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2017年11月17日13:34

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医学の進歩にくじけちゃうとき

ワシが医学部に入学したとき、売店で精神科の教科書を立ち読みして

驚いた。

そこには、「同性愛は精神病」とか書いてあって、
どんな精神病にも治療はなく最終的には閉じ込めて、
強い安定剤でどろーんとさせてただ生きているだけになってもらうしかない、と
それが「治療」なんだと書いてあった。

当時はそうだったのよ。
今みたいに脳の働きだの神経伝達物質だのがわかってなくて、
おかしい、と思われたらもう終わりみたいな、
そういう時代よ。

精神科の最新の教科書を読むと目がくらむよう。
ワシではとても理解できない脳神経の話も書いてあるし、
薬も「安定剤」以外にいったいどれだけあることか、
しかも毎年のように新薬が出る。

医学とはそういうもの。

だからこの記事にある法律ができた時代には、
「精神病やらい病は遺伝する」というのが真実と思われていたんだから、
仕方ないと思う。
もちろん法律はあってもどう運用するかは人間の問題なので、
「精神病」と決めつけてしなくてもいい手術をする、みたいなこともあったかもしれない。
だって何が精神病かなんて診断基準もあいまいだった、
はっきりこの検査でこうなら診断、みたいな基準がなかったからね。

だから、当時の基準で手術された人たちは
一種の時代の被害者だけど、そういう時代だったとしか言いようがない。
それを言うなら医学のどの分野も、以前の考え方での治療が今は非常識、なことがある。

たとえば今、こどもの血液疾患は治療前に必ず
「生殖細胞の保存」について主治医から説明がある。
希望すれば保存ができる。
ほんの10年前は、これを言わない医者もいたと思う。
「命が危ない病気、もし助かれば生殖なんかどうでもいいじゃん」とか。

今そんなこと言ったらそれこそ人権侵害で裁判ものだ。

だからね。
いい悪いじゃなく、そういうことは今もあるし今後もあると思う。
それは「医学が進歩する」ものだから、なんだよね。
進歩がないなら、この法律は今も正しく生きていたはず。

手術された人たちに政府が補償するかどうかはまた別問題。

強制不妊手術 検診録など発見
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4862774
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