mixiユーザー(id:10857363)

2014年12月12日23:16

595 view

温故知新(詰パラ510号)

 今日読んでいるのは詰パラ510号(平成10年9月号)。短編を2題、中編を1題それぞれ紹介することにしよう。

原亜津夫
フォト
(詰パラ 平成10年9月号)

56飛、同と、44馬、55と、56馬、同玉、46金、同玉、47金迄9手詰。

 43馬の利きが左下にきれいに通っている為に、44馬が心理的に非常に指し難い手になっている。作者は二枚馬の連結の筋から作り始めたようだが、それは初形からは全く読み取れず、苦戦した解答者も多かったよう。
 この二枚馬の筋は、後にこの作者へ二度目の看寿賞をもたらすことになる。

木下 豊
フォト
(詰パラ 平成10年9月号)

54銀、同玉、55銀、同龍、66桂、同龍、36角、同龍、43銀、同玉、
53金迄11手詰。

 大模様だが、やりたいことは明快。龍を3連続捨駒により無力化しておいて玉を当初の位置に戻せば、初形では打てなかった53金が成立する。特に55銀が一本入ったことで捨駒のロジックに奥行きが生まれているところに、作者の技巧を感じる。

橋本孝治
フォト
(詰パラ 平成10年9月号、全国大会握り詰優秀作)

23と、イ同玉、24飛、同玉、29香、33玉、44と、同玉、54龍、ロ33玉、
34角成、32玉、23香成、同桂、43龍、22玉、23龍、31玉、41歩成、同玉、
43龍、42金、33桂、51玉、42龍、同玉、43金、31玉、21桂成、同玉、
32銀、11玉、33馬、22金、同馬、同玉、23金、11玉、21銀成、同玉、
32金左、11玉、22金迄43手詰。

イ同桂は44と、同玉、24飛、43玉、23飛成、33金、45香、44合、63龍、
 53合、35桂、42玉、44香以下。
ロ35玉は55龍、36玉、25角成以下。

 これは全国大会の握り詰で一位になった作。といっても、作者が自分でバラシているように(「橋本孝治普通詰将棋全作品」参照のこと)、実はこれ、駒種を見てからの創作ではなくストックにあったもののうち駒種が一致したものを出したらしい。
 でも、こういうスゴイ人は余り正直に創作の裏話を書かないで欲しいという気がする。「握り詰でも香の最遠打を入れ、最後はミニ煙で纏めてしまう超人」という伝説が、詰キストの間でまことしやかに語り継がれる方が面白いと思うんだけど。

2 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する