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2018年09月25日02:15
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長野・常念岳/蝶ヶ岳) 前に見たあの対岸の稜線へ。北アの主脈が並走して応援してくれる登山へLet'sGo!! ２/２
《前回までのあらすじ》
気付けば８月末。自分への夏休の宿題が終えていない。
大人の夏の宿題を回収すべく向かったのは北アルプス。
北アの主脈・槍穂高連峰をツマミに、テントで酒盛だ！と浮かれるも
前日の業、重量級ザック、そして無慈悲な岩場の急登とマゾい山行...
登りきった先のご褒美のみを念じて登った１日目。
常念岳を念仏どころか、煩悩を念じて登る愚行。御利益無しかと思いきや
壮大な景色を見せてくれたのでした。慈愛だ、、、
しかし、まだ夏の宿題は回収出来ていない。
『あの景色』を確かめに、更なるマゾロードへ。後半２日目です。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓１日目はコチラ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://
【長野】常念岳/蝶ヶ岳
三股登山口〜前常念岳〜常念岳〜常念小屋テン場〜常念岳〜蝶槍〜蝶ヶ岳〜三股登山口/周回
今日は２日目。
再度常念岳に登頂し、蝶ヶ岳へアップダウン縦走を槍穂高に応援してもらいながら伝い、下山する話です。
【常念小屋テン場】0353
無事起床。
真夜中に起きて星を狙うも雲が多くてすぐ諦めて二度寝。
天気が不安でしたが、仰ぎ見ればオリオン座が輝いていました。
今日も期待できそうです。
朝に黒糖パンを口にかきこみ、バタバタとテントを撤収。
常念小屋の宿泊者は朝御飯を食べている様子。皆さん朝早いです。
水を２Ｌ
スポーツ飲料水を１つ足して水分を確保。
安曇野方面は夜の静寂が破られようとしています。
素晴らしいグラデーション。
【常念乗越】0501
いよいよアタック開始です。
朝起きたとき、既に槍穂高は雲の中でしたので山頂ご来光は
いいか、、、と思ったものの、ある程度は登って上からみたい所。
岩場を登っていると、いよいよ夜明！
天気予報では今日は曇でしたが、期待大な幕開けです。
槍穂高が染まっていきます！
ウーム、、、山頂で見ればよかったかな、、、
オールスターズは顔を隠していても十分な威光を放っています。
ハッピーニューーーＤＡＹ！！！
毎日繰り返される出来事なれど、何かめでたい日の出。
平野でも思うのだから、山の上ならなおさらです。
昨日と違って風も穏やか。
東天井岳方面も朝日に染まります。
数名その方向へ登っていきます。行き先は燕岳か、槍ヶ岳か、、、
登っていても、ついつい見とれてしまいます。
「中々進めないですよね」とソロの登山者に話しかけられました。
素晴らしい景色を好きなように立ち止まって眺められる。
ソロ登山をする人の理由の内、結構大きなウェイトを占めていると思う。
常念岳山頂が見えてきました。
小屋から見えていたトップは『ニセピーク』
その奥に常念岳山頂はあります。
【常念岳山頂】0616
昨日に引き続き登頂。
昨日に引き続き快晴。
ありがたや、ありがたや、、、、
大天井岳もはっきり見えています。
奥の水晶岳等は雲の中、といった感じ。
黒糖パンを食べながら展望を楽しみます。
今日は平日。
山頂には自分を含めて４人のみ。静かな朝です。
槍穂高連峰は朝に比べて弱冠雲が薄くなってきたような、、、
その内、御夫婦は静岡から来たのだそう。
おおお、、、我が家の目指す形...
かみさんが "シンドイのは嫌" という高いハードルを越えられず
登山一家になるという「ゴール」は遥か彼方の自分とは大きな違いだ、、、
蝶ヶ岳への進むべき方向は雲もなく快晴。
日常では、思うように努力が実らぬもの。
涸沢でファミキャンは夢のまた夢か...
努力により確実な成果を得られるのが登山。
先ずは目の前の蝶ヶ岳へアタック開始です。
山頂直ぐの岩場で、雷鳥の親子に遭遇。
雛は小石をカラカラいわせながらも伝い渡っていきます。
雷鳥の登山一家計画は順調のようです。
【常念岳下山】0656
雷鳥イベント勃発によりさらにスタート時間が遅くなりました...
