奈良へ行ってきた。
3月11日(日)
石上神宮に到着した。
天理市の山の辺の道にある由緒ある神社で、古事記にも記載がある。
10時、社務所にて受付をする。
禁足地の見学と、拝殿での正式参拝を申し込んでおいたのだ。
宮司さんの案内で拝殿の裏手に行く。
本当に真裏だ。
石上神宮には明治時代まで本殿がなかった。
御神体は拝殿の後ろの地面に埋めてあるとされてきた。
地中の御神体を拝むために、拝殿だけが建てられていた。
御神体を踏んづけてはいけないので、拝殿の後ろは立入禁止の禁足地になっていた。
明治時代に、本当にそんな物があるのか調べるために発掘調査が行われた。
そしたら古い刀剣が出土した。
また埋め戻すのも心苦しいので、ちゃんとした本殿が禁足地に作られた。
現在では本殿の掃除などのために、宮司さんたちが月に2回ほど立ち入りしている。
話を聞くと、これは元・禁足地で八幡の藪知らずのような人跡未踏な土地じゃない。
ちょっと面白くないけど、いつもは一般に見られないところだ。
もちろん中には入れないけど、塀越しに中を覗かせてもらった。
刀剣が出土した場所は、拝殿の真裏で、石が積み上げてあった。
写真撮影は禁止なので、ネットにあったのを貼り付ける。
ペンタゴンの形をした石が柵のように並べてあり、中が見えないようになっている。
拝殿に戻る。
昇殿して正式参拝をした。
拝殿は宮中にあった建物を移築したもので、国宝に指定されている。
お下がりのお守りや落雁もいただいた。
七支刀やもう一つの国宝拝殿の説明などを聞き、とてもためになった。
境内には鶏がたくさん放し飼いにされている。
これは昼間のあいだだけで、夜になると野生動物に襲われるので小屋に収納するそうだ。
熱田神宮でも鶏がたくさん走り回っている。
どうして神社でこんなのを飼っているかというと、古事記や日本神話に遡るそうだ。
鶏の古名は長鳴鳥(ながなきどり)という。
天の岩戸に隠れた天照大神を呼び出したように、鶏の鳴き声は魔を払うとされたそうだ。
でも、ニワトリというのは東南アジア原産の外来生物だ。
それが日本神話に登場するということは、日本の神話はかなり新しく作られた証拠じゃないのだろうか。
石上神宮から奈良市の西部へ行く。
住所でいくと奈良市丸山、若草台というところだ。
住宅街の広い道端に路上駐車した。
少し小さな坂を下ると田園地帯の田舎道だ。
GPSを頼りに畦道のようなところを歩いていく。
白高大神は森のなかにあった。
入口の鳥居の前には溜池がある。
会員制の釣り場になっていて、日曜日だから10人ほどの人が魚釣りをしていた。
ここを作ったのは中井シゲノという宗教家のような霊媒師のような人だ。
明治生まれで平成3年まで生きていた。
農家の生まれで盲目の女性だった。
大阪の一心寺の門前で居を構え、たくさんの信者を集めた。
狐憑きとか民間信仰をベースにした土着の宗教家だったようだ。
石の鳥居をくぐり、登山道のような道を登っていく。
朱色に塗った鉄製の鳥居や、小さな祠が点在している。
誰かがちゃんと手入れをしているようだ。
いくつかの廃屋を通り過ぎる。
これらは祭殿や東屋やそれなりに用途があって使われていたのだろう。
本殿というか、中心地のようなところに来た。
ここの祠はきれいに管理されている。
背後には石碑が並んでいる。
御眷属のような石のお狐さんがいた。
右側は首が取れていて、それらしい石が乗せてあった。
さらに小川沿いの登っていく。
防空壕と呼ばれる、奥の院が見えてきた。
3メートルほどの多段滝の横に人工洞窟がある。
そこに行くのに橋があるけど、橋の手前で道が崩壊していた。
修理する人もいないのだろうか。
洞窟は奥行きが3メートルほど。
祠になっていた。
モニュメントはこれでおしまい。
この白高大神は奈良の心霊スポットになっているそうだ。
しかし、歩いてみると普通の廃神社だった。
愛知岐阜にはもっと、ずっとおどろおどろしいスポットがあるぞ。
奈良県民は臆病で根性が足りん。
これから上には何もなさそうだ。
でも薄い踏み跡があるので登ってみることにした。
滝上の沢沿いに斜面を行く。
道がなくなったので、対岸に渡渉すると建物があった。
お堂だった。
中を覗くと岩窟仏が安置されていた。
説明板があり、瀧寺という廃寺の跡で、奈良県の指定文化財だそうだ。
由緒ある建物だった。
ここから上はハイキングコースになっているらしく、整備された道をハイカーが歩いていた。
先に進むと舗装道路に出て、道沿いに下っていくと集落に来た。
GPSの地図を見ながら、もと来た道を探して歩いていく。
広い田舎の中の狭い道だ。
山の辺の道や葛木古道のように有名な観光用の道じゃない。
それだけに静かで趣がある。
奈良はあちこちにこんなところがあるので好きだ。
車に戻る。
2時間ほどのハイキングだった。
5月の連休に大きな計画がある。
今回は、その足慣らし第1回だ。
ちょうどよい運動になった。
名古屋へ帰る途中、針の道の駅に立ち寄る。
天理スタミナラーメンを食べ、針温泉でのんびりとお湯に浸かった。
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