九十九里の海岸近くに干物場トロッコがいっぱいあるよ、と以前知人から聞いていて気になってたので1月24日に行ってみました。トロッコといってもレールは鉄パイプとも聞いていたので、よっぽどモノズキでないと興味の対象にならないのかも知れませんが、そこはやっぱり現物を見てみないと
実は去年夏に一度探索に行ったのですが、この時はついで・・・程度の気持ちもあり場所も曖昧な記憶だけで出向いたので、結果空振りに終わりました。今回はもう少し詳しく聞いて情報のお浚いもして行ったので大丈夫そうなのですが、何せどんな状態で敷かれてあるのかよく解りません。何となく漠然としたイメージで現場に到着、探索を始めました。
最初に見つけたのが1m程に切られたレールの山。どうやらこれはJR等の普通の鉄道?の古レール切断の山のようで、道を挟んだ反対側は屑鉄ヤードでした。
そして聞いていた道路沿いを暫く進むと魚の日干し場は現れますが軌道らしきものは見当たりません。しかし隣り町くらいまで進むと・・・
現れました・・・鉄パイプトロッコ軌道。なかなか雰囲気もよろしく何故か干し場と道路の間にある小川を渡って? ガードレール下まで軌道が来ています。誰もいないので数枚の写真を撮り、ちょっと先へ行くと・・・
今度は複線
軌道、しかも左下にターンテーブルまで
O水産と言う場所で人がいたので断ってから撮影させてもらいます。
『車両』を載せた状態のターンテーブル。といっても方向転換用で180度の回転は出来ない作りになってました。
干し台棚そのものも「軌道」になっており、台車が走れるようになってます。棚台車
の車輪はベアリングを斜めに付けたのもで、ベアリングのみの車輪ってのもフィリピンの鉄道軌道上の勝手に軌道タクシーの台車
を彷彿させます
そーいえばインドネシア アンバラワでもベアリングオンリー台車・・・見ましたなぁ・・・勿論地元住民のハンドメイド
話を元に戻して・・・
工場の中も見せてもらえました。左は鰯を煮る釜です。横には鰯の大きさ自動選別機もあります。
ターンテーブルより先は草生した軌道が続きます。ちょうど野良猫が歩いてました。
見る位置を変えると、実に良い雰囲気
枕木も鉄板や木といろいろ。
その先にも別のパイプ軌道がある・・・と思ったら、こちらは別のK水産でした。こちらも作業をしていたので、断って撮影を続けます。
一通り撮影したので、また先に進みます。干し棚が見えたので近付くと・・・
地上軌道はありませんでしたが、干し棚軌道
はありました。しかしこの干し棚軌道は沢山あってもあんまりトロッコ軌道らしくないので、これだけではイマイチ写欲が湧きません。
しかし隣り?の敷地(境界がよく解らない
)にはパイプトロ軌道がありました。
休みなのか誰もいません。工場名も書いてないので名前も謎です・・・しかし良い雰囲気です。
そしてすぐ隣りのK物産にもパイプトロ軌道が
こちらの工場も良い雰囲気なのですが、休みのようで誰もいません。
この付近には干し棚軌道のみの加工工場も多く、軌道は無いか?と、覗いて周ります。残念ながら先の2箇所以外は見つかりませんでしたが、表から見ただけなので敷地の奥の方などで見落としがあるかもしれません。しかしそこからちょっと外れに行くと・・・
またパイプトロ軌道がありました。が、残念ながら草生しており廃線?のようです。ここの少し変ったところは干し棚が殆ど丸パイプなのに2箇所だけチャンネル材で出来てました。しかも上面が平面と角面と取り付け方も違います。これも干し棚軌道なのかは使われていないので不明のままです。
暫く街道沿いにジープを進めると、K商店という所で・・・
パイプトロ軌道があり、作業もしています。撮影許可を伺うと快諾。食品を扱う場所なので何か言われるかとも思ったのですが、ここもも含めて他の場所でも自由に撮らせてもらえました。
開いた鰯が入ったパレットごと塩茹でして台車に載せ・・・
勢い良く通過!
干し棚軌道上の台車に載せ変えられて
奥のほうで降ろされてます。右は干してある状態ですが、何重にも重ねられてあるのが殆どです。しかしこんな作業が見れるなんて・・・ビデオ持ってくればよかった
隣りの工場でも作業をしていましたが、こちらは干し棚軌道のみで地面パイプトロ軌道は無かったこともあり、軽く撮影のみ
ところで他の場所も含めてパイプレールの軌間は520〜580mmと結構バラバラで、地面軌道と干し棚軌道も同じ軌間かと思いましたがそうとも限らずでした。同じ軌間の所は台車が共用されているのかもしれません。
夕方前になったので見落としが無いか・・・と思いもと来た方向へ戻っていきます。ちょっと気になった場所があったのでよく見ると、建物の裏に干し棚がチラリと見えてます。そして裏に周り込んで見えたものは・・・
間違いなくトロッコです。理想断面レールのトロッコ軌道
建物から遠ざかった干し場は使われていないようで軌道は完全に草に埋ってしまってますが、レールはちゃんと続いているようです。
台車は工場内のも含めて合計3台、軌間は600mm。軌道がへろへろなので規格の610mmが狂ったのかと思いトロッコの車輪でも計測しましたが、やはり600mm。千葉には鉄道連隊や千葉県営鉄道(いずれも軌間600mm)があった関係でしょうか? 敷設は戦後すぐだそうです。
工場内の軌道
工場を通り抜けると軌道が撤去された跡がありました。この先が街道なので、かっては積替え施設まで軌道があったと想像できます。
ここは一人だけで作業しており撮影許可をもらって撮っていたのですが、お金が無いので未だにトロッコを使ってます・・・あまり撮らないで場所も公開しないでください・・・との事。どうもトロッコを使い続けているのが恥ずかしいと思っているようで、今では大変珍しいものですと言っておいたんですが・・・
工場名も教えて貰えなかったのですが、地図にはちゃんと載ってました・・・ありゃりゃ
確かにこの付近の似たような加工工場にはトロッコ軌道があったと思われる位置にはコンクリート舗装化され、工場内からは普通の台車で運ばれているようです。たぶん先の人はこの事を言ってたんだと思いますが、トロッコだから恥ずかしいとは思わないのですがねぇ・・・この辺りは余所者の私メには理解できないところでもあります。
トロッコ軌道工場の道を挟んだ反対側にもパイプ軌道の軌匡が転がってました。他の工場でも同じような物を見かけたので、必要に応じて軌道を敷いたりする所もあるようです。この写真の場所は廃品のようでしたが
日没になったので探索終了、パイプ軌道7箇所、トロッコ軌道1箇所と計8箇所の戦果でした。どのような状態で軌道があるのか判明したので、帰ってからネットの航空写真を見ると、裏通りでまだ数箇所訪れていない干し棚が写っているのが見えます。そこももしかしたらそこにもパイプトロ軌道があるのかもしれません。
前日土曜の御殿場講演には仕事の都合で行けませんでしたが、日曜のハライセ?出撃は戦果絶大(私メ個人的見解)でありました
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