玉、21角、41玉、42金、同玉、43桂成、41玉、
32角成迄61手詰。

イ28銀は同香、同玉、37銀、19玉、29金以下。
イ28飛は同香、同玉、27金、同玉、26飛、同玉、46飛成以下。
ロ28銀は同飛、同金、19銀以下。
ハ香合・金合はいずれも19金以下作意通り進んで早い。
ニ15玉は35龍、25合、26金以下早い。(よって25玉は限定)
ホ14玉は34龍、24合、25金以下。
ヘ14桂は25桂、12玉、14龍、21玉、23龍、11玉、13龍、12飛、23桂、
21玉、22歩以下。

 藤本 和(詰パラ 昭和60年3月号、第24期看寿賞) や若島 正(詰パラ 昭和62年5月号、第26期看寿賞)に代表されるように、現代の七種合は配置をコンパクトにし、手順も30〜40手台にまで縮めるすることでその密度を高める方向に進化してきた。ただ、そういう方向性が上記の作品によってほぼ極限にまで推し進められたことによって、七種合という条件作が一種の袋小路に入ってしまったように見えるのも事実だ。
 本作におけるメインの合駒ブロックは右下のものであり、ここで既に歩合を除く6種類の合駒が出現している。作者の力量からいって、残った歩合もここで出すことなど造作もないことだったろう。だが、彼は敢えて現代のトレンドを拒絶した。つまり、息苦しいまでに圧縮することではなく、自然な流れの中に七種合が出現する、その方を選んだのではなかろうか。作者が作者だけについそんな深読みをしてみたくなる。

余詰屋本舗
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(詰パラ 平成10年10月号)

43龍、64玉、73龍、54玉、43銀、44玉、34銀成、54玉、43龍、64玉、
56桂、同馬、73龍、54玉、44成銀、同玉、43龍迄17手詰。

 たった17手で龍が二往復半もするという、初形曲詰にしては美味し過ぎる手順。何を手掛けても器用に纏めるその才能が羨ましい。

富沢岳史
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(詰パラ 平成10年10月号)

A32銀、34玉、37香、イ同角生、43銀、同玉、53飛生、34玉、33角成、35玉、
24馬、45玉、46歩、44玉、35馬、同玉、55飛成、34玉、45龍、33玉、
36香、同龍、51角、32玉、42龍迄25手詰。

A53飛成は34玉、37香、36角生以下打歩詰逃れ。
A53飛生は34玉、37香、36龍以下逃れ。
イ36歩は43銀、同玉(23玉は21飛成、22金、同角成以下)、53飛成、34玉、33龍、45玉、35龍、54玉、55龍、43玉、53龍、32玉、33龍、41玉、52桂成以下。
イ36金は43銀、同玉、53飛成、34玉、33角成、35玉、24馬、45玉、46歩以下。
イ36龍は33角成、35玉、24馬、45玉、46歩、44玉、43銀成、同玉、42馬、同玉、52飛成以下。

 飛を成るかどうかを攻方が先に決めてしまうと、玉方はそれに応じて36の合駒を変えてくる。よって飛の成生を保留したまま37香とし玉方の応対を尋ねるという、所謂酒井手筋。変化がやや煩雑すぎるきらいはあるが、意欲作ではある。

上田吉一
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(詰パラ 平成10年10月号、第11回妖精賞)
Royal Grasshopper 31

Royal piece:Kの代わりをする駒。すなわち、チェックやメイトの概念をKではなくRoyal駒に適用する。
Grasshopper:Qと同じ方向に、駒を一つ飛び越えてその次の桝に着地する。そこに敵の駒があれば取れる。

33G、イ34G、32G、33G+、35G、32G、34G、ロ35G+、33G、
13G+、23G、33G+、31G、34G、35G、12G、13G打、15G+、
25G、33G+、34G迄21手詰。

イ同G+は31Gで、以下
・15G+は33G打、25歩、24G迄。
・35G+は33G打、13G+、23G迄。
・34Gは35G、36G、34G打、15G+、25G迄。
ロ15G+は33G、25歩(同G+は以下変化イと同様)、24G、33G+、31G、34G、35G、14G、34G打迄。

「将棋盤でGrasshopperを大量に扱ったらどうなるか?」という問いに対する、上田さんなりの回答。こういう試みは「神無一族の氾濫」などで時折目にするが、本当に面白いものができるのかどうか、それすら不明というのが現状だ。つまり、外来のフェアリー駒を詰将棋に導入したら何が起こるのか、我々はまだ殆ど何も分かっていないのだ。

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