商社マンVS魚屋さん

来週から海外出張

現地打ち合わせのため商社を訪ねる


受付のミッコは顔なじみ


軽く会釈をしエレベーターに


僕が乗り・・閉まる寸前


駆け込む商社マン・・


見るからに商社マン・・こいっ出来るかも


扉が閉まり息せき切って乗り込み・・フ〜ウとひと息


クセー


この密閉された狭い箱の中


テメーにんにく食っただろう


たまらんくらい充満する臭い匂い


早く降りたいが・・・マン悪く８階で止まり


OLさんが２人乗り込み・・・


この異様なニオイに下を向く・・・


下を向きながら同僚と顔を見合わ


せチラ見・・・


視線は・・僕・・・


違うよ・・・冤罪


しかし・・しかしだよ


かたや・・誰が見ても寸分の隙きもないくらいビシッとスーツに身を包み


かたや。。。ヨレヨレのポロシャツに


ところどころ魚の鱗が


胸ポケットの縁にはエクスパックの送り状のシールの追跡番号


どう見てもこの２名のOLさん


ニオイのもと・・下手人は・・・この僕と思ってるだろうな


競馬でも・・絶対本命が来るとは限らない大穴だってあるのだから


どちらか一人でも視線の先をこの憎き商社マンに注いでくれないかな


・・・とか


考えてるうちに・・また止まるエレベーター


乗り込む人はまたぞろ一応に


目線で犯人探し・・・僕じゃない・・私ではありませんって


犯人はコイッです・・って喉まで出かかる


・・・で


僕の用事がある階で止まるエレベーター


降りようとしたが・・・まてよ


ここで降りたら


きっとこの人達・・やっぱり犯人はあのノッポね・・なんて言われかねない


で・・・降りずにそのまま狭い箱の中に留まる


沈黙の中・・動き出すエレベーター


次に止まった階


乗り込んできたのが憎きニンニク男の同僚らしき男


多分体育系・・おう・・・と・・挨拶


このエレベーター臭いな


ニンニクの臭いプンプンじゃん


さすがガタイからみても豪放磊落


そこそこ・・そこ突っ込んで真の犯人を暴いてくれ


そうかな〜・・とスーツ男


またいけしゃ〜しゃ〜と


マア・・いいよ・・・僕と言うことで


ボクと言う事いで？


なになになに・・・あかんやろ・・・


お前がそれを言ったら・・


ボクというこでって日本語の解釈考えたら


それじゃあ犯人・・やっぱりこの私・・魚や風情って・・僕って言うことになるじゃん


８階から乗り込んだOLさんの顔・・・僕をちら見して・・・やっぱりな


でも・・流石に商社マン・・絶対に我が身を交わす術を心得てる


どこにいっても


正直者と気弱な者はトバッチリをまともに受けるものである


トホホ・・・