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2017年11月23日22:33

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「はじめの一歩(完)」→「第二部 復帰編」になるんだろうか

「はじめの一歩」今週号、1202話「終局」のネタバレ入ります。




いやあ…こういう展開に持って行くとは思っていなかった。
先週の一歩がパンチドランカーとしての自分を認めてしまうのも驚きだったけど、
さらに今週負けてしまうとは。
予想してた人もいただろうけど、ぼくとしては二週連続で予想外の展開でした。


読んだ直後はこれでこれからどういう展開に持って行くんだろうと、
本気でわからなくなってしまいました。
森川先生はどういうつもりなんだろうと。
でも読んでから数時間経って、
「これが必要な展開だとするなら」と考えてみたところ、
ふいに全部腑に落ちてしまった。
もちろん、ぼくの腑に落ちたからってそれが正しいとは限らないし、
むしろ全然ハズレてる可能性の方がずっと高いけど(笑)、
でもとりあえず自分で納得させられる解釈ができたのはよかった(笑)。


一歩に「本気で」ボクシングさせるには、ここまでやらなければならなかったのか…
結論を言うと、これがぼくの解釈です。


まず宮田との試合が流れて以来、
森川先生の中で「世界チャンピオンになる資質」をどうしても一歩に見いだすことができなかったんじゃないかと。
一歩は連載初期から「宮田戦」という目標をまったくブレさせることなく持ち続けて、
迷うことなくすべてを注ぎ込んでいた。
だけど森川先生的には、
宮田と戦った後の一歩がボクシングを続ける理由がなくなることに気づいて愕然としたのかもしれない。
森川先生としては、やはり一歩には世界チャンピオンになってほしいし、
そこにたどり着くために「はじめの一歩」という作品を描いていたんだと思います。
だけど主人公がどうやっても「そこにたどり着きたい」というモチベーションを維持してくれない。


宮田戦が流れて以後、「はじめの一歩」は迷走したとボロクソ言われることも多いけど、
その一面は確かにあったかもしれない。
でもそれも、森川先生的に、
一歩に芯からやる気を出してもらうための苦労の現れだったのかもしれないです。


「あ、ダメだ、こいつ宮田と戦ったらそこでボクシング辞めちゃう! しかもどうやっても再起しそうにない!」
「しょうがない、とりあえず宮田戦は回避して、別の方向から世界チャンピオンを目指させてみよう」
「……ダメだ、こいつ東洋圏のチャンピオンと連戦させようが、世界二位と戦わせようが、どうやってもモチベーションが世界まで届かない(泣)」
「…………わかった、そこまでやる気がないなら、もうここまでやってやらあ!」


森川先生の心象風景をこんな風に勝手に想像したりして(苦笑い)。


宮田戦が流れてからの一歩は、とにかく中途半端だった。
特に目標やモチベーションについては読んでるこっちもそのことは感じ続けていました。
プロデビュー以来「新人王」「A級トーナメント」「日本王座」そして「宮田戦」と、
それぞれの目標へ向けての一歩のモチベーションを感じていれば、
「世界王座」へのそれは、どうしてもどこか貼りつけた感が拭えない。


それでも一歩は宮田戦後の試合でも勝ってしまう。
これは「主人公は勝つ」という森川先生の少年マンガに対するポリシーみたいなものも影響しているのだろうけど、
そのため中途半端さが解消されることはなかった。


これらの中途半端さを解消するためには、もう一歩にボクシングを本気で辞めさせるしかない。
森川先生はそう考えたのかもしれないです。


「パンチドランカー疑惑」「再起戦敗北」という二つの大きすぎる「引退理由」は、
そのために必要だったのでしょう。
敗北自体はそこまでではないかもしれないけど、
一歩自身が「次負けたら引退」と決意していたし、それを久美に宣言もしていた。


パンチドランカーはこれ以上ないほど強烈すぎる外的理由。
敗北は一歩自身を納得させるための内的理由。
内からも外からも徹底した完全攻略。
一歩はここまでしなければボクシングをあきらめられないと、
森川先生は考えていたんじゃないでしょうか。
実際、ぼくもそう思います。


