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2010年11月29日23:18

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知られざる放置機関車 河内川林鉄跡

11月21日の廃線跡探索記

河内川(かわうちがわ)森林鉄道、福島県猪苗代湖の少し南の羽鳥湖近くの天栄村にあった軌道です。河内川森林鉄道跡レポートは随分昔にトワイライトゾ〜ンMANUALで少し書いた事がありましたが調べてみるとMANUAL6で1997年刊、私が河内川を訪れたのは1993年8月とあるので実に17年ぶりの訪問!となります。この時は真夏だった事もあり夏草が茂っていた為か見つけたのは林道橋横に見えた木橋ピアだけでレポート自体も短いものでした。また国土地理院発行5万地形図には掲載された事が無く、20万地図にしか載った事がありません。


きっかけは地域の行事で林鉄跡を歩いて馬尾滝を見に行こうというのに知人がネット上で見つけて参加した事。(よく見つけたものですほっとした顔)
途中に放置されてたエンジンが索道ウインチか何かのもの・・・と紹介されていたものが、どうやら横倒しの機関車らしい・・・と鉄系HP BBSに載せて、それに気付いた別の知人が連絡してきた事に始まります。ならば行って調査せねば、となりましたが、この時点で6月中旬で既に下草が芽生え伸びて来ている時期だったので、雑草類が消える秋に行こうという事で半年弱待つことにしていたものです。
久しぶりの本格的?林鉄跡調査という事で集まったのはBBSの投稿していた知人MZ氏、木曽林鉄跡HPを持つMS氏、木曽林鉄はじめ国内の林鉄や小型内燃機関車に詳しいNさんと鉄雑誌レイアウターのSさんとそうそうたる?メンバーでの訪問となりました。6月の村の見学会に参加しているMS、MZの両氏が案内役をしてくれるので、安心して?の作戦実行です。

訪問当日Nさんから聞いたところでは1965年頃までの営林署運営時代の動力は馬力のみで、馬力林用軌道の運用としては山梨 西沢林用軌道と並ぶ最後まで残った軌道の一つでした。伐採運材を民営に委託されてから初めて機関車が導入され軌道の廃止は1969〜1970年頃で、最後が民間だった為に機関車が放置された可能性があります。

場所が遠いのに日帰り強行軍なので土曜深夜からの作戦開始。メールで送られてきた添付地図のマーキングが合流場所と違う・・・という初動トラブルがあったものの明け方には高速白河SAに無事集合、まずは軌道跡歩きの入口にあたる林道橋横に木橋ピアの残る現場へ。途中までは紅葉の綺麗な所もありますが山中の現場は既に紅葉も終り霜で白くなってます。

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まずは林道橋横に残る木橋ピアから。実に17年ぶりですが少し崩れている以外はよく原形を留めていました。馬力から機関車導入のさいは軌道改良が行われる事が多いですが、機関車導入が民間だった事から大きな改良は行われなかったようで木橋も鉄板による補強で済ましていたようです。

さて、その先の林道横から軌道跡に入ります。17年前には下草が深くてサッパリ判りませんでしたが、この時期でははっきり道床が見え私メにとっての未知の領域に入って行きます。

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軌道跡は枕木の残っている場所も多く、これは短い桟橋。

その先は軌道跡が大きく崩れているので河原に下り流れを2回渡ります。そのために本日の足元はトレッキングシューズではなく長靴です。

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河原から軌道跡に戻る沢に残る半壊の木橋。

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道床がはっきり残る区間。村の滝見学のルートなので少し整備されている為か歩き易い状態です。少々の崩壊区間ならトラロープも張られたままでした。

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時々残されたレールも見る事ができます。他で見られたレールは何れも6kg/mなので馬力から機関車導入の時はレールはそのままの使用だったようです。6kg/mレールの機関車通過はかなり無理があるので脱線も多かったのでは?たらーっ(汗)

