リストカットをする人間にも、いろいろあるらしい。
小さい傷を、いっぱいつける人、つまり質より量。
大きくバッサリ傷をつける人、量より質。
私は後者だった。
自分の気持ちが、こころについていけなくなると、無性に切りたくなる。
切らないと気がすまなくなる。
切りたい、
切りたい、
切りた〜い
もう、ここまでいったらカミソリを持っている。
切ってしまうとスッキリする。達成感みたいな感覚である。
一種の性的感覚と似ている。
しかし、いつも後悔する。
(やっぱり、私は病気だ。頭おかしいわ
普通、切らないし。
なんで、切っちゃうんだろう)
「何してるんですか!!!」
突然職員の声が飛んできた。
布団にもぐって、もそもそしていたからだ。
「布団にもぐらないこと。顔を出しなさい!!」
私は、渋々顔を出して職員を見る。
(わぁ、嫌いなヤツだぁ
)
「いつも言ってますよね。」
「・・・」
「聞いてますか!!返事は!!」
「はい。」
「じゃ、ちゃんと守ること、いいですか!!!」
私はよく注意をうける。反抗的な態度をとるからである。
どんな理不尽なことがあっても、ここでは職員に
絶対に従わなければならなかった。
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