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2011年08月13日23:48

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南方軽便鉄道攻略作戦2010 4

2010年9月1日

月が明けた9月の最初の訪問地は東部ジャワでも大きいプラントに類するスンボロ(Semboro)製糖工場です。現在でも現役のフィールド線が多く、広大なさとうきび畑の中を縦横無尽?に軌道が敷かれ、都市の路面電車のように本線どうしのクロスや渡り線があちこちに存在し、場所によっては複線区間もあります。かってはBBマレータイプのSLを多数含んだ何十両もの小型蒸気が走り回る大蒸気機関車鉄道でしたが、現在運用は全てディーゼル機関車に代わられ、SLは2両のみがチャーター運転に限って運転されます。

スンボロ工場は何年も前に一度だけ訪れた事がありましたが、他の工場群から少し離れた位置にあることもあり何年も御無沙汰してましたが今回久しぶりに訪れよう、と言う事になりました。

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朝、ホテルの部屋で目覚めてホテルの中庭を眺めてたら、その塀の先でインドネシア国鉄の貨物列車が通過。判り難いけどプールの奥の白いのがDL。塀に線路が隠れていたので列車が来るまで、そこに線路があることは気付きませんでした。

ホテルから車で30分強でスンボロ工場に到着。入場手続きの後、まずは機関庫に向います。

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軌道の規模が大きいので機関庫も広く大きいです。何台ものDLが修理作業中でした。

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小さなDLの解体修理中のミッション。1961年ドイツ シコマ製。

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こちらも整備中の小さなDL。1979年 ドイツ シコマ製で、上の2号機と同じメーカーだけどだいぶ新しい。カメラを向けるとポーズをとってくれましたほっとした顔

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機関庫の片隅に置かれていた中国製のDL、スンボロでは最新型のはずなのに使われていない? 感じから鉱山用機関車のキャブ(運転室)の嵩上げタイプのようで、30年前の沖縄 南大東島のさとうきび鉄道にも同じような鉱山用DLのキャブ嵩上げタイプ(確か日本車輌製)があったので、それを思い出してましたほっとした顔

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SLは機関庫の片隅に集められてました。ボイラーの無いのも含めて何十両もあります。何故か機関庫のこの辺りは地下水?水道?が湧き出てて水浸しです。写真のSLは2両とも、ほぼ90年前のドイツ コッペル社製。

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そして機関庫前ではチャーターをかけた15号機が給水中。1926年ドイツ コッペル社製。

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もう1台の可動機、29号機も圧力を上げて待機してました。古くて人気のある15号機は故障が多いので、その対策と思われますが、本日は15号の調子は良いとの事わーい(嬉しい顔)
29号は1961年ドイツ ユンク社製とSLにしては随分新しい車両です。

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機関庫の横を抜けた場所に止まっていたナベトロ。さとうきびの灰を運ぶようで、ナベトロにしては大きい車両です。

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スンボロ工場には世界的に珍しい機関車が2両実働しており、それがこのファイアレス機関車。字の通りで無火機関車です。蒸気機関車に類しますが高圧蒸気をタンクに溜め、それでボイラー内のお湯から更に蒸気を発生させて走る構造の機関車で、ここでは積車ローリーの工場押し込みに使われています。

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しかし少し走りが見れたところで燃料補給の為、蒸気パイプが繋がれてしまいました。

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2両とも補給中。いったん蒸気注入が始まると2時間ほどはかかると言う事だそうなので、ファイアレスの午前中の走りはオシマイ・・・

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俯瞰も撮ってみたり。帰国後、キャブ内の写真を撮り忘れてることに気付き・・・残念無念ふらふら

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とかまあ、出発前の道草?をしている間にチャーター列車は出発ヤード付近に移動しているとの事なので、そこまで歩いて移動。途中で小さなDLが溝の泥をナベトロに積んでいる作業を見ながら・・・

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その線路を挟んだ反対側にはヤード横屋台のオバチャンほっとした顔 しかし凄いところで料理を作ってるなぁ・・・我々ならイッパツで当たってしまいそうウッシッシ

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これが我々が乗る列車。機関車の向きが逆ですが、本線を少し行った場所にあるデルタ線(三角線)を使って向きを変えると言う事です。機関車の後のタンク車と有蓋貨車は機関車用の水タンク車と燃料車です。スンボロ工場は走る距離も長いので普通のテンダー(炭水車)では足らないので、このように貨車連結で運転しています。

