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2018年10月24日02:06

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世界に2本しかフイルムがない映画 『シェラ・デ・コブレの幽霊』

ついにこの映画を見られる時が来ました。

世界にフイルムが2本しかないという幻のホラー映画、『シェラ・デ・コブレの幽霊』です。

この映画がどうしてこのような顛末をたどったのか、それは様々なところで語られています。

1964年、もとはアメリカのTVシリーズ”The Haunted”のパイロット版として製作されたのが、あまりにグロテスクとされて封印され、オリジナル・ネガは火災で焼失。しかし日本では1967年にTV放映され、20%超という高視聴率を記録したものの、フイルムの貸与期間が切れてそのままに。

それが「探偵ナイトスクープ」で取り上げられ、世界に2本しかないフイルムのうちの1本を所有していた日本のフイルム・コレクターが快く上映に応じ、ソフト化に向けての努力がされたものの、複雑な権利関係のため断念。

今回の突然の北米盤ブルーレイのリリースは、アメリカに現存していたフイルムを2Kスキャンしたもの。ノーカットの全長版(80分)と、TV放映版(50分)の2バージョンを収録しています。


1964年、アメリカ製のモノクロ作品。日本語字幕はありません。


【物語】
盲目の資産家ヘンリー・マンドール(トム・シムコックス)は、死んだはずの母からかかってくる電話に悩まされていた。ヘンリーの妻ヴィヴィア(ダイアン・ベイカー)の案内で調査にやってきたネルソン(マーティン・ランドー)は、建築家でありながら、オカルトの研究家として知られていた。
ヴィヴィアとともにマンドール家の地下墓地を調べるネルソンは、ヴィヴィアが幽霊に襲われる現場に居合わせ、ある事実に気づく。


…「アメリカ映画には珍しい、足のない幽霊が出る」「幽霊がグロテスクすぎて視聴者に失神者が出た」などの都市伝説がある映画です。果たしてどんなものだったか。

「足のない幽霊」は本当でした。

「失神する」ほどの恐怖ではないですが、当時の視聴者がショックを受けたであろう幽霊の造形は、確かに今見ても十分にグロテスクです。

何とも形容しがたいのですが、気持ち悪いのは間違いありませんでした。しかも、耳にこびりつく奇音とともに現れ、画面いっぱいに広がるさまは、トラウマものでしょう。

監督のジョセフ・ステファーノはヒッチコックの『サイコ』の脚本家として知られており、本作でも、ちょっとしたどんでん返しをラストに用意しています。ミステリーとしても面白い作品です。

主演のマーティン・ランドーは「スパイ大作戦」全盛期のころ。
不気味な家政婦役のジュディス・アンダーソンは、これまたヒッチコックの『レベッカ』でダンバース夫人を演じた個性派で、本作でもキーパーソンとして登場します。


2Kスキャンされたブルーレイの映像は驚くほど綺麗なのですが、少々綺麗過ぎました。フイルムに焼き付いた”忌々しいもの”を再現するにしては高精細すぎました。

特典として収録されているTV放映版の方はレストアが甘く、傷だらけで、こちらの方が生々しさはありました。


★★★★。
個人的「見るまで死ねない映画リスト」の作品が、またひとつ消えました。大満足。




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