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2018年09月19日22:13

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送電網の整備や電源の多極化←金は誰が出すと思ってんの?

「原発再稼働に注力するあまり送電網の整備や電源の多極化を怠ったのは明らかに北電の怠慢」

こんな意見が散見しますが、送電の整備や電源の多極化がタダでできると思っているのでしょうか?
しょせんは他人事なんですよね。
北電はともすれば赤字が出る低空飛行な経営状況であり、そんな状況で金のかかる事をしようとすれば、道民の電気料金を上げざるをえないわけで。
あんたらがそれを肩代わりしてくれるなら、金のかかる主張をするのも構いませんけどね?


Nagata Harunori/永田晴紀
@nagataharunori
電力インフラの有るべき姿を常識的に考えれば、現時点で既に、北電の電力供給能力は「足りてない」。 ⇒ 苫東厚真発電所4号機(定格出力70万kW)に不具合が起これば即座にどこかを停電させる必要が生じるという、1トラブルにも対応できない非冗長な状況。

16:25 - 2012年7月6日


これは、北海道大学大学院の永田晴紀教授が6年前にツイートした文章。
まさに、今回の状況を予言した内容です。

さらに、永田教授へのインタビューでは

「現在(北海道震災前、東日本震災後)稼働中の中では厚真の4号機70万キロワットが最大ですので、ピーク時に70 万キロワット以上の余剰能力を確保せよ、という意味です。

それができていない状況は1回のトラブルにも対応できないということですので、工学の常識では「足りてない」と言います。」


(北電が電力を安定供給するには?という質問に対し)

「泊原子力発電所を再稼働すればいいと思います。
北海道電力の判断ではどうにもなりませんが。

北海道電力は泊原子力発電所が停止から、とても迅速に新規の火力発電所の建設に着手しましたが、土地の選定とアセスメント(ある事象を客観的に評価すること)だけで何年もかかりますので、すぐにはどうにもならないのです。

数万年前の地震の跡がどうのこうのと議論するよりも、毎年の冬の心配をすべきだと思います。

そもそも、未だかつて地震で壊れた原子炉は存在しません。
水没などによる非常用電源喪失が一番怖いのですが、それは簡単に対策できるし、すでに対策済みです。

地震で原子炉が壊れたという誤解が未だに多く、辟易しています。
その責任の一端はマスコミの報じ方にもあると思います。
福島第一原発で壊れたのは原子炉ではなく非常用電源系で、壊れた原因は地震ではなく津波による水没でした。

北海道電力は泊原子力発電所の稼働停止から3年後の2015年、小樽市でガス火力発電所の新設工事に着手。
北海道と本州の間で電力をやりとりできる「北本連系線」の容量を1.5倍にする工事を進めてきたが、いずれも完成は今年度中で、対策は間に合わず、今回の大規模停電につながった。

今回のような「ブラックアウト」は本当に“想定外”だったのか。
今後、北海道電力がどう検証し、どのような対策を打ち出すのか注目していきたい。」


と語っています。



さらに、
東京工業大特任教授の奈良林直氏の

「原発を止めるリスク」
北海道大停電が教えてくれた再稼動の意義

という記事からの一部抜粋です。

〜〜〜〜〜

結論を先に言えば、北海道の全道大停電は、泊原発1、2、3号機(総出力207万キロワット)が動いていれば防止できたであろう。
言い換えれば、火力発電所の今回の全道大停電の責任は、原発を止めて、半年で終わるはずの審査が5年以上もかかり、一向に再稼働させない原子力規制委員会にある。

人の命にかかわる激甚災害を作ったのは、原発を何の法的根拠もなしに運転を停止させて再稼働させない規制によってもたらされた人災である。
要は「原発を止めるリスク」は非常に高いのだ。

そもそも、変動電源である太陽光、風力は火力や原子力、水力などの安定電源が動いていないと接続できない。
北本連携線の本州からの直流送電も、道内火力が動いていないと交流に変換できない。
送電網の「素人集団」である原子力規制委はこのようなこともご存じないらしい。

耐震補強を徹底的に施した原発に比べ、火力発電所は地震に弱い。
ボイラーの伝熱管群は、熱膨張を避けるために垂直に数十メートルの長さがあり、上部で吊っているので今回のように直下型の縦揺れには弱いのだ。
運転中は高温高圧になった伝熱管群が数十センチも下方向に伸びて下がってくるので、垂直方向には固定できない。

マスコミ報道やインターネット上には、泊原発が震度2で外部電源が喪失し、もし運転中だったらメルトダウンして爆発する危険性があるというような意図的に原発の危険性を煽る情報がたくさん出ている。

 しかし、原発は今やほとんど全ての自然災害への頑健な対策を取り、震度2程度ではびくともしない。
外部電源が喪失したのは、火力発電所のせいであって、泊原発のせいではない。
非常用ディーゼル発電機が2台とも起動停止する確率は1/1000以下である。
そして、原発は、外部電源喪失や負荷遮断といった外乱は織り込み済みで、設計と実際のハードウエアで対処可能となっている。

