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2014年11月29日23:20

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映画「救いたい」

震災関連映画。詳細は映画サイトでも見てください。
一応一種の関係者なので、招待券もらって観賞してきました。

自分にとってあまりにも「いま」「ここ」すぎたかな、という感想です。
映画に出てくるどの場所も住んだこと行ったことがあるとかこれまでなかったし。
映画に出てくるエピソードすべて自分が聞いたこと見たことだってのもなかったし。

全く震災に関係ない土地の人が見たらいったいどういう感想を持つのかなぁ。

三浦友和さんの東北弁が一番聞こえがよかった。
仙台市出身の鈴木京香にあえて他の土地出身者をやらせて土地言葉を使わせなかったのもよかった。

津波の映像があるので、トラウマのある人間にはきついかも知れない。
ラストの祭りのシーンで、震災で亡くなった家族の写真をかかげた人たちが
本当に家族を亡くした人たちであること、そして
そこに出てきた写真に写った方々が本当に震災で亡くなった方々であることが
つらい。

自衛隊や警察の方々が、冷たい泥や重い瓦礫をかきわけて
人探しをしてくれたことも本当だし、
感謝の気持ちはあるけど思い出したくないから会いたくない、のもわかる。
自衛隊のヘリコプターが飛ぶ姿を見て「ああこれで助かる」と思ったのも覚えている。

映画の背景は「震災から2年半後」の設定で本当にそうなんだが、
見てもらえればわかるとおり、何もない。
津波で流された家のあともそのまま、雑草が生い茂るだけ、
家の土台がただ放置されているだけ。
仮設住宅は仮設住宅のまま、そのまま。
道路も舗装が破壊されたまま、海岸も砂がさらわれて狭くなったそのまま。
被災地は今もまだ被災地のまま。
ヘリが飛び立つ街は街灯もなく真っ暗な仮設住宅郡で、
ヘリが到着する街には明るいネオンと車道にあふれるライトがある、のもその通り。

もし被災地以外に住むひとが見るなら、そこを見逃さないでほしいと思う。

津波で亡くなった兄の遺骸が見つからない漁師さんが言う。
「兄貴は海に帰ったと思ってあきらめる、津波三日後に生まれたこの子が兄貴と思う。」
津波で子供を亡くした父親が、今も、瓦礫だらけの家の周囲を掘る。
学校の名札ひとつでも出てこないかと思って。
結婚直後に津波で夫を亡くした嫁さんにばあさんが言う。
「まだ若くてきれいなあんたをこの家に縛り付けてはおけない。」
嫁さんは言う。
「一生いっしょって約束したんです。津波さえなかったら今も。」

ぜんぶぜんぶ、本当のこと、今もここで起きていること。
現在進行形なのだ。
つらいなぁ。

いろんな人たちに、外国の人にも見てほしいけど、
たったひとつ、題名がよくない、と思う。気張りすぎ?
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