急がずゆっくりいきます。
どうやらノコギリの歯のように切れ落ちていって行く模様。
岩に手を添えながらの急降下。
そんな傍らには「イワツメクサ」
高所の岩稜帯には付き物の可憐な花です。
岩場に張り付いた木々を見ると、同一方向に枝葉がなびくように生えています。
ここの山域の風の流れは、ほぼ槍穂高から常念山脈への１方向のみ。
世の流れに身を任せるのは、どうも人間に限った話ではないらしい。
急な岩場が続きます。
大きな岩を伝い渡って行く場所も多い。
雷鳥の雛のように歩みはスイスイ行かず。
背中に重力を多分に感じながら進みます。
どの位置から撮ったらベストなのか。
幾度となく振り返り写真を撮りましたが、この位置がベスポジだと思います『常念岳』
北アルプスの岩の大小をかき集めて無造作に積み上げ、仕上げにぐいっとシンボリックに整えた山。
そんな印象。
岩場の急登はどこもキツいですが、遠巻きに見ると登らずには要られない山です。
横を見れば、槍穂高の応援が絶賛継続中。
景色も去ることながら、快晴の中自分がこの場にいることの幸福感が半端ない...
重量級ザックで岩場を降りていくので浮かれてはいられないのですが、癒しですこの景観。
コルまで下って来ました。
昨日の三股からの常念への登りも大変でしたが、蝶ヶ岳からの縦走でのこの登りも
結構応えると思う、、、
そう言えば、ルートの目印が「スマイルマーク」のものが有った筈ですが見逃したようです。
探しながら登るのも一興かと。
続いてのセクションは樹林帯。
350m程ガッツリ標高をロスしたので、これを戻す作業です。
ナナカマドが早速秋仕度を始めていました。
2018年は酷暑の夏でした。
その対価として秋の紅葉は素晴らしく染まって欲しいものです。
樹林帯といっても、タケカンバ等のアルプスらしい木々の類なのでジメジメ感はなし。
ずっと太陽に照らされて来たので涼しく気持ちがイイぐらいです。
「アキノキリンソウ」がひっそり咲いていました。
１山越えて下った鞍部辺りが拓けていました。
常念岳がババンと見えます。
男前な出で立ちです。
コバイケイソウの葉が沢山有ったので、初夏は白いソフトクリームのような花の群生が見れるでしょうね、きっと...
蝶ヶ岳への縦走路の樹林帯では、蝶ヶ岳側の斜面が結構見ごたえのある花畑だったのが思わぬ収穫でした。
夏から秋への花々を見つけては写真を撮ります。
「ハクサンフウロ」はもう僅か。
「ウメバチソウ」
暗がりに咲いているので、撮るのが難しかった、、、
「ミヤマトリカブト」
花期も終盤。猛毒とは思えない美しさがあります。
収穫して、乾燥させて、煎ってお湯を注げば
しびれるような香りいっぱいの、琥珀色した飲み物が出来そうな赤い実がなっていたり。
ＢＧＭはルンバのリズム。
このネタはもうわかる人は少ないか...自分、昭和の人間ですので。
「ハクサンボウフウと常念岳」
気付けば全く移動せず写真を撮っていました。
頻繁にしゃがむ事は、重量級ザックを背負ってスクワットと同意。
疲労累積ポイントを稼いでしまう...orz
「アキノキリンソウとハクサンフウロ」
これを打ち止めにして、いい加減標高を稼がねば、、、
【槍蝶展望】0917
御花畑スポットを満喫。
坂を登りきると進行方向に次の目的地の槍蝶が目の前に。
昨日、遠くに見えていたあの "ポッチ" です。
槍ヶ岳のような『槍感』は無いです。ポッチです。
食べ物で言えば『甘食』
これもまた、昭和の香りがするネタではありますが、、、
甘食を並べて写真を撮ったらインスタ映えするかも、、、
まだ売っていたらの話ですが。
何度か目の降下と、上昇の山路。
樹林帯を抜けると、いよいよ甘食のてっぺんは近い。
急登を登り返していきます。
樹林帯を抜けた事で、アルプススタンドの槍穂高応援が再会。
しかも槍ヶ岳まで見えています！！！
槍ヶ岳は、甲子園で言うところの、智弁和歌山の応援曲「ジョックロック」並みの威力があります。
ジョックロックは別名「魔曲」