 少々、専門的になるが、外部電源が喪失し送電もできない負荷遮断状態になると、まず自動的に制御棒が挿入されていき、出力を5%ぐらいまで絞る。
蒸気タービンは、余剰な蒸気は、タービンバイパスと言われ、タービンを回さずに直接復水器に放出される。
蒸気タービンは回転が続いているから発電が続き、所内動力といって、原発が必要とする電気は自前で供給し、所内単独運転という状態で待機する。

 水力発電所などが運転を再開すれば、その給電で、運転を再開できる。
非常用ディーゼルが起動するのは、所内単独運転に失敗したときのみだ。
このときは、タービン動補助給水ポンプにより蒸気発生器に給水され、主蒸気逃がし安全弁から蒸気が放出されて、蒸気発生器を介して原子炉が冷却される。

 タービン動補助給水ポンプが起動に失敗しても、電動給水ポンプが代わりに給水する。
さらにこれらに失敗しても、たくさんのモバイル電源、非常電源、給水車などが所用台数の2倍以上も準備されており、炉心損傷確率は隕石の落下確率以下となっている。
さらにフィルタベントが設置されるので、万が一の炉心損傷が発生しても、放射性物質は濾(こ)し取られ、地元の汚染は防止される。
今や原発の安全性は、3・11前の原発とは比較にならないほど頑健になっているのである。

 ここまで書くと、もはや原発を動かすリスクよりも、止めているリスクの方が高いことが分かる。
原発を止めることにより、大停電のリスクは上がり、二酸化炭素の排出は増える。
太陽光や風力では火力によるバックアップがないと運転できないので原発を止めると二酸化炭素の排出が増え、地球温暖化のリスクが上がる。

 ゆえに、太陽光や風力が原発の設備容量を上回るほど普及したドイツや日本で二酸化炭素は減っていない。
1キロワット時の電気を得るのに、排出する二酸化炭素の質量で比較すると、ドイツも日本も先進国の中で最悪の二酸化炭素排出国なのだ。

〜〜〜〜〜


常葉大学経営学部教授の山本隆三氏は、

大停電は天災だけではなく地球温暖化でも引き起こされる

という記事の中で次のように警告しています(一部抜粋)

〜〜〜〜〜

なぜ、北電は苫東厚真に供給の大きな部分を依存するような状態だったのだろうか。
発電所を道内に分散しておけばよかったと批判するのは簡単だが、その背景は複雑だ。
北電が苫東厚真を主力とし大きく依存せざるを得なかった事情は、戦後の日本のエネルギー供給の歴史に遡る。

第二次世界大戦直後、日本の電力供給の主体は水力だった。
豊富な水資源を利用する発電用ダムが世界銀行などの資金を活用し建設された。
水力発電は、設備を建設すれば燃料代も不要な競争力のある発電方式だ。
やがて、経済成長の開始に伴い電力需要量が急増し北海道、九州、常磐などで生産が行われていた国内炭を利用する石炭火力が建設された。
1960年には国内の石炭生産量は5000万トンを超えていたが、この頃から利便性が高い石油に需要が移り始める流体革命が起こる。

 石炭への需要落ち込みを受け経営の合理化を図りたい経営陣と炭鉱労働者が対峙し、総資本対総資本の対決と呼ばれた1960年の三井三池争議を契機に、国内の石炭生産量は坂道を転げ落ちるように減少し始める。
この国内炭の状況を変えたのは、1973年のオイルショックだった。
原油価格が4倍になったことから、世界では石炭が注目を浴びることになったが、日本で最も問題となったのはエネルギー供給を原油に依存している状況だった。
オイルショック当時、日本のエネルギー需要量の4分の3以上は主として中東の原油により供給されていた。

 エネルギー源の多様化と自給率向上策を迫られた日本政府は、採炭条件の悪化により生産数量の減少が続いていた国内炭の年産量2000万トン維持を打ち出す。
しかし、採炭条件が悪い日本の石炭価格は高く、原油との競争力はなかった。
さらに、80年代初め豪州などから燃料用一般炭輸入が開始された。
輸入炭の日本着価格5000円に対し、国内炭価格は2万円に近く、国内炭はますます販売が厳しくなり、80年代には北炭夕張炭鉱、三菱高島炭鉱、三井砂川炭鉱の閉山が相次ぎ、1987年には生産数量を見直した年産1000万トン体制の政策が打ち出された。

 国内炭生産維持のため、国内で生産される燃料用一般炭引き取りに電力業界も協力したが、その矢面に立たされたのは、北海道の炭鉱の隣接地に発電所を建設していた北電だった。
しかし、内外価格差があまりに大きく、90年代には住友赤平炭鉱、三池炭鉱、池島炭鉱などが閉山し、1000万トン生産体制維持政策は2001年度に終了した。
2002年の太平洋炭鉱(釧路)の閉山を以て、日本の坑内掘り炭鉱はその歴史を閉じ、生産は比較的価格競争力がある北海道内陸部の小規模露天掘りと研修用として残された坑内掘りだけになった。現在も年間約120万トンの生産が行われている。

