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2017年03月22日16:34

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卵子がなく子宮がある場合の治療法

たとえば何かの病気で両側の卵巣を切除したとか、
早発閉経のように異常に早く卵子死滅してしまった場合。
自分の卵子で妊娠するのが不可能なので他の女性から卵子をもらう。
問題がいくつかある。

1)他人から卵子をもらうのが簡単でない。
不妊治療に使う卵子は自然排卵を待たず、排卵誘発を行って採取する。
排卵誘発剤を数日間注射して、成長してきた数個の卵子を
超音波で見ながら長い針を刺して卵巣から吸い出す。
この卵子に夫精子で受精させて、妻子宮に戻すのだが、
排卵誘発はとてもカラダに負担がかかる。
誘発剤を打たれて痛くもかゆくもない、という人はたぶんいないと思う。
おなかが痛い、重苦しい、全身がむくんだ感じでだるい、眠い、気持ちが悪い、
排便排尿がスムーズにいかない、微熱が出る、などなど。
さらに「卵巣に針を刺す」のも100%安全ではない。
太い血管は見えるから避けるけど、細い血管でも大出血することがある。
卵巣からの出血はおなかの中にたまると腹痛がひどい。
採卵のあと一晩入院、はけっこう珍しいことではない。
これだけの苦労をするのがわかっていて、
赤の他人に自分の卵子を、無償(料金なし)で提供する人ってどのくらいいるだろう。
この人が入院して採卵受ける費用はだれが払うのか?
さらにもしこの人が卵巣からの出血で手術まで必要になったり、
結果的に長期の入院が必要で後遺症が残ったりしたら、
いったいその医療費はダレが払うのか?
「自分がボランティアでやったのだから自分の責任」と言い切れるか?
もしこの人が亡くなった場合、遺族は訴訟を起こさないのか?

2)他人の遺伝子を排除する仕組みがある
無事に卵子をもらえたとして、うまく受精したとして、
それがうまく子宮に着床したとしよう。
もちろん子宮に戻しても100%着床するわけではないし、
初期流産するかどうかは神様しか知らない。
で、うまく初期流産の時期(安定期、16週まで)を乗り切ったとして、
その後、妊娠女性のカラダは「自分でない遺伝子を持つものの排除」にかかることがある。
夫と自分の子であっても半分他人なので、
たとえば妊娠中毒症や妊娠中の腎機能障害、肝炎、膵炎などは
この「自分以外の遺伝子が体内にある」ことへの過剰反応や排除反応という説がある。
半分自分でもこうなんだから、全くの赤の他人なら排除機構はますます起きやすい。
第三者の受精卵でお産してあげる「借り腹」(サロゲート)というやり方があるけど、
あれだって何事もなくお産まで100%いくわけではない。
妊娠したことで自分のカラダがひどい病気にかかり後遺症まで残ったとして、
生まれた子はだれが育てるのか?

3)こどもが生まれたらそれでいいわけではない
こどもが欲しいとしか思っていない不妊症患者さんたちは、
妊娠さえできたらこどもさえいたら幸せなはず、としか考えられない。
生まれた子に先天性の障碍があったら?
生まれてすぐはわからなかったけど、成長に伴って重度の疾患が判明したら?
病気はなくてもある程度の年齢で家庭内暴力や学校での問題行動があったら?
自分の子なら、自分の子だから最後まで面倒をみるしかない。
でも「この子は本当は自分の子じゃない」と知っているから、
「自分の子ならこうはならなかった」とか言い出さないか?
「自分の子じゃないから卵子をもらった女性に返す」とか言い出さないか?

以上の問題に対処できないと、卵子提供を一般的な不妊治療にはできない。
まず法律の整備が必要。
いったん卵子提供で妊娠したらその子の全責任は妊娠した女性とその配偶者が持つ、とか
きちんと法律で決めないとダメだ。
さらに、採卵時に起こる可能性がある医療事故のために必ず保険をかけて、
何かあっても最低お金だけは払える仕組みが必要だ。


■国内初、匿名第三者の卵子で出産 神戸のNPO法人発表
(産経新聞 - 03月22日 13:28)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=133&from=diary&id=4489443
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