この曲での応援が始まると、大差をひっくり返す事で有名です。
【槍蝶山頂】1015
応援の甲斐があってか、無事登頂。
山頂の頂標もないですが、展望は素晴らしいです。
振り替えれば常念岳。
今まで歩いた路を眺めると、ご褒美のような気持ちよさが景色に加算されます。
ザックを降ろして対岸を眺める。
右の槍ヶ岳から始まり、中央の湾部が大キレット。
その難所の行き着く先は、北穂高岳。次に奥穂高岳。そして最左に前穂高岳。
凄い景色に暫しうっとり。
【槍蝶出発】1029
先を見れば蝶ヶ岳ヒュッテが見えています。
フラットな稜線歩きが約束された路。
まさにビクトリーロード。
展望所のような場所があったのでまた眺める、、、
初老の男性がいたので話しかけると、蝶ヶ岳ヒュッテに泊まって三日目なのだそう。
「中々これないのでね、１人ゆっくり眺めるだけで幸せです」と。
そんな山行も憧れます。
喋っていると、道中路を譲ってもらった男性が会話に合流。
聞くと東京からこられて、頑張って常念岳から上高地に下るそうな。
定年後の夏の楽しみなのだそう。
そういう山の楽しみが定年後続けられたら、、、
皆さん思い思いに山を楽しんでいるのだな、と感じた瞬間でした。
男３人、各々の路を称えあい、そして眺める。
３人とも違う路なれど、この場に立ち、この景色を見れた３人とも並列平等に勝者です。
どのような方法でも
どのルートだろうと
皆各々に苦労し辿り着く頂き。
皆平等に凄く、そして素晴らしい。そういう所が好きです。登山って。
自分は先に進むことにして２人とはお別れ。
先に進むと三角点があったのでタッチしておきます。
【横尾山荘分岐】1103
ここを降りれば上高地・横尾。
いつかここを登って帰ってくる壮大な縦走をしてみたい、、、
梓川が谷間を流れていきます。
ちょうど１年前あそこを歩いていたのだな、と。
前回の北アルプスは、岡山から登山仲間と上高地から涸沢・北穂高へテント泊をしたのです。
今回の北アルプスは、栃木からソロで対岸の常念山脈をテント泊。
ソロの登山者が常念岳へ向かっていきました。
アルプススタンドの応援も又、皆に等しい...
なだらかな登り。
常念岳とは違い、蝶ヶ岳は最後が非常に優しい。女性のような山様です。
そしてついに蝶ヶ岳ヒュッテ到着。
ついに来た！
雲の上の宿。
雲が沸き上がって来ます。
休み明けの月曜日のためか、山小屋では布団干し作業の真っ最中。
取り込んでいる所を察するに、天気は下り坂。
急いで山頂に向かいます。
【蝶ヶ岳山頂】1138
ヒュッテ前にザックをデポし、かけ上がると山頂。
青空をバックに頂標を収めることができました。
広がる展望。
常念小屋より、蝶ヶ岳ヒュッテ前のテン場の方が目の前に迫ってくる感じがします。
そしてついに、今回の縦走の最中探し求めていたものを見つけました！！！
『涸沢ヒュッテ』
去年の今頃、テン泊でチャッピー鍋パーティをしようと仲間とヒーヒー歩荷した涸沢。
たどり着いたヒュッテの "天空デッキ" で飲んだ、あの生ビールの味が忘れられません。
涸沢カールのその先に見えた対岸の稜線。
アーベンロートで染まる姿を見ながら、いつか逆から見てみたい、、、
そう強く思ったのでした。
→山行日記)http://
《写真：涸沢ヒュッテ・天空デッキより対岸の常念山脈を眺める》
遥か昔の出来事のよう。
岡山から転勤し家族の元に戻った今、仲間と登山は暫くは出来なさそう。
あの時見た景色が何処なのかを探す山旅にしようと挑んだ今回。
蝶ヶ岳の山頂で、夏休みの宿題を無事回収出来ました。
ずっと道中探して歩き、最後の最後で見つかる。
劇的なシチュエーション。
ホントに感動的でした、、、
年甲斐にもなく感涙。
心が満たされたら、急にお腹が空いてきました。
朝にアルファ米に水を含ませておいたので、炭酸ジュースでも購入しようとヒュッテ内へ。
そしてヒュッテから出ると、何故か手にしていたのは「カレーライス」
山の上の飲食物は、荷揚げ費用加算により高いのが常。
しかし、カレーライスは麓と同じ８００円。