 依然として生産が行われている国内炭を主として使用しているのは内陸部に建設された北電の発電所だ。
驚くのは、その運転開始時期だ。

1960年代、70年代の設備が主体であり、35年以上利用されている発電所ばかりだ。
燃料効率も悪く、露天掘りとはいえ、輸入炭との比較では相対的に価格が高いと思われる国内炭を使用していることから発電コストも安くはないだろう。

北電は石油火力も保有しているが、石炭との比較では燃料費は高くなる。
今年3月の輸入価格を元にすると、1kW時当たり石炭3.8円に対し石油は11円と約3倍になる。
コストを抑えるためには、石油火力の利用は抑制する必要がある。

競争力のある電気を提供するため、北電が建設したのが太平洋側の苫東厚真石炭火力発電所だった。
豪州などから大量に輸入することで輸送コストの引き下げを狙った大規模な発電所になった。
さらに、日本海側に泊原子力発電所を建設した。

 需要は伸び悩んでおり、大規模火力と原発を建設すれば、これ以上の設備を分散し建設することは経済性の面から難しい。
さらに、冬の気象条件が厳しく、海外から燃料を輸入する大規模港湾を必要とする発電所を北部に建設することは難しいという地理的な制約もある。

 国内炭引き取りのため維持が必要な内陸部の老朽化した石炭火力発電所、石油火力、大規模輸入炭火力、原発を抱える北電が、これ以上の設備の多様化を進めるのは経済性の面から無理だったが、泊原発の停止が長期化していることから、石狩湾に液化天然ガス火力を今建設している。
しかし、自由化された電力市場では将来の電気料金が不透明なことから、新規設備への投資にはどの電力会社も慎重になる。
設備の更新が自由化市場では遅れることになり、北電も老朽化した設備を簡単に更新することは難しいだろう。

 電源を分散しておけばと言うのは簡単だが、非常時に備えて電源の予備を用意すれば、それは電気料金上昇に結び付く。
電気料金は産業の競争力、家庭生活に大きな影響を与えるので、余分な電源を用意し高い予備率を維持している電力会社はない。
欧州は、送電網が連携しているため発電所の故障時に他の電源から電気を送れる可能性は高いが、列島の形状から南北方向にしか連携が難しい日本で欧州のような連携は地理的に難しい。
その欧州でも再エネ設備量の増加により電力供給に問題がでてきている。

 今年猛暑が続いた日本と同じく、世界の多くの国でも猛暑が続いた。
欧米では、日本と違い雨が殆ど降らず、熱波が襲った。
スウェーデンでは氷河が溶け最高峰の山頂が4メートル下がり、スイスでは気温30度が続き警察犬が靴を履き、ポルトガル、スペイン南部では8月上旬45度、46度を記録し、熱中症で亡くなる方が出た。

 高温で雨が降らず安定した気温だったので、太陽光発電量は各地で大きく増加した。
ドイツでは7月の平年日照時間212時間が今年は305時間になった。
7月ドイツの太陽光発電量は67憶kW時となり史上最高を記録した。
安定した気温なので風は吹かず、風力発電量は前年同期比20%減の45億kW時と大きく減少した。

温暖化対策として逆風が吹く石炭火力設備を廃棄し、洋上風力設備で置き換える動きが続けば、やがて温暖化により天候が安定した猛暑が欧州で多発し、洋上風力設備の発電量が大きく減少、停電の可能性も出てくることになる。

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ーーー記事内容ーーー

■北海道停電、10月に中間報告=第三者委を設置−電力広域機関
(時事通信社 - 09月19日 17:05)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5295859

全国の電力会社で構成する電力広域的運営推進機関(東京)は19日、北海道地震による大規模停電(ブラックアウト)を受け、発生原因を検証するための第三者委員会を設置した。原因究明のほか、再発防止策などを検討。10月中に中間報告、年内に最終報告をまとめる予定だ。21日に東京都内で初会合を開催する。

 第三者委は有識者4人で構成し、東京大大学院の横山明彦教授が委員長に就任。第三者委の会議には北海道電力の担当者も出席する。

 経済産業省はブラックアウトに至った経緯を検証するため、全国の電力需給を調整している電力広域的運営推進機関に対し、第三者委の設置を求めていた。

 第三者委は、北海道電の電源が大規模発電所に集中していることの問題点や、停止中の泊原発(泊村、出力207万キロワット)の外部電源が一時喪失したことなども議論する。19日に記者会見した運営推進機関の内藤淳一理事は「まずは技術的な検証をしっかりやる」と述べた。 

ーーー了ーーー




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