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2017年07月20日00:39

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精神科のお勉強

ども


しがない内科医です。



今日は精神科のお勉強をしましょう。


よく権利ばかり主張するメンヘラ患者







素人意見はよくないので……




では、まず精神科の入院形態から行きましょうか。




医師国家試験の公衆衛生の頻出事項ですね。





フォト





こんだけあります。




僕ら医者は基本的に医学知識のみならず

医学に関する法律や公衆衛生も勉強します。




これは、分厚い200ページ以上ある公衆衛生の法律の1ページに満たない表ですけどね……



懐かしい……




では


一般的に覚えればいいのは……




任意入院

医療保護入院

緊急措置入院


の3つです。






一般的に我々、内科医が普通にするのが


任意入院となります。




患者さんに病気を説明し同意を得て入院させます。



そしてこれ以外の入院は一般的に(あくまで一般的に)
いわゆる精神科の専門医しかできません。




なので、僕ら非精神科医が患者の同意無しで長期的に入院させる事はそもそもできません。




すると、この様な閉鎖病棟(鍵付き、牢屋)に入院させれるのは精神科医だけなのはお分かり頂けたと思います。





ちなみに
昔、聖マリアンナ医科大学の精神科医局が専門医のサマリーを使い回して取った専門医がこれです。


本当にあの大学は、タレント養成大学なんでしょうか。
同じ医者として恥ずかしいです。


自分の専門医サマリーとか自分で書けよ。




ご、ごほん。



まぁ話は戻りますが


医療保護入院ですね。





医療保護入院は精神保険指定医1人



家族の同意を得て




自傷他害のおそれがある場合

入院できる形態です。



※本来は自傷他害はいらないがその他入院だと入院日数、報告義務など制約がかかるので多くが医療保護入院で対処される。





つまり

救急隊が


『精神疾患の患者さんが暴れています。救急搬送よろしいですか?』


医者『家族はいますか?性別と年齢を教えて下さい?』


となります。




家族がいなければ、緊急措置入院にしないといけないので、他の入院形態に切り替えるために、精神科専門病院(精神科医が2人以上常勤)でないと取れません。



でなければ、72時間後に退院させないといけないからです。



いくら内科疾患であっても、その時点で本人を押さえつけて入院は法律的にできないからお断りです。



あと、性別が大事






若い男性の場合





全力で病棟で暴れられたら


看護婦さんじゃ抑えられません。
殺されます。




なので、男性も閉鎖病棟がない限りとりません。


アルコールせん妄も、そうなります。





フォト




これは内訳になります。
こんな感じなんで医療保護入院さえ抑えておけば入院形態はばっちりですね。



では



精神科疾患です。





まず、僕は精神科の患者さんが好きではありません。





毎日、性的な妄想をする女性に追いかけ回されてトラウマになっているからです。



毎日、看護婦さんが書いたカルテに
患者『あの先生とSEXする事を考えるといてもたってもいられません。』



という文字を見つけた時の恐怖感




分かりますか?





シャバで出会いたくは絶対ないし出して欲しくないと思いました。




性的暴行を受けた女の人の気持ちが死ぬほど分かります。
絶対に出してはいけないです。



つーか



精神科患者の権利とか言うなら自分で面倒見ろ
クソ家族と思ってしまいます。




その点




がんの患者さんは、どんなに好き勝手やってたクズでも可哀想だなって思えて共感できてしまうし



自分が看取ってあげなきゃ


そう思えてしまうので……


人間とは不思議なものです(*´-`)








では



基礎から行きましょうか。


まずは


錯覚

幻覚


の違いです。




錯覚は
訂正可能な感覚




おじいちゃん『よんだかえ?』

僕『いいえ、テレビの音ですよ。』

おじいちゃん『そうですか。』




これが錯覚の中の錯聴






幻覚は
訂正不能な感覚



女の子『聞こえませんか?』

僕『いいえ、テレビの音ですよ。』

女の子『いいや、聴こえる。早く殺らなきゃ。』



これが幻聴


そして、支配されているので幻覚妄想状態ですね。





ちなみに
皆さんがよく知ってるのは


統合失調症ですが、100人に1人がなる病気で昔は分裂病って言われてました。




統合失調症の主症状は幻聴です。



実は統合失調症は精神鑑定で責任能力のないとされる病気筆頭です。



なので



殺人犯とかで

ラリったふりして
見えないものが見える

とか言えば


それは幻視なので統合失調症ではほぼないのでバレます。


幻視があるのは

レビー小体型認知症とアルコール離脱せん妄です。



あと、殺しに行くのにナイフを買った。

これは計画性があるので

統合失調症ではありません。



あの人達は咄嗟に幻覚状態に陥るので
いきなり支配されて行動するので計画性はありません。



なので殺す場合は




目の前にナイフを見た





このままだと自分が殺されるから殺せと声が聞こえた。





気づいたら刺してた。





この人だーれ?






という、感じなのでまず計画犯罪はあり得ないです。
ナイフがない場合は絞殺ですね。


計画性がない。ということが条件です。

恨みもありません。




そんな訳で





本当の妄想状態は縛らないと無理です。

だって相手は秘密結社ショッカーに捕まったと思い込んでるので全力で暴れます。

薬で取り敢えず自傷他害がなくなるまで沈静化させます。






大体、医者嫌いのメンヘラの方はこの系統なので
薬でおかしくなった。




だの言ってますけど





もともと

統合失調症は治りません。





寛解と増悪を繰り返し、徐々に増悪し人格荒廃へと至ります。
→この表現は教科書に書いてあります。

※陽性症状や陰性症状の事は面倒なので敢えて書いてません。



結局は徐々に悪くなるから、薬使っても悪くなってるのではなく


薬飲んでるから抑えられてるだけです。


必ずどこかのタイミングで
どっかに閉じ込めとかんといかんのに



今まで面倒見てた親が死んで



残った
精神病患者が住むとこも無くなり



閉鎖病棟に入りきらず
あぶれています。



閉鎖病棟のカルテ見て下さいよ。
自宅住所無い生活保護いっぱいですよ。



そんな患者が暴れる環境での抑制は悪い事でしょうか。



まぁ、一般的には抑制は


センサーマット……おじいちゃんがベッド横に立つとナースコールがなるマット。


ミトン……赤ちゃんが顔引っ掻かない様にするミトン。
主に点滴を自分で抜かない様にするため。


四肢抑制……暴れる君


胴体抑制……もっと暴れる君



的な感じです。
手術の後に一般人とかでも、術後せん妄で意識無くして暴れる事あるので必ず手術前に抑制の同意書を取られると思います。








今回の事件は結果論ですが

恐らくは四肢抑制以上の暴れる君であった事が予想されます。(ちゃんとした病院なら……)



現状の日本の精神保険衛生上、若年男性をとってくれる施設が足りてないので……
これ以上、精神科専門病院ですら取ってもらえなくなる社会だけはヤバいなぁと思います。




精神科医は大変ですなぁ。




■精神科病院で身体拘束された外国人が死亡…遺族ら「不必要な拘束やめるべき」と訴え
(弁護士ドットコム - 07月19日 17:33)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=4675646
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