しかも、中で先に食べていた人による、溢れんばかりのカレー臭。
食わずに居られようか？いや、いれはしない、、、
小屋の人に「耐えられないので、カレーライスを...」
そう言うと「美味しいですよ♪」とニンマリされる。ご馳走さまでした！
【下山開始】1241
名残惜しいですが時間です。
いつの日かまたここへ、、、
蝶ヶ岳側の斜面はやはり花畑。
それもそのはず、蝶ヶ岳は花の１００名山に選ばれているのです。
しかし、もうスクワット撮影会をする気力はない、、、
下山作業に没頭します。
縦走後半、ずっと雲の中だった常念岳がチラリ。
また来いよ。そんな雰囲気。
また来ます。いつかきっと。
「サラシナショウマ」の群生が。
今回の山行では見ていなかった花なのでついつい写真を撮っていると
虫取網を持った大人が颯爽と下山していきました。
蝶ヶ岳だけに蝶目当てなんでしょうか、、、
急登ですが、登山道の整備レベルが凄い。
これでもかと言う位、階段が続きます。しかも段差がちょうどイイ高さ。
常念岳方面とは凄い違いだ、、、
定番の「ゴジラの木」もしっかりチェック。
力水と呼ばれる水場は、キンキンに冷えていて美味しい。
ラストに備えます。
沢に架かるこの橋を抜ければゴールは近い。
昨日の朝、常念岳へ折れた分岐が！
【三股登山口詰所】1536
無事下山しました。
ここから３０分弱の林道歩きがしんどかった、、、
「ほりでーゆ四季の郷」
早速汗を落とします。
麓に降りる途中にあるので、三股登山口利用者は必然的にここ、という流れ。
施設も素晴らしく、大人５００円という蝶ヶ岳稜線並みの優しさがナイスです。
「小木曽製粉所」
信州に来たならやっぱり蕎麦でしょう。
ここでも、コストパフォーマンスはこだわりたい所。
製粉所が大元の、蕎麦版"丸亀製麺うどん"のようなシステム。
蕎麦は殻も引く田舎そば。
しっかりコシもあって美味しかったです。
カウンター上に貼られた北アルプスの峯々を眺めながら回想に浸ったのでした。
『あの嶺へ 夢見て紡ぐ 山路かな』
今度はこの先の縦走路を踏んでみたい。
山頂から、分岐から、、、
まだ見ぬ山路に夢が広がっていくのも登山の醍醐味の１つ。
しかし、今回のように対岸に伸びた稜線に思いを馳せるのは珍しいかもしれません。
槍穂高主脈と常念山脈が平行して走っているからこそ起きる衝動でしょう。
香川県にある「金比羅宮」は有名ですが、実は昔から岡山の「由加神社本宮」と合わせて両詣りすることで
祈願成就のパワーが増すと言われています。
涸沢が先か、常念岳/蝶ヶ岳の稜線が先か。
悩むところですが、両方登ることで想いが増すのは事実。
あの時見た景色とともに、その時の山旅の思い出をノスタルジアに浸る山旅はいかがでしょうか？
懐古と、新たな山路と、ザックの重み。
過去・未来・現在が交錯する山路、オススメです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【常念岳/蝶ヶ岳 三股〜前常念岳〜常念岳〜常念テン場〜常念岳〜蝶槍〜蝶ヶ岳〜三股/周回 】
標高：2,857m (常念岳)
累積標高差：+ 2,594m、- 2,618m
歩行距離：23.27��
場所：長野県松本市・安曇野市
■前の日記■
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「福島・燧ヶ岳) 夏が来たので思いだし、遥かな尾瀬に繰り出す登山へLet'sGo!!」
http://
■次の日記■
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
気ままに執筆中
■山旅日記■ since 2014〜
http://
気付けば８月末。自分への夏休の宿題が終えていない。
大人の夏の宿題を回収すべく向かったのは北アルプス。
北アの主脈・槍穂高連峰をツマミに、テントで酒盛だ！と浮かれるも
前日の業、重量級ザック、そして無慈悲な岩場の急登とマゾい山行...
