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2017年07月23日08:08

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北原白秋

今年の秋、11/4(土)に、大阪コレギウム・ムジクムの東京公演が第一生命ホールで行われる。当間先生が率いる大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団のハイレベルな演奏が東京で生で聴ける数少ない機会であるので、お時間のある方はぜひ・・・

さて、ここで演奏される千原先生の作品「白秋・東京雪物語」は、私まだ聴いたことはないのだが、このテキストで使われている東京景物詩及其他(第3版の刊行の際に新たに詩1章12篇を加え『雪と花火』と改題する)、この詩人、北原白秋には私自身けっこう関わりがある。

小学校高学年から高校まで、私はかなり読書が好きで、多い時だと年間100冊以上は読破していた。好みは年齢により異なるのだが、推理小説(コナン・ドイル、江戸川乱歩、横溝正史等)、SF小説(小松左京、星新一、筒井康隆等)を主体にしていた。当時は子供なのでお金は持っていなかったが「本を買う」というと母はすぐOKしてくれたような気がする。で、はっきりした記憶はないのだが、たしか小6くらいで初めて買った詩集が「北原白秋」しかし、その年齢で詩の意味など分かるはずもなかったが、白秋の名前だけは記憶に残っていた。

次に白秋に出会うのは、大学入学し男声合唱を始めた時、初めて歌った組曲が多田作品「柳河風俗詩」これは、多田先生の処女作でもありテキストは白秋詩集「思ひ出」、次が3年のとき「雪と花火」これは、今回千原作品と同じ詩集から・・・あと、一般男声合唱団のアンコールで「東京景物詩より夜ふる雪」このように多田作品ではテキストで白秋は最も多く取り上げられている。この「夜ふる雪」は、千原作品のテキストで使われている。

この「東京景物詩」時代の白秋作品は、基本的にエロい・・・白秋自身、人妻との不倫(当時は刑事罰がある姦通罪)、と東京大正ロマンという時代が相まっているという感じがする。その中でも特に歌っていて強烈に印象に残っているのが「花火」より以下のフレーズ・・・

花火があがる。
薄い光と汐風に、
義理と情の孔雀玉……涙しとしとちりかかる。
涙しとしと爪弾の歌のこころにちりかかる。
団扇片手のうしろつきつんと澄ませど、あのやうに
舟のへさきにちりかかる。

特に最後の「団扇・・・」から、弱音ハイトーンでのトップテナーメロディは、たまらない・・・

さて、このような色や風情を、大阪の団体であるシュッツがどのように表現してくれるのかは、とても楽しみにしている

http://www.collegium.or.jp/html/tokyo20.html
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