mixiユーザー(id:66671909)

2018年10月15日19:46

128 view

果たして第二次世界大戦の勝利者とは今ではどの国なのだろうか?

「ナチス大虐殺・炎628」という映画がある。

この映画はナチス・ドイツ親衛隊アインザッツグルッペがソ連のベラルーシの村を焼き討ちして特に子供と母親を殺すという「民族浄化」の様子を描いていて、「なんて親衛隊アインザッツグルッペは残酷なんだ!」と印象づける映画となっている。

実は僕がこの映画を初めて見たのはドイツ人の家にドイツ語を習うためにホームステイをしていた時に、ドイツ語字幕付き版をその家族が寝静まった後に居間とは離れた2階のTVで見たのだった。もちろん、ドイツ人家族には失礼になるので、「昨日、ドイツ親衛隊が旧ソ連の村を焼き討ちする映画を見た」などとは言わなかった。僕は常に「日本とドイツは軍事同盟を結んでいたから、それ以来同じ歴史を歩んでいて第二次大戦中には全く同じことをしてましたね」と言っていた。日本人の中には日本の戦争犯罪を棚に上げてナチス・ドイツの戦争犯罪ばかりを非難するバカがいるが、軍事同盟を結んでいた事実を知らないのか?

それでこの映画を見て、「なんてナチス・ドイツの行動隊は残酷なことをしたんだ」と感想を言う人が世界中には多いらしが、この映画は1985年に旧ソ連で封切られてソ連ではかなりヒットした後、極めて不遇な運命を辿ることとなった。1985年にゴルバチョフがソ連の書記長になって「ペレストロイカ」、改革・解放が始まってソ連の軍事力で抑えられていた地域がソ連からどんどんと独立したので、この映画の舞台となっているベラルーシもウクライナ、バルト三国などと共にソ連崩壊と同時に1991年に独立した。

その後、ベラルーシもロシアも共産主義断念後のペレストロイカ後に資本経済導入のために、西ヨーロッパ第一の経済大国になっていた西ドイツの経済力の助けが不可欠になったので、ドイツ企業の重役の気分を損ねるような「炎628」のような映画はタブーになってしまったのだった。もちろん、ドイツ人には戦争犯罪を犯した実感はあったので、別に気にせずに過去の戦争犯罪を糾弾した反ドイツ色が濃い映画もドイツ国内でも上映していたのだが、やはり、ドイツからの経済援助が欲しい旧ソ連の人々はドイツ人の気分を損ねたくなかったので、この映画に描かれた悲劇などをヒステリックに話すことはなくなったらしい。

つまり、戦後の西ドイツの平和的な経済援助により旧ソ連人たちのナチス・ドイツの戦争犯罪追及は行われなくなったのだった。この点は日本が戦後の奇跡の経済復興を成し遂げたので、東南アジア人が日本の戦争犯罪追及をしなくなったのと全く同じだ。ここでも、ドイツと日本の歴史は同じである。

さらに、奇妙なことに映画の中で残酷なドイツSS将校が「お前らソ連人が信じる共産主義は下等人種だけが信じるものだ。共産主義を必ずこの世から抹殺してやる」という言葉は、ゴルバチョフのペレストロイカによって現実のこととなってしまった。旧ソ連人はナチス・ドイツ軍と必死に戦って共産主義を守ったのだが、結局、SS将校の言葉は戦争ではなくて経済力の限界ということで1991年に実現された。旧ソ連人たちが命を張って守った共産主義とは結局なんだったのだろうか?

今では映画の舞台となったベラルーシでは映画でソ連人たちが崇拝しているスターリンの話などをすると、「そんな暗黒のソ連共産主義時代の話はするな!」と怒られて、逆にベラルーシでも白人至上主義のネオナチが増えているという。別にヒトラーとナチスが正しかったとは言わないが、実に奇妙な現象がベラルーシ、ウクライナのような旧ソ連国家でも起こっている。

今のベラルーシ、ウクライナ、ポーランドなどの東ヨーロッパ諸国とロシア人のドイツ人に対する感情はというと、この映画に描かれたようなドイツSSの残虐行為に対して激怒する人もいるようだが、ヨーロッパで一番経済力があるドイツの経済援助なしには国の経済が成り立たないので、「過去にはドイツ人は悪いことをしたが、戦後はドイツ人たちは平和的に我が国に投資をしてくれているので、別に第二次大戦大戦時代の戦争犯罪どうのというのはあまり気にしてない。それに、ドイツ政府は東ヨーロッパからの移民を大量に受け入れている優等国家だ」と言う感じらしい。この傾向は特に若い人たちの間で顕著である。

この感情というのは、東南アジア諸国などの国民の日本に対する感情と全く同じだ。「日本の過去の戦争犯罪は許せないが、将来は日本の企業に入って日本で生活をしたい」という東南アジア人はとても多い。中国人、韓国人も反日運動はしているが、日本に住んで日本の企業で働きたいと思っている人は多い。

写真は「ナチス大虐殺・炎628」のポスターと紹介記事

6 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する