全教の教研集会で右翼襲撃に備える

全教の教研集会で警備をした。

なんのことかわからないだろうから解説すると。
「全教」というのは全日本教職員組合の略。
学校の先生の労働組合だ。
もともと日教組という組合があった。
共産党系の組合員が分裂して作ったのが全教だ。

教研集会というのは、年に一回全国各地で順番に行なわれる大会のこと。
分科会と言って勉強会も行なわれる。

今年は愛知県で開かれた。
毎年の集会では右翼の人たちが妨害に来る。
街宣車が数百台も集結し、反対デモが行なわれることもある。

初日の全体集会は愛知県体育館だった。
大相撲名古屋場所をやるところだ。

2日目と３日目の分科会は名古屋大学だった。
右翼の人たちに知られないように、開催場所が名古屋大学だということは秘密になっていた。
警備案内の注意書きには
「右翼がネットを監視しています。SNS、Facebookなどで絶対に場所を書かないでください」
と大きく書いてあった。

ということで、分科会の初日の１７日（土）は名古屋大学で警備のお手伝いをすることになった。

どうしてお盆の忙しい時期に、こんなことを引き受けたかというと。
なんか面白そうだから。

在特会のようなのが来て
「国賊ゴキブリ教師をぶっ殺せー！！」
とヘイトスピーチをするかもしれない。

軍服姿の男が刃物を持って乱入するかもしれない。

そういうのを期待して名古屋大学へ行った。

だけど右翼さんたちは、ほとんど来なかった。
テレビのローカルニュースで、前日に開催場所を漏らしてしまったにもかかわらず。

初日の愛知県体育館にはいくらか来ていたようだ。
でも右翼も最近は高齢化と財政難で困っているようだ。
地方から来て、宿泊してまで妨害する根性のある右翼さんは少ないそうだ。
それに愛知県は右翼があまり盛んじゃないらしい。

それでも街宣車が2台来た。
大通りの方で軍歌を鳴らしていた。
わたしは軍歌には詳しい。
彼らの流す曲の題名がだいたい分かった。
いっしょに警備している人に教えてやると
「まかみしさんは、よけいな知識だけ豊富なんですねぇ」
と言われた。

ということで、当日にやった主なことは分科会に出席する先生方の道案内だった。
名古屋大学は広くて同じような建物が並んでいる。
初めて来た人はよくわからない。
建物の要所に立ち、地図を用意して教えてあげる。

中にはバカっぽい先生もいて、地図で示して丁寧にいくら教えても理解できない人がいた。
バカっぽくても先生を務めることはできるだろうけど、頭の良い生徒にナメられるんじゃないかなあ。

生活指導がテーマの分科会に、大幅に遅刻してきた先生もいた。
こういう時間を守れない先生が生活指導をしているのだろうか。

とはいえ先生も人間で、労働者なのだ。
普通の人と何ら変わるところはない。

ついでに書くと、右翼さんたちも普通の人間で労働者で、わたしたちと変わるところはない、と思う。