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2018年06月25日08:56

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馬賊の歌

馬 賊 の 歌

作詩 宮島郁芳  作曲 不肖
大正11年
俺も行くから君も行け 狭い日本にゃ住み飽いた
海の彼方にゃ支那がある 支那にゃ四億の民が待つ


俺には父も母もなく 生まれ故郷にゃ家もなし
慣れに慣れたる山あれど 別れを惜しむ者もなし


嗚呼いたわしの恋人や 幼き頃の友人よ
いずこに住めるや今はただ 夢路に姿辿るのみ


昨日は東今日は西 流れ流れし浮草の
果てしなき野に唯独り 月を仰いだ草枕


国を出るときゃ玉の肌 今じゃ槍傷刀傷
これぞ誠の男児じゃと 微笑む顔に針の髭


長白山の朝風に 剣をかざして附し見れば
北満州の大平野 俺の住処にゃまだ狭い


御国を出てから十余年 今じゃ満州の大馬賊
亜細亜高嶺の間から 繰り出す手下五千人


今日の吉林の城外に 木だまに響く嘶きも
駒の蹄を忍ばせて 明日は襲わん奉天府


長髪清くなびかせば 風は荒野に砂を捲き
パット閃く電光に 今日得し獲物幾万ぞ


繰り出す槍の穂先より 竜が血を吐く黒竜江
月は雲間を抜出でて ゴビの砂漠を照らすなり
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