登りきった先のご褒美のみを念じて登った１日目。
常念岳を念仏どころか、煩悩を念じて登る愚行。御利益無しかと思いきや
壮大な景色を見せてくれたのでした。慈愛だ、、、
しかし、まだ夏の宿題は回収出来ていない。
『あの景色』を確かめに、更なるマゾロードへ。後半２日目です。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓１日目はコチラ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://
【長野】常念岳/蝶ヶ岳
三股登山口〜前常念岳〜常念岳〜常念小屋テン場〜常念岳〜蝶槍〜蝶ヶ岳〜三股登山口/周回
今日は２日目。
再度常念岳に登頂し、蝶ヶ岳へアップダウン縦走を槍穂高に応援してもらいながら伝い、下山する話です。
【常念小屋テン場】0353
無事起床。
真夜中に起きて星を狙うも雲が多くてすぐ諦めて二度寝。
天気が不安でしたが、仰ぎ見ればオリオン座が輝いていました。
今日も期待できそうです。
朝に黒糖パンを口にかきこみ、バタバタとテントを撤収。
常念小屋の宿泊者は朝御飯を食べている様子。皆さん朝早いです。
水を２Ｌ
スポーツ飲料水を１つ足して水分を確保。
安曇野方面は夜の静寂が破られようとしています。
素晴らしいグラデーション。
【常念乗越】0501
いよいよアタック開始です。
朝起きたとき、既に槍穂高は雲の中でしたので山頂ご来光は
いいか、、、と思ったものの、ある程度は登って上からみたい所。
岩場を登っていると、いよいよ夜明！
天気予報では今日は曇でしたが、期待大な幕開けです。
槍穂高が染まっていきます！
ウーム、、、山頂で見ればよかったかな、、、
オールスターズは顔を隠していても十分な威光を放っています。
ハッピーニューーーＤＡＹ！！！
毎日繰り返される出来事なれど、何かめでたい日の出。
平野でも思うのだから、山の上ならなおさらです。
昨日と違って風も穏やか。
東天井岳方面も朝日に染まります。
数名その方向へ登っていきます。行き先は燕岳か、槍ヶ岳か、、、
登っていても、ついつい見とれてしまいます。
「中々進めないですよね」とソロの登山者に話しかけられました。
素晴らしい景色を好きなように立ち止まって眺められる。
ソロ登山をする人の理由の内、結構大きなウェイトを占めていると思う。
常念岳山頂が見えてきました。
小屋から見えていたトップは『ニセピーク』
その奥に常念岳山頂はあります。
【常念岳山頂】0616
昨日に引き続き登頂。
昨日に引き続き快晴。
ありがたや、ありがたや、、、、
大天井岳もはっきり見えています。
奥の水晶岳等は雲の中、といった感じ。
黒糖パンを食べながら展望を楽しみます。
今日は平日。
山頂には自分を含めて４人のみ。静かな朝です。
槍穂高連峰は朝に比べて弱冠雲が薄くなってきたような、、、
その内、御夫婦は静岡から来たのだそう。
おおお、、、我が家の目指す形...
かみさんが "シンドイのは嫌" という高いハードルを越えられず
登山一家になるという「ゴール」は遥か彼方の自分とは大きな違いだ、、、
蝶ヶ岳への進むべき方向は雲もなく快晴。
日常では、思うように努力が実らぬもの。
涸沢でファミキャンは夢のまた夢か...
努力により確実な成果を得られるのが登山。
先ずは目の前の蝶ヶ岳へアタック開始です。
山頂直ぐの岩場で、雷鳥の親子に遭遇。
雛は小石をカラカラいわせながらも伝い渡っていきます。
雷鳥の登山一家計画は順調のようです。
【常念岳下山】0656
雷鳥イベント勃発によりさらにスタート時間が遅くなりました...
