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2018年09月23日19:43

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王国崩壊

 始まりがあれば必ず終わりが来る。あの地獄の様な日々も終焉を迎えようとしていた。
中盤辺りから、元店長は反元店長派の中枢3人を排除しにかかっていた。
元店長派達に3人の悪口を幾度と無く吹き込み、二つの派閥の間には大きな溝が
入っていた。女子高生とフリーター(男)は特に影響を受けて、3人のことを嫌悪、
馬鹿にしていた。フリーター(男)に至っては特に酷かった。

 フリーター(男)は、元店長の事を心酔していると言うに相応しかった。
彼は元々トラブルメーカー的存在で、ミスを連発する様な男だった。
しかし、いつも彼に反省の色はなく、当事者意識が薄かった。
だから当然同じ様なミスを繰り返していた。さらに仕事も大雑把。
人手不足で彼が助っ人に行った系列店の店長も、あまりの出来なさに
「もう来なくていい。」と、出入り禁止を食らったくらいだった。
しかしながら、自分に自信だけは持っていた。だから周囲の声も聞かない。
そんなことが続けば、当然周囲からの信頼は得られない。実際彼は周囲から馬鹿にされ、
浮いている様な状態だった。もちろん、それに対して彼は不満を持っていた。
自信家の彼は、自分はちゃんとやってると思っていたからだ。
そんな彼を初めて認めたのが元店長だった。彼を取り込むのはちょろかっただろう。
彼に何を言ったのかは大体察しがつく。そして・・・。

 彼はミニ元店長化していた。元店長と同じ格好をし、仕草も真似し、
元店長と全く同じこと言っていた。彼の猿真似に誰もがこう思っていたはずだ。
「アホや。」実際、反元店長派のアルバイト達も嘲り笑っていた。
元店長派の女子高生さえもドン引きしていた。
そんなところに一つの事件が起こる。

 彼がライン上で公に現店長を批判したのである。
元々、彼は元店長の影響で現店長の事を馬鹿にしていた。
よく、自分に「アイツ(現店長)はダメダメや。」と言っていた。
元店長が言うのならともかく、どの立場で言ってるのだろうか。
いつも彼のミスの尻拭いをしていたのは他ならぬ現店長だと言うのに。

 このことは大きな騒動に発展した。反元店長派のアルバイト達は鼻で笑っていた。
それならばと、アルバイト達はオペレーションノートに次々と彼が言ったことに対して
反論を書いていた。客観的に見て、彼の言ってることはトンチンカンなことだし、
それに対する反論は極めて正論だった。
もちろん彼はそれに対して大いに不満をもち、なぜ自分がこんなにも責められなければ
ならないのかと憤慨していた。反論してきたアルバイト達の事を大嫌いだと
言っていた。

 さらに、この事件はオーナーの耳にも聞こえていた。
長らく来ていなかったオーナーがついに店に姿を見せたのだ。
当然、オーナーは彼を叱責した。しかし・・・。
彼は全く反省していなかった。
その場は大人しく聞いていたが、あとで、「俺は悪くない。」と言っていたのだ。

 年が明け、事態は急転する。
反店長派の3人を排除する動きになっていたはずが、急になかったことに
なったのである。そこの詳しい事情はわからない。オーナーの気が変わったのか、
それとも元店長が一人で盛り上がっていただけなのか・・・。

 そこからは急転直下で事態は変わっていく。まるで戦後直後の様に・・・。
何があったのかはわからないが、元店長は3月でやめると言い出したのだ。
それと同時に、オーナーも再び店に姿を見せ始めた。
その時くらいから、元店長はオーナーの悪口を言い始めた。
その影響で元店長派の女子校生とフリーター(男)はオーナーのことも
嫌悪する様になった。そして・・・。

 さらに事態は変わっていき、元店長は1月いっぱいでやめることになった。
この頃にはオーナーと元店長との間には埋めきれない深い溝が出来ていた様だった。
オーナーが店に来た時、「俺が来たからにはもう大丈夫や。よく我慢したな。」
と言っていた。以前とは180度違うこと言っていた。

 元店長は1月いっぱいでやめた。フリーター(男)も一緒にやめた。
やはり例の一件で皆から責められ、さらに馬鹿にされる様になり、後ろ盾も
いなくなる。さらに効いたのは元店長の説得工作だろうか・・・。

 元店長は自分がやめると決まってから、その態度がさらに露骨になった。
反元店長派の3人、オーナー、店の悪口を常に言い出したのだ。
そして最終盤には自分に店をやめるよう迫って来た。
元店長はあらゆる手で自分を説得して来た。
・オーナーや現店長、昼の従業員が自分の悪口を言っている。
・自分が遠い系列店に何度も助っ人に出されていた時不満を漏らしていたので、
 切ろうという話になっていた。
・もうすぐ店を閉店すると聞いている。
などなどだ。
元店長派の人達は皆、辞めるようあの手この手で説得を受けていたのだろう。
結局、フリーター(男)は真に受けて辞めてしまった。

 結果として、元店長が加わったことで大きな傷が残ってしまった。
これまで店に助っ人で来ていた近隣の系列店のアルバイト達も引き揚げ、
店自体のアルバイト達も合計10人以上辞めて行った。
何より店的には、店長候補だったフリーター(男)が辞めたのが痛かっただろう。
仕事はさっぱりだったが、よく喋り愛想が良く容姿も良かったので、オーナーは
結構気に入っていたのだ。

 残された元店長派はどうなったかと言うと・・・。
元店長について来たアルバイト男女2名のうち、女の方は遠く離れた地元で
就職活動をするため、元店長より一足先に辞めていた。
男の方は元々、元店長とは少し距離を置いており、ドライな部分があった。
この店に来たのも、純粋に元店長に慕ってついて来た女の方とは違って、
就職活動の資金稼ぎのためと慣れた系列店でなら新たに仕事を覚えなくて良いという
メリットがあった部分が大きい。それから、自分も少し裏で彼と元店長との離反工作を
していたのも聞いているのかなと密かに思っている。
ということで、今現在も店で働いている。

 女子高生も元店長と一緒に辞めるかと思ったが、自分の説得工作もあってか
一緒には辞めなかった。しかし結局、5月に辞めてしまった。自分もその時には
辞めようと思っていたので、引きとめなかった。

 そして、フリーター(女)だが・・・。こいつとは色々あった。
ちなみに今も店で働いているのだが・・・。

 そろそろ時間だ。次回はこの女との因縁、店を辞めるに至った経緯。
そして辞めた後の話を書きたいと思う。
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