今日読んでいるのはプロパラ47号(July-September 2008)。その中から、渡邊氏のヘルプと上田さんのフェアリーをそれぞれ1題ずつ紹介しよう。
(225)渡邊一雄(Problem Paradise Issue no.47)
H#3 2sols.(4+6)
1.Qc6 Bh1 2.Qg2 Rc3+ 3.Ke4 Bxg2#
1.Qc8 Rc1 2.Qc2 Be4+ 3.Kc3 Rxc2#
白R/Bと黒Kとの間に一枚Qを挟み込むことで詰上がりを得る。似た感じの先行作として小林敏樹作があるが、小林作の黒Qが2解でb2-b7-g7を結ぶ三角形の2辺をなぞるのに対し、渡邊作の黒Qの軌跡は一方を45度回転したものがもう一方のものとなる。
どちらもODT(Orthogonal-Diagonal Transformation)として十分満足のいく構成だが、こうした細かな点によって印象が違ってくるのがヘルプの面白さである。
(reference problem)
小林敏樹(Problem Paradise Issue no.38)
H#3 b)Kc5→c2(3+9)
a)1.Qg7 Rb8 2.Qb7 Bd4+ 3.Kb4 Rxb7#
b)1.Qb7 Bh8 2.Qg7 Rb2+ 3.Kc3 Bxg7#
(226)上田吉一(Problem Paradise Issue no.47)
H#2 b)Ke6→f6(2+3)
Andernach, PWC
Andernach:K以外の駒は、駒を取ると色が変わって敵の駒になる。新しく発生したRはキャスリング可能。
Platzwechselcirce(PWC):駒を取るとき、取られた駒は取る駒が直前にいた位置に再生する。8段目に発生したPは任意の駒に成れ、その選択は取りを行った側が決められる。1段目に発生したPは動けない。
a)1.Bf8 b4 2.Bxb4=w(f8=wQ) Qf5#
b)1.Bg8 b3 2.Bxb3=w(g8=wQ) Qg5#
PWCというルールの特性を最大限に活かした作意順。「原理図にして完成品」という評がぴったりの、上田流簡素図式。
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