2018年1月18日読了 『漱石と「學燈』 小山慶太 編著 丸善出版 1,600円(税別)
平成29年1月25日発行 230頁 2017年12月22日購入
「學燈」は丸善が版元であり、その丸善に掲載された文章の再録である。
と、簡単に書くけれど「學燈」創刊120周年、夏目漱石生誕150年記念と帯にある通り丸善の広報誌である。
然し、その歴史と相俟って本書に週力される筆者は我国の文壇史と言う趣。
漱石、夏目金之助自身の著したものから始まって編者の小山慶太に続いて、漱石・夏目金之助・森田草平・木下順二・半藤一利・井上陽一郎と錚々たるメンバーのの数々で正しく、「日本文壇史」と言う趣。
内容も軽いものが多いが日本文壇の裏面誌と言うお腿気すらする。
丸善には屡々向かい、本を求めるがこの版元である丸善出版の本は中々見ない程。
今では書店としての要素の方が多いんだろう。
丸善と言えば梶井基次郎の小説『檸檬』は高校で現代国語で習ったが、そこに丸善が出てきて筆者・梶井基次郎が檸檬をまるで爆発物のように置いて去る様を描いた短編、僅か2〜30頁ほどの本だったと思うが印象深い。
自分は専ら書店の利用者としての範囲を逃れないが、漱石が存命中=明治期には書店と言えば丸善だったんだと思う。
古い文章、随筆・アンソロジーのようなものが多いが書店の歴史の面からも意義深いような気がする。
何処から読んでも漱石、存命時の雰囲気の伝わる高著と言えるだろう。
星は言うまでもなく満点☆☆☆☆☆!
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