臍帯血は白血病など血液疾患の治療に使われます。
大人の骨髄をとって移植する「骨髄移植」と同じ意味で臍帯血移植が行われます。
臍帯血は骨髄を採取するより明らかに楽に取れますし、
移植後の生着率もどちらかと言えば高いのですが、あまりたくさんの量がとれません。
ですからカラダの小さい人、はっきり言えば子供の血液疾患治療に使われることが多いです。
献血のように「匿名の個人の善意」で見知らぬ他人に臍帯血を提供する場合もありますが、
このニュースになっているのはそれとは違います。
「個人(母親)が万が一のわが子の将来の白血病治療のため」に
「保管料を払って民間のバンクに臍帯血を預ける」のです。
だからわが子が大きくなっても白血病にかかっていないなら、必要がなくなる。
つまり破棄されます。
保管料を払わないでいれば自動的に廃棄される仕組みになっている場合が多いようですが、
実際に廃棄されたかどうか「臍帯血を預けた人間が確認する」のはしていないのでは?
昔、捨てた携帯電話やパソコンから住所録などのデータを抜き取って売る、という犯罪がありました。
これは今では行うことができません。
そういうものを捨てるときは「絶対にデータを消します」という契約書を交わすルールができ、
ルール違反を行えば実際にデータ売買せず消去しなかっただけでも犯罪になるからです。
臍帯血バンクにはまだ、そういうルールがありません。
保管されている臍帯血の保管料が支払われない、もしくは「廃棄希望」が出されたとき、
今ここにある臍帯血はじゃあ自分が自由に使っても誰もわからないのね、となってしまうのです。
個人の良心の問題になりますが、良心は誰もが同じ程度持っているわけではありません。
医師免許があるから良心がある、義務を必ず遂行する、とは言えないですよ。
ロリコンが小学校教諭になって生徒にいたずらする話もありますしね。
教師だって「聖職」と昔は言われたじゃないですか。
そうじゃないです。人間は人間です。
ただ職業上の倫理があってちゃんと守っているかどうかで、
一般人が店で誰も見てないときに万引きするかどうかくらいの違いしかありません。
普通はしない、でもする人もいる。
ちゃんとした良心を持たない、職業上の倫理観念がない人間でも
試験を受けて合格すれば医師免許は入手できますので。
それよりも、目的なく臍帯血を保存するという行為そのものに問題があるのではないでしょうか。
よほど「一族で何人もこどものとき血液疾患を起こしている」とかいう、
昔のハプスブルグ家(血友病因子があった)みたいなのでない限り、
小児白血病はめったに起きる疾患ではありません。
たぶん「臍帯血保存」について「万が一のため保存しませんか?」と言うお誘いがあるんでしょうが、
そのお誘いにほいほい乗って目的なく臍帯血保存をする人間がいるから
こういう犯罪が起きてしまうのではないかと考えます。
さい帯血、2100人分廃棄せず
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4761624
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