ワシが車いすの弟を連れて旅行したとき

悪性脳腫瘍の術後でいつ死ぬかわからん。
弟の嫁さんとめいっこのために、行ける限りの場所に旅行した。
当然飛行機もずいぶん乗りました。
新幹線より飛行機のほうが多かった。
乗り物に乗っている時間が短いし、待ち時間が長いのは病人の休憩にちょうどいい。
飛行機にもホテルにも必ず「車いす」と伝えた。
それでも空港内や駅内でエレベーターの場所がわからず迷ったりしたけど、
聞けばちゃんとおしえてくれたし、職員が付き添うこともあった。
（職員用しかエレベーターがないような場合もあった）
搭乗案内も一番先に乗せてくれた。降りるのはいちばん最後。

このニュースに出てくる人はある意味「車いすの人間の権利拡大」のためにやっていると思う。
予告しておいたら向こうもそれなりに対応するだろうに、
わざと「車いす」のことを予告せず、その場での対応を問う。
できないと「当然の権利」と要求する。
それは、もしかしたら世の中をよくするために必要かもしれないね。
アメリカとかヨーロッパみたいに、車いすの人間がひとりで移動できる仕組みは
日本では「当然ある」ではないし、周囲の人間の協力も得られない。
本当は、何も言わなくても車いすの対応は手順が決まってて、
それよりなによりひとりで旅行しても周囲の一般人が頼まれなくても
「手を貸そうか」と声をかけるのが理想。
今は理想の社会ではないが、誰かがそういわないとダメだとは思う。

でもね、一般人はこのまねをしちゃいけないよ。
車いすで旅行して対応が不適切で、いやな思いをするのは本人なのだから
できる限りの準備と手回しをして気持ちよく旅行したほうがずっといい。

■車いす客に自力でタラップ上がらせる　バニラ・エア謝罪
(朝日新聞デジタル - 06月28日 05:17)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4641469