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2010年05月22日23:56

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屋久島 最後の運材 2009年 3 

2009年末の冬、今シーズンの運材は切り出した土埋木の量が少なく、もしかしたら我々の滞在中に運び切ってしまうかも・・・という状況でしたが、屋久島滞在最終日の16日が残量的に最後だろうと言う事が解りました。
次シーズンより土埋木出しの事業が軌道を使わ無い場所へ移動してしまう予定なので、その計画通りなら本日の運材を最後に日本から現役の森林鉄道による運材事業が完全に終了する事を意味します。
意図して最終運材日を合わした訳では無かったのですが、偶然にも最後を見届ける光栄を授かりました。例え運材が早く終っても飛行機の予約変更で早く帰る事が出来ないので、もしかしたら現場の方が16日まで運材を引っ張ってくれた感もなきしもあらず?なんですがあせあせ

12月16日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

この日は運材2往復の予定。いつものように早朝に荒川到着、朝弁のあと撮影地を目指して軌道上を歩いて行きますが、夜が空けてくると生憎のドン曇り。時々霧雨も降る、ある意味屋久島らしい天気です。1番引上げ列車が来る時間でもかなり暗く、スチール写真は諦めビデオのみで小杉谷集落跡で撮影。雨が降っていないと給水の為小杉谷で2〜3分停車するので、その時をスチールで撮る事も可能ですが小雨の今日はやはり列車は通過して行きました。
小杉谷から歩いて30分弱で境谷の積み込み土場へ到着。次々に土埋木が運材車に載せられていきます。本日でほぼ終了と聞いているだけあって、土場に残る材はそんなに多くありません。

フォト

写真は土場から本線の待機所へ移動中の運材車。この側線は殆ど木製桟橋状ですが、これが2年程前、21世紀になって造られた作業線とは・・・知っていても凄いと毎度思います。

1便目の乗り下げ運材撮影も、沿線が暗いため撮影地を探すのに苦労します。

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今までに撮影した事の無い場所で何とか明るい場所を見つけての撮影です。

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振り返った追い撮りは暗い森の中、スローシャッターですが偶然物凄い勢いで走っているような流し撮り?が撮れましたウッシッシ 実際には小走り程度の速さです。

列車が走り去ると土場より上流側にある三代杉を観に行きました

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三代杉は土場から歩いて5分程の軌道横にあります。お昼の時間は縄文杉登山グループも全員登り切っているので静かです。

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その先は木のトンネル状態。土場より上流にあたるこの区域の軌道は月に数回の便所汲み取り列車(通称 う●こ列車わーい(嬉しい顔))や巡視のモーターカーくらいしか走りません。

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三代杉から数分歩いたこの地点で引き返しました。この先も何度も行った事ありますが、運材が終了してしまったら、この次はいつ来る事やら・・・来る事も無いかも・・・と思うとちょっと感傷的な気分に。
なんでかこーゆー時ってアニメ、『海のトリトン』でのセリフ (ルカー・・イルカです)「この次に来る時の為に、しっか観ておくんですよ」(4話ラストシーン)・・・なんてのを思い出してしまうんですね〜〜あせあせ(飛び散る汗) アニメーターだから良いんだっ指でOKわーい(嬉しい顔)

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引き返し地点から3km弱を歩いて第2便目、本日最後の引上げ列車は小杉谷付近で俯瞰で押え。この便で運材終了ということは、運材車を3両牽引した列車を観れるのもこれが最後?

再び土場に戻って最後の積み込みを見ますが、今日の乗り下げ出発は積み込み終了後、あまり間を置かずに出発するでしょうから(普段は次の積み込みの為に土場内の材を移動など整理を数十分行う)、早めに土場を後にします。撮影予定地は、だいぶ荒川に近い場所なので先を急ぎますが、体力無いのでたらーっ(汗)普通に速歩ウッシッシ

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最後の乗り下げ運材の撮影は荒川から約1kmの通称1枚岩で押えました。

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そして最後の運材車が1枚岩の崖ップチを通過していきます。もしかしたら、もう二度とこの風景を見れなくなるのか・・・と思うとちょっと感傷的になりますが、荒川での積替え作業があるので、見送ったらすぐ出発。

荒川直前で、おや?珍しく登山者じゃないギャラリーが。TV局と新聞社の取材です。最終運材なので森林管理所(元営林署)が呼んだようです。

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そして最後の逆勾配区間の引上げ。エンジンが唸りをあげて急勾配を登って行くので迫力があります。

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そして最後に列車を片付ける直前、現場の方に無理を言って記念撮影。勿論こんなの初めてです。でも社長が恥ずかしがって奥に引っ込んでしまったのが残念無念あせあせ

聞いた話では、まだ若干の土埋木が積み込み土場の残っているそうです。残りは現場の後片付けついでに少しずつ運ぶという事で、そーゆー意味ではこの日の作業は本当の最終運材と言えませんが、1便3車連続の運材のみの作業というのは、文字通り今日が最後という事でした。


16日の最終便の飛行機で屋久島を離れる予定ですが、まだ時間があるので屋久電、苗畑へ行くと、モーターカーがいません。今日は走ってるんだ! と、数少ない撮影ポイントへ向うと、昨日の運転手が保線作業をしています。

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断わってから作業風景を撮影させてもらいます。聞けばモーターカーは少し後に下ってくるという事です。

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作業が終るとトロッコを勢いよく押して無動力状態で下って行きました。

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暫く待ってるとモーターカーも下ってきました。写真は後ろ側の後追い撮影。

屋久電軌道の走行写真は全くの予定外だったので、これは嬉しいオマケです。
その後は毎度の通り空港でレンタカーを返し最終便で離島、鹿児島で乗り継いで日付が変る頃に無事帰還しました。


森林鉄道が好きになって、有名な木曽森林鉄道はカスル程度しか現役を観る事が出来ませんでしたが、ここ屋久島は現場での居心地の良さもあってか、気付くと何度も通い、現場の方々とも顔見知りになりました。運材が終了とはいえ軌道が廃止される訳ではなく、登山道のメンテナンス等で軌道は使われ続けられるはずです。しかし運材ほどの迫力には欠けるので、次に私が屋久島を訪れる気になるのはいつの事か・・・
でも最後の運材に立ち会えたというのは、たいへんな幸運と思ってます。

そして次の冬も近付く頃、屋久島に電話すると「今、ヘリで運んでいるとです。2週間後くらいからトロッコで運び出します」なんていう返事が返ってくるような気がしてなりません。

ありがとう 素晴らしい世界を見せてくれた屋久島exclamation ×2

終り


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