急がずゆっくりいきます。
どうやらノコギリの歯のように切れ落ちていって行く模様。
岩に手を添えながらの急降下。
そんな傍らには「イワツメクサ」
高所の岩稜帯には付き物の可憐な花です。
岩場に張り付いた木々を見ると、同一方向に枝葉がなびくように生えています。
ここの山域の風の流れは、ほぼ槍穂高から常念山脈への１方向のみ。
世の流れに身を任せるのは、どうも人間に限った話ではないらしい。
急な岩場が続きます。
大きな岩を伝い渡って行く場所も多い。
雷鳥の雛のように歩みはスイスイ行かず。
背中に重力を多分に感じながら進みます。
どの位置から撮ったらベストなのか。
幾度となく振り返り写真を撮りましたが、この位置がベスポジだと思います『常念岳』
北アルプスの岩の大小をかき集めて無造作に積み上げ、仕上げにぐいっとシンボリックに整えた山。
そんな印象。
岩場の急登はどこもキツいですが、遠巻きに見ると登らずには要られない山です。
横を見れば、槍穂高の応援が絶賛継続中。
景色も去ることながら、快晴の中自分がこの場にいることの幸福感が半端ない...
重量級ザックで岩場を降りていくので浮かれてはいられないのですが、癒しですこの景観。
コルまで下って来ました。
昨日の三股からの常念への登りも大変でしたが、蝶ヶ岳からの縦走でのこの登りも
結構応えると思う、、、
そう言えば、ルートの目印が「スマイルマーク」のものが有った筈ですが見逃したようです。
探しながら登るのも一興かと。
続いてのセクションは樹林帯。
350m程ガッツリ標高をロスしたので、これを戻す作業です。
ナナカマドが早速秋仕度を始めていました。
2018年は酷暑の夏でした。
その対価として秋の紅葉は素晴らしく染まって欲しいものです。
樹林帯といっても、タケカンバ等のアルプスらしい木々の類なのでジメジメ感はなし。
ずっと太陽に照らされて来たので涼しく気持ちがイイぐらいです。
「アキノキリンソウ」がひっそり咲いていました。
１山越えて下った鞍部辺りが拓けていました。
常念岳がババンと見えます。
男前な出で立ちです。
コバイケイソウの葉が沢山有ったので、初夏は白いソフトクリームのような花の群生が見れるでしょうね、きっと...
蝶ヶ岳への縦走路の樹林帯では、蝶ヶ岳側の斜面が結構見ごたえのある花畑だったのが思わぬ収穫でした。
夏から秋への花々を見つけては写真を撮ります。
「ハクサンフウロ」はもう僅か。
「ウメバチソウ」
暗がりに咲いているので、撮るのが難しかった、、、
「ミヤマトリカブト」
花期も終盤。猛毒とは思えない美しさがあります。
収穫して、乾燥させて、煎ってお湯を注げば
しびれるような香りいっぱいの、琥珀色した飲み物が出来そうな赤い実がなっていたり。
ＢＧＭはルンバのリズム。
このネタはもうわかる人は少ないか...自分、昭和の人間ですので。
「ハクサンボウフウと常念岳」
気付けば全く移動せず写真を撮っていました。
頻繁にしゃがむ事は、重量級ザックを背負ってスクワットと同意。
疲労累積ポイントを稼いでしまう...orz
「アキノキリンソウとハクサンフウロ」
これを打ち止めにして、いい加減標高を稼がねば、、、
【槍蝶展望】0917
御花畑スポットを満喫。
坂を登りきると進行方向に次の目的地の槍蝶が目の前に。
昨日、遠くに見えていたあの "ポッチ" です。
槍ヶ岳のような『槍感』は無いです。ポッチです。
食べ物で言えば『甘食』
これもまた、昭和の香りがするネタではありますが、、、
甘食を並べて写真を撮ったらインスタ映えするかも、、、
まだ売っていたらの話ですが。
何度か目の降下と、上昇の山路。
樹林帯を抜けると、いよいよ甘食のてっぺんは近い。
急登を登り返していきます。
樹林帯を抜けた事で、アルプススタンドの槍穂高応援が再会。
