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2015年03月05日23:40

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労働組合の常識

 2、「動員旅費」について

 翌日のことです。職場長のT先生が朝会のあと、「昨日は動員ご苦労様でした」と集会の報告をした後で、「動員の順番ではありませんでしたが昨夜の集会に田島先生が参加し、デモまで参加してくれたので動員旅費をお払いしなければいけないと思います。評議員にお願いですが田島先生に動員票を書いてもらい支部に提出してください」と発表しました。私はそのことの意味がわかりませんでしたが、集会に参加するとお旅費をくれるらしいことはわかりました。
 私が上田の集会に参加したのは集会の主旨に賛同できたのと、同僚と話したかったのですから、旅費をもらう気など全くありませんでした。そこで、そのことを職場長のT先生に話したところ「組合主催の集会やデモに参加するときは旅費と日当が出ることになっている。他の人も旅費をもらっているのでそうしてくれ」と言われ、結局、後日その日の動員旅費と日当をもらいました。お金をもらったのはありがたかったのですが、そのことを素直には喜べませんでした。どこか胡散臭い思いをしながら旅費を受け取ったことを覚えています。

 それまで学生だった私は、安保条約改正反対などたくさんの集会・デモに参加してきましたが、参加して金をもらうなどということは一回もありませんでしたし、予想したこともありませんでした。ところが、学生時代と同じ主旨の集会でも就職して組合に入れば参加者は順番に出席し旅費と日当をもらうということを知りました。
 いま、ふり返って見ますと「職場から集会への参加が順番で割り当てられていたことや、参加者に動員旅費と日当が支払われていたこと」に疑問を持ったことは一般市民としては当たり前のことだったと思います。

 新任教師だった私は組合主催の集会に出席すると旅費・日当がもらえることを知らず、そのことを奇異に思っていたのですが、しばらくすると、それが当たり前に思うようになりました。たしかに、わざわざ遠いところから長野や松本の集会にバスに乗ったり自家用車で駆けつけてくるのですから、そのための実費を支払われるのは当然かもしれません。そうでなかったら、集会場から遠い職場の組合員は集会に出席するのが困難になります。

 そのことはわかるのですが、学生や一般の人は集会に出ても動員旅費はもらっていません。しかし彼等は集会に参加しデモ行進をしています。
 労働組合に入らなかったときは当たり前だった自腹を切っての集会参加やデモ行進参加が、組合に加入してからは動員旅費をもらうのが当たり前になっていました。これも、感覚の劣化、あるいは堕落のように思うこのごろです。

 組合主催の催しであってもそこへの参加はできるだけ動員という形でなく、自主参加と言う形に変えていくことが望ましいと思いますが、それでは参加する組合員がいなくなってしまうでしょうね。

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