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2017年03月24日23:06

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【展覧会】大エルミタージュ美術館展(森アーツセンターギャラリー)

木曜日の夜、会場は拍子抜けするほど空いていた。開幕したばかりだからだろうか。それとも、金曜以外でも20時まで開いている日があることを知らない人が多いからだろうか。あるいは、現代アートの企画が多い六本木ヒルズの美術館でエルミタージュ美術館展に行くほうがおかしいのだろうか(笑)。

本展覧会は16世紀ルネサンスから18世紀ロココまでの巨匠たちの作品85点で構成されている。全体的に地味。目玉の作品はないが、作品レベルは統一されており、安心して見られる。空いていてゆっくり見られたのが何より嬉しかった。
以下、各章ごとにまとめておく。

第1章 イタリア:ルネサンスからバロックへ
カナレットの「ヴェネツィアのフォンダメンタ・ヌオーヴェから見た、サン・クリストーフォロ島、サン・ミケーレ島、ムラーノ島の眺め」は、ヴェネツィア本土の景色でないのが新鮮。

第2章 オランダ:市民絵画の黄金時代
フランス・ハルス「手袋を持つ男の肖像」は、とてもイキイキしていて、パッと見てすぐにハルスの作品だと分かる。今にも動き出しそうな肖像画だ。

第3章 フランドル:バロック的豊穣の時代
ヤン・ブリューゲル(1世)による「魚の市場(ペテロとアンデレの召命)」が、ピーテル・ブリューゲルの「イカロスの墜落のある風景」系で、ブリューゲル家らしい作品。キリストによるペテロとアンデレの召命が画面の中央に描かれてはいるのだけれど、ピントはもう少し手前の魚の市場にあたっている。
フランス・スネイデルス「鳥のコンサート」は、面白い! ギャーギャーと鳥が鳴き騒いでいる音が聞こえてくる。

第4章 スペイン:神と聖人の世紀
特にピックアップしたい作品はないが、バルトロメ・エステバン・ムリーリョが描く絵は本当にかわいらしい!

第5章 フランス:古典主義的バロックからロココへ
ジャン=バティスト・グルーズ「未亡人と司祭」の未亡人がかわいい!しかも若い!子供が4人もいるのに全然悲壮感がないのが良いのか悪いのか・・・。
ジャン=オノレ・フラゴナールとマルグリット・ジェラールの「盗まれた接吻」は本展覧会で一番見たかった作品。ジェラールはフラゴナールの義理の妹で弟子とのこと。意外と小さい作品だが、ドレスの質感や布の張り感が素晴らしかった。

第6章 ドイツ・イギリス:美術大国の狭間で
ドイツとイギリスを1セクションにまとめるのには無理があり、16世紀のルカス・クラーナハと18世紀のトマス・ゲインズバラは比較のしようがないのだが、そういう構成になっているのだから仕方がない。クラーナハの「林檎の木の下の聖母子」ではイエスが手に持つパンのかけらが妙にリアル。ゲインズバラの「青い服を着た婦人の肖像」は爽やかな風を感じる清々しい肖像画。
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