しかも槍ヶ岳まで見えています！！！
槍ヶ岳は、甲子園で言うところの、智弁和歌山の応援曲「ジョックロック」並みの威力があります。
ジョックロックは別名「魔曲」
この曲での応援が始まると、大差をひっくり返す事で有名です。
【槍蝶山頂】1015
応援の甲斐があってか、無事登頂。
山頂の頂標もないですが、展望は素晴らしいです。
振り替えれば常念岳。
今まで歩いた路を眺めると、ご褒美のような気持ちよさが景色に加算されます。
ザックを降ろして対岸を眺める。
右の槍ヶ岳から始まり、中央の湾部が大キレット。
その難所の行き着く先は、北穂高岳。次に奥穂高岳。そして最左に前穂高岳。
凄い景色に暫しうっとり。
【槍蝶出発】1029
先を見れば蝶ヶ岳ヒュッテが見えています。
フラットな稜線歩きが約束された路。
まさにビクトリーロード。
展望所のような場所があったのでまた眺める、、、
初老の男性がいたので話しかけると、蝶ヶ岳ヒュッテに泊まって三日目なのだそう。
「中々これないのでね、１人ゆっくり眺めるだけで幸せです」と。
そんな山行も憧れます。
喋っていると、道中路を譲ってもらった男性が会話に合流。
聞くと東京からこられて、頑張って常念岳から上高地に下るそうな。
定年後の夏の楽しみなのだそう。
そういう山の楽しみが定年後続けられたら、、、
皆さん思い思いに山を楽しんでいるのだな、と感じた瞬間でした。
男３人、各々の路を称えあい、そして眺める。
３人とも違う路なれど、この場に立ち、この景色を見れた３人とも並列平等に勝者です。
どのような方法でも
どのルートだろうと
皆各々に苦労し辿り着く頂き。
皆平等に凄く、そして素晴らしい。そういう所が好きです。登山って。
自分は先に進むことにして２人とはお別れ。
先に進むと三角点があったのでタッチしておきます。
【横尾山荘分岐】1103
ここを降りれば上高地・横尾。
いつかここを登って帰ってくる壮大な縦走をしてみたい、、、
梓川が谷間を流れていきます。
ちょうど１年前あそこを歩いていたのだな、と。
前回の北アルプスは、岡山から登山仲間と上高地から涸沢・北穂高へテント泊をしたのです。
今回の北アルプスは、栃木からソロで対岸の常念山脈をテント泊。
ソロの登山者が常念岳へ向かっていきました。
アルプススタンドの応援も又、皆に等しい...
なだらかな登り。
常念岳とは違い、蝶ヶ岳は最後が非常に優しい。女性のような山様です。
そしてついに蝶ヶ岳ヒュッテ到着。
ついに来た！
雲の上の宿。
雲が沸き上がって来ます。
休み明けの月曜日のためか、山小屋では布団干し作業の真っ最中。
取り込んでいる所を察するに、天気は下り坂。
急いで山頂に向かいます。
【蝶ヶ岳山頂】1138
ヒュッテ前にザックをデポし、かけ上がると山頂。
青空をバックに頂標を収めることができました。
広がる展望。
常念小屋より、蝶ヶ岳ヒュッテ前のテン場の方が目の前に迫ってくる感じがします。
そしてついに、今回の縦走の最中探し求めていたものを見つけました！！！
『涸沢ヒュッテ』
去年の今頃、テン泊でチャッピー鍋パーティをしようと仲間とヒーヒー歩荷した涸沢。
たどり着いたヒュッテの "天空デッキ" で飲んだ、あの生ビールの味が忘れられません。
涸沢カールのその先に見えた対岸の稜線。
アーベンロートで染まる姿を見ながら、いつか逆から見てみたい、、、
そう強く思ったのでした。
→山行日記)http://
《写真：涸沢ヒュッテ・天空デッキより対岸の常念山脈を眺める》
遥か昔の出来事のよう。
岡山から転勤し家族の元に戻った今、仲間と登山は暫くは出来なさそう。
あの時見た景色が何処なのかを探す山旅にしようと挑んだ今回。
蝶ヶ岳の山頂で、夏休みの宿題を無事回収出来ました。
ずっと道中探して歩き、最後の最後で見つかる。
