その後、サトシさんとは何度かご飯食べに行ったりモーニングだけ行ったり買い物に付き合ってもらったり…しばらくは清いお付き合いが続いた。
あたしから自然に腕組んだりしてお互いなんとなく気持ちは同じだったんだろうけど、それなりの年齢だし「付き合おう」とかそんな青臭いセリフは出なかった。
というかあたしから言い出せなかった。
なんか、うん、恥ずかしいの。
今までさんざん男性とカラダだけでつながってきたあたしはそんな駆け引きに慣れていなくて、10代の処女の様に奥手になっていた。
ある日、喫茶店でコーヒー飲みながらサトシさんに聞いてみた。
なんで、あたしのアドレス聞いたん?―
うん、すぐヤれると思ったから―
おっふwwwwwwwwwwwwwwwwwキタwwwwwwwww
恥ずかしげもなく言い放った彼になんか共感したというか…しばらく自分を抑え込んでいたのが意味のない事のように思えて…。
じゃ…今からしよっか…?―
初めてサトシさんに抱かれてからおよそ1か月、今度はあたしが彼の腕を引きホテルへと入って行った。
女性から誘わせた責任、とってね…―
エレベータで彼の胸に顔をうずめながらそう言うと、頷きながらあたしを優しく抱きしめた。
その日はまだ午前だったのに、上下する彼の胸板の下で激しくいやらしく乱れた。
フロントに電話して避妊具を追加してもらい、何度も何度も彼に愛され、汗だくのままフリータイムいっぱいまで抱き合って眠った。
半年後、とうとうその日はやってきた。
母に会ってほしい―
そして、あたしの人生の歯車が軋みだした。
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