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SLの向きが逆だと客車側がボイラーになるので、これはこれで面白い写真が撮れます。チャーターですが工場関係者の家族がちゃっかり乗ってるのは毎度の事わーい(嬉しい顔) 関係者の乗車は撮影中の荷物番にもなるのでOKです。

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散々道草?してからようやく出発。日本の真夏並みに暑いですが走り出すと風か入ってくるのでホッとします。

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工場を出発して複線区間を20分ほど走ると支線分岐があり、そこのデルタ線を使って機関車の向き変えをします。その途中で走ってきた脱穀車。こちらはオレアンで見たのより大きく4輪車でスペアタイヤまでありますウッシッシ

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そしてやって来た空車列車を眺める女の子。このような日陰小屋?は道路横や集落のあっちこっちにあります。

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そしてSLの向きを変えたチャーター列車の出発。この15号機は動力装置が2台分あるマレー式機関車で、今では軽便鉄道での稼動マレー機は世界的にも珍しいものになってしまいました。

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正方向で走り出すと、さてどこで撮影するか?と言う事になりますが機関士も慣れているのか有名撮影ポイントに差し掛かると停車して聞いてきます。そんな撮影準備中のヒトコマ。

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長めの鉄橋での撮影。

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上の写真のすぐ先の用水路鉄橋でも撮影。インドネシアは日本等のODAで灌漑設備が良く整備されており、このような大きな用水路もあちこちで見られます。

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こちらも別の場所での撮影準備中のヒトコマ。集落が近いので子供がワラワラとやってきて・・・暑いので小さなバナナの木の葉の下に何人もほっとした顔 撮影の為に列車はバックの途中。

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そしてフォトラン。カントがかかってるので物凄く速そうに見えますが、実はゆっくりした走りですウッシッシ

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ここには本線同士のクロッシングもあるので、渡り線で向きを変えた列車が平面交差を通過中・・・の図。

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列車の後には空ローリーを何台か連結しているので、走行中に後を見るとこんな感じです。バイクは機関士に何か伝令する為に追っかけてきたものです。

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用水路鉄橋でフォトラン。

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線路上で積み込み作業をしている現場に出くわしたので、一段落するまで少し戻って田圃の中で撮影。お米バイクが追い越して行きました。

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そして先ほどとは別の長い鉄橋にて。

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その先で深いさとうきびの間を走る区間があったので、さとうきび鉄道らしい写真?も撮ってみました。ヤギは偶然通りかかったもので、影にヤギ追いの爺さんが隠れてます。

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古い工場跡らしい場所を過ぎた先の支線では積み込み作業をしている現場が乗っている列車内から見えました。

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カーブで順光になったので、そこでフォトラン。

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農作業の横で。

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道路横を走行中、後の空ローリーが脱線。復旧停車をしたので、そこでも列車写真をば。

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道路横を走る区間の集落内では民家の軒先のすぐ横を走り抜けます。

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工場付近の複線区間で最後のフォトラン。多数ある線をぐるっと周ってくるルートを走ってきたので折り返す事無く戻ってきました。走行距離も30km以上と長く途中何度もフォトランをしてるので、既に夕方です。

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工場に戻ってくると大小のDLの並びが。左はドイツ シコマ製、DL右は日本の北陸重機製。

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工場内の空ローリー輸送は小型のDLの仕事。

そして列車は機関庫前へ・・・チャーター運転は終了です。最後に15号を運転させて・・・と言ってみたけど、終了作業をしてしまった後なので無理との事(全てゼスチャー)・・・もうちょっと早く言えばよかったナあせあせ

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再びファイアレスを観に行ってみましたが、少し走りを観たところで、またまた蒸気補給に・・・

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機関庫付近で見かけたトロッコクレーン。他の工場では見たことが無い車両です。

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こんなナローゲージのPC枕木も。

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最後に期間庫近くに放置されている国鉄軌間(日本と同じ1067mm)にSLを見に。国鉄へ連絡する線路は随分前から使われていないようで、ほとんど雑草に埋まって見えません。さとうきび軌道との交差部に辛うじて見えてますが、さとうきび軌道のレールにはフランジ通過の切込みが無いので、既にクロスポイントでは無くなっているようです。

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約90年前のドイツ コッペル社製ですが屋外放置の為にお化けのようです。

この後、事務所で機関車の組み立て図面を見せてもらったりしてから日没頃に工場を出発。ラマダン明けの混んだレストランで食事の後、翌日の訪問工場位置の関係で何時間も移動、マランのホテルに到着したのは深夜も近い時間でした。


続く


南方軽便鉄道攻略作戦2010 3
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