劇的なシチュエーション。
ホントに感動的でした、、、
年甲斐にもなく感涙。
心が満たされたら、急にお腹が空いてきました。
朝にアルファ米に水を含ませておいたので、炭酸ジュースでも購入しようとヒュッテ内へ。
そしてヒュッテから出ると、何故か手にしていたのは「カレーライス」
山の上の飲食物は、荷揚げ費用加算により高いのが常。
しかし、カレーライスは麓と同じ８００円。
しかも、中で先に食べていた人による、溢れんばかりのカレー臭。
食わずに居られようか？いや、いれはしない、、、
小屋の人に「耐えられないので、カレーライスを...」
そう言うと「美味しいですよ♪」とニンマリされる。ご馳走さまでした！
【下山開始】1241
名残惜しいですが時間です。
いつの日かまたここへ、、、
蝶ヶ岳側の斜面はやはり花畑。
それもそのはず、蝶ヶ岳は花の１００名山に選ばれているのです。
しかし、もうスクワット撮影会をする気力はない、、、
下山作業に没頭します。
縦走後半、ずっと雲の中だった常念岳がチラリ。
また来いよ。そんな雰囲気。
また来ます。いつかきっと。
「サラシナショウマ」の群生が。
今回の山行では見ていなかった花なのでついつい写真を撮っていると
虫取網を持った大人が颯爽と下山していきました。
蝶ヶ岳だけに蝶目当てなんでしょうか、、、
急登ですが、登山道の整備レベルが凄い。
これでもかと言う位、階段が続きます。しかも段差がちょうどイイ高さ。
常念岳方面とは凄い違いだ、、、
定番の「ゴジラの木」もしっかりチェック。
力水と呼ばれる水場は、キンキンに冷えていて美味しい。
ラストに備えます。
沢に架かるこの橋を抜ければゴールは近い。
昨日の朝、常念岳へ折れた分岐が！
【三股登山口詰所】1536
無事下山しました。
ここから３０分弱の林道歩きがしんどかった、、、
「ほりでーゆ四季の郷」
早速汗を落とします。
麓に降りる途中にあるので、三股登山口利用者は必然的にここ、という流れ。
施設も素晴らしく、大人５００円という蝶ヶ岳稜線並みの優しさがナイスです。
「小木曽製粉所」
信州に来たならやっぱり蕎麦でしょう。
ここでも、コストパフォーマンスはこだわりたい所。
製粉所が大元の、蕎麦版"丸亀製麺うどん"のようなシステム。
蕎麦は殻も引く田舎そば。
しっかりコシもあって美味しかったです。
カウンター上に貼られた北アルプスの峯々を眺めながら回想に浸ったのでした。
『あの嶺へ 夢見て紡ぐ 山路かな』
今度はこの先の縦走路を踏んでみたい。
山頂から、分岐から、、、
まだ見ぬ山路に夢が広がっていくのも登山の醍醐味の１つ。
しかし、今回のように対岸に伸びた稜線に思いを馳せるのは珍しいかもしれません。
槍穂高主脈と常念山脈が平行して走っているからこそ起きる衝動でしょう。
香川県にある「金比羅宮」は有名ですが、実は昔から岡山の「由加神社本宮」と合わせて両詣りすることで
祈願成就のパワーが増すと言われています。
涸沢が先か、常念岳/蝶ヶ岳の稜線が先か。
悩むところですが、両方登ることで想いが増すのは事実。
あの時見た景色とともに、その時の山旅の思い出をノスタルジアに浸る山旅はいかがでしょうか？
懐古と、新たな山路と、ザックの重み。
過去・未来・現在が交錯する山路、オススメです。
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【常念岳/蝶ヶ岳 三股〜前常念岳〜常念岳〜常念テン場〜常念岳〜蝶槍〜蝶ヶ岳〜三股/周回 】
標高：2,857m (常念岳)
累積標高差：+ 2,594m、- 2,618m
歩行距離：23.27��
場所：長野県松本市・安曇野市
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