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2016年06月18日08:10

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フランソワーズ・ドルレアック

 ここ数日、気がつくとフランソワーズ・ドルレアックのことを考えている。映画「ロシュフォールの恋人たち」で初めて彼女のことを知った。世界的大女優、カトリーヌ・ドヌーブの一歳半上の実の姉で女優。「ロシュフォールの恋人たち」の双子姉妹役で初の姉妹共演を果たすが、1967年6月26日に、ロンドンに行く飛行機に乗るために高速道路を運転中、交通事故により他界。亮年25歳。余りに早い死であった。
 
 生きていれば、ドヌーブと並んでフランスを代表する女優になっていたであろう彼女の悲劇的な死に想いをめぐらせている。軽く恋におちてしまったのかもしれない。「ロシュフォールの恋人たち」の能天気な明るさと直後の彼女の身に起こった悲劇の対比が余りに悲しい。この作品以前にも主演作はいくつかある。彼女主演で「柔らかい肌」を撮ったフランソワ・トリュフォーは「あと数年経てば、君は絶対自分を確立できるよ、きっとね」といつもドルレアックに言っていたという。まさに大女優として世界に羽ばたこうとしていた矢先の事故だったわけである。

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 「ロシュフォールの恋人たち」のフランス公開が1967年3月で日本公開が8月。まさにこの間に亡くなっている。日本公開時に主演が亡くなってしまっているというのは「ジャイアンツ」のときのジェームス・ディーンと同じだ。それが影響したのか「ロシュフォールの恋人たち」は1967年キネ旬ベストテン18位。

 事故の詳細をネットでググってみたが、どれも断片的な記述しかない。おおよそはこうだ。1967年6月26日、ニースに向かう高速道路は雨だった。予定のフライトに乗り遅れそうだったフランソワーズはかなりのスピードを出していたらしい。クルマはレンタカーのルノー10。彼女自身がステアリングを握っていた。直前まですでに結婚して子供がいた妹のドヌーブ一家とピクニックを楽しんでいた。高速の出口でコントロールを失ったルノー10は交通標識に激突、2〜3度横転して止まった。直後に出火。遺体の損傷は激しく、当初身元が判明せず、警察は残った運転免許証の切れ端から女優のドルレアックであることがわかった…というような状況だったらしい。事故直後に彼女は意識があったらしくクルマから脱出するそぶりがあったというから実に悲惨である。このあたりは小川知子の彼であったレーサー福沢幸雄の最後にも似てるのかなとも思った…。

 いずれにせよ、彼女の死は妹であるカトリーヌ・ドヌーブにも深刻な影響を及ぼしたであろうことは想像に難くない。長い間、姉ドルレアックに対する想いに対して沈黙を貫いていたドヌーブだったが何年か前、事故から何十年も経ってやっとその重い口を開いて姉へに対して言及しているインタビューがある。いまだに仲の良い姉妹をみるとこころが痛むそうである。喪失感はいつまでも癒えることがないのだ。

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まだ未見の「柔らかい肌」を探してみようと思う…。もうすぐ、フランソワーズ・ドルレアックの49回目の命日がやってくる…。合掌。


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