インフルエンザ予防接種を学童に集団的に行っていたときと
行わなくなってから、どういう変化が起きたか、は統計的にわかっています。
集団接種をしていたときも、学童のインフルエンザ感染数は変化なく、
学級閉鎖の回数も同じでした。
ただし、学級閉鎖の日数は集団接種時代のほうが短期間です。
さらに、社会全体を見ると
集団接種時代には乳幼児や老人のインフルエンザ死は明らかに少なく、
インフルエンザ脳症患者数も少なかったのです。
つまり、インフルエンザ予防接種は
「個人のインフルエンザ感染を防ぐ」ものではなく
「社会的にインフルエンザによって亡くなったり脳症になったり
学級閉鎖などで社会参加できなくなる率を下げる」ものだったんですね。
自然界で人間が小さい集団で生きていたなら不要、でも
一定数の大きな社会で生活していくうえでは
「多くの人間に重大な不利益が起きない」ようにするための手段、
社会防衛が必要です。
インフルエンザ予防接種はまさに社会防衛、個人の感染を防ぐのが主目的ではないのです。
もちろん予防接種によってインフルエンザ感染をしないで済む、
もしくは感染しても軽症で済む(脳症にならない)という恩恵を被る人間も
決して少なくはありませが、。
社会防衛としてたくさんの人間が予防接種を受けるのが大事です。
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