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機関車放置場所の直前で足元に鉄板の一部が出ているのを発見。掘り出すと何と機関車のボンネットサイドカバー。カラーからたぶん協三製。

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そして機関車が放置されている事業所跡に到着。こうして見ると鉄の箱が4ツほど転がっているだけに見えますが一つを除いて、皆機関車の部品です。

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今作戦のきっかけとなった横倒しの半分解機関車、エンジンはディーゼルなのでDLです。鋳物のサイドフレームやキアボックスには加藤製の表示があります。連結側の梁は軽量化の為か610mm軌間などからの改軌の為なのか、鉄板を張り合わせたものに。その為かバッタ機関車に見えます。ラジエーターは見あたりません。

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横倒しの上側の鋳物サイドフレームは外されて裏返ってしまっているので「KATO〜」の陽刻が残念ながら見えません。ボンネットカバーはエンジンの下敷き状態、キャブもバラバラなのか、横に屋根らしい鉄板が転がってました。

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運転室側。ギアボックスにKSTの陽刻、他にレバーやメーター類が見えます。

残された状態から車輪と軸箱を取る為に横倒しにして外したようです。ジャッキやチェーンブロックが無かったのかな? それよりこの場所は現役当時は修理庫だったのでしょうか??

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裏返っているサイドフレームの陽刻を何とか撮影。ギアボックスが接近していて、なかなかうまく写せませんあせあせ(飛び散る汗)

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もう一つの機関車、協三製3t DLのキャブ。動力チェーンが巻きつけられた緊縛状態ウッシッシ。ベコベコに凹んでますが室内計器は残されています。最初は横倒しDLに取り付けられていたバッタ機関車?パーツかと思ってましたが計器の状態などから、どうやら
別物らしいという結論に。となるとこのキャブの本体は何処へ?考えてる顔

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先ほどのボンネットサイドカバーを持ってきて並べると少しは機関車らしく?? ・・・ますます怪しい状態にあせあせ

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事業所跡のすぐ先が馬尾滝。馬の尻尾のように見えるからだそうです。

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滝の横には水力発電用鉄管が残されていました。事業所の小規模なものなので大きくはありません。下には水車も残されてました。

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事業所先で軌道は滝を避けるように河内川を渡ります。ピアのみ残ってました。

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渡った左岸側が最後まで集材を行っていた土場跡で、写真中央に積込みプラットホームらしいモノが残っていました。現役時はこのような木々は無かったと思われます。

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その先で再び河内川を渡っていましたが、その先の築堤が半分流された状態で残っていました。意外と大きな岩が築堤内に使われていた事が解ります。

この先は藪が酷く、更に河内川を渡っている先は攻略困難なのと時間的都合でここで引き返し、築堤の横で遅い昼食を摂ります。
さて林道まで戻って半端に時間が残ったので、下流方向の軌道跡を少し見ようかと相談中に本日最大のトラブルが発覚、車のキーが無いと言うのですげっそり 林道から1.5〜2km程しか歩いていませんが落ち葉もあるので見つかるかどうか・・・たらーっ(汗) とにかく全員で探しに行く事に。結局機関車の場所まで戻り、一部メンバーは滝の先の昼食現場まで行きましたが発見できません。諦めかけた時に・・・無事発見!

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バンザイするメンバーと感動に泣く車のオーナー氏ウッシッシ(プライバシーの為、小写真のみウッシッシ)

いやはや何ともドキドキものでしたわーい(嬉しい顔) 軌道跡は途中崩れて危なっかしい場所がありましたが、2往復した為か最後の帰りの通りかかった時は現場に慣れてしまって平気に?ウッシッシ
帰りは温泉に立ち寄って深夜には無事帰還、ミッション終了。


2011年に再訪
「河内川森林鉄道跡に放置の謎のDL」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1795949819&owner_id=1335677

2010年リスト
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1940546569&owner_id=1335677

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