これで一歩は確実に引退する。
外堀が埋まり、外壁も崩れ、守城兵の戦意も砕け散った。
これで陥落しない城があったらその方がおかしい。


だけどこの展開のおかげで、
連載が終わるわけではないと逆に信じられるようになりました。
パンチドランカー疑惑だけが理由での引退だったら、先週の日記にも書いたように、
ものすごく中途半端な形で連載が終了したんじゃないかと危惧もしてたんですが(笑)、
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1963565017&owner_id=627088
ここまで考えるとこれはもう「一歩が世界チャンピオンになるため」の伏線、
あるいは必要な通過儀礼としか思えないんですよね。


そしてここで壮大な「リセット」をすることで、
ここまで100巻以上続いてきた中でよどんでいたものを、思い切って払拭し、
新しくフレッシュな「場」を作り出すことも可能かもしれない。


一歩は引退する。
それを止められる者は誰もいない。
一歩自身、たどり着けなかった(どこへかは自分でもわからない)ことと、
新型デンプシー・ロールを鴨川会長に見せられなかったことへの後悔はあまりに強いけど、
少なくとも納得はしてグローブを置く。
それから数年後(おそらく三年くらい)、
一歩はボクシングからは完全に離れ、
鴨川ジムにもほとんど顔を出さず、
釣り船幕之内の若主人・若船長として忙しくも穏やかな日々を送っている。
その一歩に大きなきっかけがあり――


という感じでの続き。
そのきっかけが何なのか。
もうほとんど交流もなくなったけど、
鷹村がついにヘビー級タイトルマッチに挑戦し、六階級を制覇するのか。
あるいは――こっちの方がきっかけとしては大きそうだけど――宮田がリカルド・マルチネスに挑戦するのか。


でも一番ありそうなのが、鴨川会長の死、なんだよなあ…
ここまでやたらと前フリされているからとんでもなく心配で(汗)。
だけど一歩にとって、これほど「復帰」の理由になるきっかけもありえない。
新型デンプシーを見せられなかったことも、
このきっかけを後押しする気がするんですよねえ。


会長はあれほど「上をめざせ」と一歩のケツを叩いてきた。
だけど一歩はそれに本心からは応えていなかった。
そのことに会長の死後、一歩ははじめて気づく。
信じられないほどの後悔と申し訳なさと自責の念が一歩に襲いかかり、
会長の「遺言」を果たすため、一歩は一歩らしい理由で「人外」の存在となり、
今度こそ本気で世界チャンピオンになるため、現役復帰を決意する――


この場合、パンチドランカーが疑惑の段階、あるいは軽度の段階で引退しているのも大きい。
おそらくゲバラ戦後、
一歩は疑惑について病院であまり深い検査は受けないままグローブを置くと思うんですよね。
どう検査してもドランカーであるかどうかはわからないし、
仮にドランカーだとしても、それを治癒するにはボクシングを辞めるしかなく、
それはもう決心してるんだから、今さら精密検査をする必要もない。
そして三年間ボクシングから離れたことで、蓄積されてきたダメージは完全に抜け、
パンチドランカーの症状も完治している。
実際はこの点についてどういう規約があるのかわからないけど、
そのあたりは森川先生の取材にお任せということで(笑)。


そしておそらく一歩は、
引退後もロードワークや基礎練習だけはずっと続けてるような気がするんですよね。
現役選手さながらの基礎能力、基礎体力だけでなく、
新型デンプシー・ロールが打てる土台だけは維持し続けていた。
自分でもなぜそんなことをしているかわからなかったけど、
そううせずにはいられなかったというか…


ここから先はどうなるか。
というかここまでだって単なる妄想ですが(笑)、
でもこういう流れになる要素はあるような気はするんです。
そしてこの展開にするなら「はじめの一歩 第一部 完」で一度最終回を迎え、
「第二部 復帰・世界王座編」として完全にリフレッシュするのもいいかもしれない(笑)。
「もう一度 はじめの一歩」「はじめの一歩 ラウンド2」なんてタイトルも新しくして、
単行本も一巻からあらためてとかね(笑)。
20年以上連載が続き、
100巻以上単行本が出ている作品でこの展開に持ってくのはなかなかないでしょう(笑)。


なんにせよこれからどうなるか、まだ読み続けないとな。
今週や来週、あるいはしばらくは読んでてつらすぎるけど…(泣)

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